軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

218◇レメたちの予選

『さぁさぁさぁやってまいりました全天祭典競技予選! こちらは予選会場十二番となります! ご存知の通り世界最強を決するためのこの戦い、我らこそはという勇士が大陸中より結集しております! が! 残念ながら参加希望者全員が伝説と対峙することは叶いません! まずは予選を設け、その数を減らそうというわけです!』

『実況』だ。

『初級・始まりのダンジョン』内に設けられたのは戦場、いや――競技用ステージのみではなかった。

観戦席と、複数の巨大スクリーンまで用意されている。

戦闘を行うステージをぐるりと囲む形の観戦席と、四つのスクリーン。

スクリーンは分割され、複数箇所の映像が映し出されている。

戦況に応じて映像や画面ごとの大きさは変更されるようだ。

フェローさんは始まりのダンジョンとの契約以降、買収ではなく同じように貸し出しの方向で交渉を進め、祭典の開催に充分な魔力空間を借りることに成功。

世界各地に点在するダンジョンの経営者達も、攻略者に頼らない収入源はありがたい。職場をまるごと奪われるわけではないのなら、応じる者がグッと増えるのは頷ける話だ。

僕は今、パーティーメンバーと共に入場の時を待っている。

『さて、本日は大陸各地で行われる予選の初日! まだまだ皆様ルールに馴染みもないでしょうから、ざっくり説明させていただきますね!』

実況は二人で、一人がミノタウロスの男性、もう一人が 人間(ノーマル) の女性だ。

これまで話していたミノタウロスさんの言葉を継ぐように、 人間(ノーマル) の女性の声が響く。

『ルールは超簡単! 敵を倒してポイントを稼ぐというものです。祭典は五人組での参加なのでー、割り振られるポイントの合計は全パーティー同じ! 一人十点が五人で五十点!』

『一会場に百パーティーが集められていますから、ポイント総計は五千ですね! 最後の一パーティーになるか制限時間になったら終了です! 生き残れば最初に割り振られたポイントも得点に数えられるので、たとえば一パーティーだけで敵を全滅させれば、五千ポイント総取りとなります! さすがに有り得ないかと思いますが!』

『あはは、ですねー! しかし百パーティーってことは……えぇと、五百人ですよねー? 多すぎませんか? フィールドが超広いので、キャパ的には問題ないんでしょうけど。こんなに多かったら誰を見たらいいか、お客さんは混乱しそうですー』

ダンジョン攻略だと、沢山魔物が出てきても一度に同じ空間にという形ではなかったり、その場合でも五百人はさすがにない。

しかも基本五人の勇者パーティーに集中すればいいダンジョン攻略と違って、今回は百パーティー五百人それぞれが選手で、主役だ。

『そのあたりはやはり、最初は有名な方々を中心にスクリーンへ映し出されます。派手な戦闘が期待されるので、観客席から近い戦闘の臨場感を楽しんでもいいですし、人気パーティーの活躍がお目当ての方はしばらくは巨大スクリーンに注目していただくのがよいかもしれません。もちろん、貴方の目の前で一押しのパーティーが戦うなんて夢のような状況も実現する可能性があります!』

『うふふ、一応パーティーの入場口はチケット予約の時点で公表されているので、目当ての席を確保出来たお客さんは間近で推しの入場を眺めることが出来ちゃうんですよねー。でもでも仕方ないとはいえ、有名どころ優遇な感じはありますよねー。そこはなんとか出来なかったりー?』

『一応ランダムで戦況を映し出す画面も用意されてはいますが……。ふむ、注目されたいならジャイアントキリングを目指すか、地道に結果を示すかでしょうね』

有名な者を優先的に映し出すなら、そのパーティーと戦えばいい。勝てば当然、目立てる。

『おっ、結果というと?』

『今回は逐次ポイント集計を行い、獲得ポイントの高いパーティーを都度発表します。もちろん戦いの最中にです。ここで結果を出せば、我々もモブ扱いは出来ませんからね』

たとえば開始から五分時点、十分時点のポイント獲得ランキング的なものを発表するということだろう。

これならば有名無名は関係ない。より多くの選手を倒したパーティーの名が刻まれる。

『んん! なるほどー! そうなると、最初に飛ばしていると他のパーティーに戦果がバレて狙われる可能性もあるわけですね!』

『えぇ。また獲得出来るポイントの総数は刻一刻と減っていきます。仮に千ポイント稼いだパーティーがいて、それを全滅させても、得られるのは五十点で固定なわけですから』

他選手を倒しても、その選手の獲得ポイントは奪えないわけだ。

『そのパターンだと、全滅したそのパーティーの記録は千ポイントで止まる、ということになりますねー』

もし千ポイント稼いだ状態でパーティー全員が生き残り、制限時間を迎えたら、自分達のパーティー分の五十ポイントが更に加点されるというわけだ。

逆に全滅しても敵を倒して稼いだポイントは失われず、得点として記録される。

『あ、ちなみにこの予選ではリーダーの退場後もパーティーは戦闘を続けられるものとしますよー。ダンジョン攻略だとリーダーが退場したら終わりですが、そういった心配は要らないのです!』

レイド戦が例外だっただけで、基本はリーダーが落ちれば攻略は失敗。

『予選は同じ条件で行われ、この会場だけではなく全会場の結果が出た後で、ポイントの高い順に次なる戦いへの出場者が決められます!』

『他にも細々としたルールがあるんですけどー、まぁそれは実況でその都度説明しようかなーって思います! ちなみにこの予選、俗に言う不遇職でも輝けるチャンスがあるので、そのあたりも楽しんでくださいねー! 観客の皆さんは入場の際にお渡ししたパンフレットに細かいルールが書かれているんで、読んじゃってもいいかもー!』

『ではでは選手の入場です! 人数が人数ですから全員の紹介とはいきませんが、ここで紹介されなかった選手は、実力で我々の目を奪っていただければと!』

わぁああと、観客席の興奮が選手入場口まで伝わってくる。

数々の有名な冒険者、魔物……いや、選手達が入場していく。

特に僕が気になった人たちだけ抜粋するなら――。

『祭典だからこそ彼らの活躍を目にすることが出来ると思うと、一実況者としても興奮を隠しきれません! リーダーは第七騎士団の団長! 【正義の天秤】アストレア!』

アストレアさんは、美しい女性だった。金の毛髪は肩に掛からないぐらいで切られ、青い瞳はまっすぐ正面に向けられている。堂々とした足取りだが、驕った様子はない。

騎士団。

ものすごくざっくり言うと――戦時中、騎士団は軍、冒険者は傭兵に該当した。

もちろん好き勝手冒険する者も多くいたが、人類が魔族との勝利に向けて一致団結しなければならない時代だったので、雇われて戦う者も多かった。

エルフのように中立を選ぶ者や、オークやゴブリンなど当時は魔族側だった亜人なども多いが、とにかく争いがあり、それは終わった。

冒険者と魔物は、ダンジョン攻略の配信という形で共存。

騎士団は治安維持組織としての側面が強くなる。

こそ泥から世紀の犯罪者まで幅広く、騎士団は取り締まる。

もちろん、冒険者崩れ、魔物崩れの犯罪者も含まれる。

人気は出なかったけれど、戦闘能力は申し分ない悪人。

彼らによる一般人への被害が出ることはあるが、捕縛に向かった騎士団が返り討ちに遭ったという例は――聞いたことがない。

何故か。

簡単だ。

強いから(、、、、) 。

あってはならないことだが、仮に四大精霊契約者が人類の敵になっても――その時、人類の味方である四大精霊は契約を破棄するはずだが、そうでなくとも――封じ込めると公言している。

もちろん、単騎の戦闘能力で四大精霊契約者に敵う者はほとんどいない。

だから、これは 団(、) としての言葉だ。

訓練された集団としての総力が、個としての人類最強の武力に勝ると、そう言っている。

騎士団は担当地域ごとに十三に分かれており、それぞれを団と呼称する。

中でも、団長と呼ばれる十三人は別格。

なにせ――。

『十三騎士団の団長は世襲制ですが、代によって実力の差が生じにくいと言われています! その理由は徹底した訓練もありますが、「契約継承」によるところが大きいとの噂です! 精霊は通常一人の人間を愛し、その者が死した後は再び世界を巡り、次の愛を探しますが、我が国の騎士団長十三人の祖は精霊に深く深く愛され、「血が絶えるまでの愛」を得たのだとか!』

つまり、精霊契約を親から子へと受け継ぐことが出来るのだ。

ただ、これには疑問も残る。

精霊と契約出来るのは【勇者】だけ。生まれる子供がずっと【勇者】というのは確率的にほとんど有り得ないのではないだろうか。

おそらく子孫が直接精霊と契約するのではなく、最初の契約者との『約束』に則って、子孫にも加護を与えるというあたりではないか。

どの代でも聖剣を持っていて、幼少より英才教育を受けて育つ。

代ごとの実力のバラツキが少ないというのも頷ける。

むしろ代を重ねるごとに加護の詳細や効率的な鍛錬、技の種類などの情報が蓄積されていく分、時代が進むにつれて早く強くなれそうだ。

『アストレア団長の【 役職(ジョブ) 】はなんと――【勇者】! 先程代によって実力の差が生じにくいと申しましたが、さすがにこれは別格でしょう!』

『契約継承』の詳細は分からないが、もし【勇者】なら直接契約出来るとかだと、更に強力だ。

そもそも――。

『皆さんはご存知だと思いますがー、精霊にも格があるんですねー。四大精霊だと本体が一番すごくてー、他の分霊たちは分かたれた時の欠片の大きさで力が決まるとか! それで言うと「十三体の分霊」は戦時中ー、つまり四大精霊が人間の為に 分霊を作り始めた時期(、、、、、、、、、、) に生じた最初期の分霊なわけでー。沢山の【勇者】のためにいっぱい分霊を創る前の、ものは試し的な? 感じで生まれたっぽいと? 歴史家の間で噂の? 存在らしいんですねー』

たとえばフェニクスパーティー【氷の勇者】ベーラさんは、水の分霊と契約している。

得たのは『氷結』の精霊術だ。威力を見ても高位の分霊だと思われるが、水を出す精霊術は与えられなかった。

水精霊本体と契約した【湖の勇者】レイスくんは、氷結も出来れば大波も起こせる。

ふわっとしたたとえだが、格というのはそういう感じ。

威力や出来ることに違いが出る。

同様に、ランク第五位【迅雷の勇者】スカハさんは風の分霊に応用の効く『雷撃』を与えられたが、風刃は生み出せない。

【嵐の勇者】エアリアルさんは『雷撃』を滅多に使わないが、使用は可能だ。

『歴代の【正義の天秤】の活躍から推測すると、彼女の家系が契約しているのは高位の土の分霊とのことです! 騎士団らしく詳細は不明ですが、【正義の天秤】を前にした罪人は、ただ黙って跪くしか出来ないのだとか! 選手達は罪人ではありませんが、果たしてその精霊術は披露されるのでしょうか!』

罪人云々はあくまで職業もあって出た噂話だろうから、精霊術なら選手相手でも発動出来るだろう。

犯罪者でなければ攻撃出来ないとかいう契約内容の可能性もゼロではないが、実力が発揮出来ない状態で最強決定戦に出てくるとは思えないし。

しかし、犯罪者が抵抗も出来ず跪く、土関連の精霊術か……。

『秘密主義? とか言われる騎士団の精霊関連ですがー、今回祭典に出場するのはどうしてなんでしょー? やっぱ最強決めるなら出とかないとなー、みたいな?』

『冒険者や魔物と違い、騎士団は実力を分かりやすく示す場を持ちませんからね。新聞や 電脳(ネット) ニュースに結果だけ書かれるのと、実際に戦う姿を見るのではやはり説得力が違います。普段はダンジョン攻略を含む催しへの参加が許されない騎士団ですが、今回は治安維持組織としての力を示す目的もあるのでしょう』

参加するのはアストレアさんのパーティーだけではない。

また、この予選含め動画配信されるし、 映像板(テレビ) でも連日取り扱われるだろう。

活躍次第で世間の関心は変わるだろうが、そこはこれから示すところ。

『あー、確かに確かに。ちょっと違いますけど、ほら、「空間転移」出来る人みると「泥棒とかチョロそー」って一瞬思うみたいなとこあると思うんですよねー。そういう悪い人が出ても捕まえるのが騎士団だけど、ほんとに出来るのかなー? みたいな。思わなくもなかったり』

『残念なことに酔って暴れる冒険者の事件もたまに報道されますが、それを取り締まるのも騎士団の仕事です。それを鎮圧出来るだけの力がなければ務まりませんね。盗みもそうですが、強大な力を誰がどう悪用したところで、必ず檻に入れる! それが可能だと示すためにも、今回の祭典はうってつけかもしれません。もちろん、此処にいる皆さんにそのような心配は無用でしょうが!』

『うんうん。証拠を残さず人を焼き尽くせる炎も、人を地中深くに埋められる大地の操作も、種族特有のあまり知られてない魔法も! 此処にいる人達は全て! お客さんを楽しませることにしか使わない! ここ大事ですからねー』

『ほんとに重要です。おっと、少し長くなりましたね。では次のパーティーですが――』

これだけの規模の企画だ。色々な人たちの思惑が絡んでいるのだろう。

無関心や無警戒はよくないが、盲信もよくない。難しいところだ。

とにかく。

騎士団のメンバーなんて祭典でも無かったら戦う機会などない人達だ。

これまで考える機会もなかったが――『十三体の分霊』の格は、四大精霊に次ぐものと思っていいだろう。

僕は一瞬、ダークに意識を向ける。

僕の頭の上に居座る黒いひよこが、もぞもぞと動いた。

『んー? まぁ、そこそこじゃない? 君の大親友と戦っても、すぐには焼かれないだけの力はあると思うよ? 契約者が雑魚でもね』

ダークはあまり他の精霊に関心がないようなので、この評価はかなりのものと思っていいだろう。

精霊の格だけで今の評価なら、【勇者】の【 役職(ジョブ) 】と騎士としての力を合わせれば――。

『楽しいことになるかもね。こっちが見たいのは、相棒の活躍なんだけど』

騎士団の人々に有利なのは更に、情報の少なさが挙げられる。

いくら冒険者オタクの僕でも、未公開の情報は探れないのだ。

騎士団の参加が発表されてから、可能な限り調べはしたが、充分とは言えない。

アストレアパーティーのメンバー紹介が終わり、実況者が次のパーティーについて触れる。

『さてお次は彼らです! 世界ランク第十一位【灰燼の勇者】ガロパーティー! フェニクスパーティーがトップテン入りするまで、世界上位十パーティーの中に入っていた実力者! 彼らの強さをご存知の方も多いでしょう! ガロの「爆破」にやられ、跡形もなく消える敵! 敵! 敵! その圧倒的なまでの攻撃力と機動力がこの予選でも発揮されることでしょう!』

ガロさんは、長身の男性だ。目つきが鋭く、髪は黒。浅黒い肌と派手な衣装が特徴的。

見た目が怖いので誤解されがちだが、陽気な人だ。

入場しながら指を鳴らし、それに合わせて中空で小規模の爆発を起こし、観客を沸かせている。

楽しげで優しい人なのだが、そこはやはり冒険者。

十一位という現状には思うところがあるらしく――。

メンバーの紹介が済んだところで、実況の女性が言う。

『そんなガロパですが、今回その因縁の相手がいますねー!』

ガロパというのは、ガロパーティーのことだろう。あんまり実況者が使うのは聞いたことがないが、ファンがパーティーの部分を略すのに使う。

冒険者の名前も長いと略されたりする。エアパとかフェニパとか。なんとなく響きが面白くなってしまう感があるので、僕は使わないけれど。

そんなことよりも、そうなのだ。

いるのだ。

ガロパーティーを十一位にしたパーティーが。

『お待たせいたしました……! ついに彼らの登場です! 世界ランク第四位【炎の勇者】――フェニクスパーティー……!!!』

雄叫びのような歓声と、黄色い声援の混ざりあった音が会場を支配する。

フェニクスを先頭に、【戦士】アルバ、【聖騎士】ラーク、【狩人】リリー、【氷の勇者】ベーラが入場する。

『実に百三十年ぶりとなる火精霊本体との契約者、フェニクス選手! 彼の活躍はもはや語るまでもないでしょう! 自分は語るためにいるので語るのですが! 魔王城攻略ブームの火付け役とも言える彼らは、魔王城第十層で敗北を経験するまで「無敗」と「フロアボス一撃退場」を維持しました! あれ以来修行を積んだという彼らが、祭典という舞台でどのような戦いを見せるのか、世界の注目が集まっています……!』

『【黒魔導士】レメの脱退から調子を落としているように見えましたけどー、最近は安定してきているとの評判ですー。【氷の勇者】ベーラの加入によって確実に制圧力は増した感じですし、他の三人も以前とはどこか違うのだとかー! どこが違うかは、見てのお楽しみ!』

魔王城での戦いのあと、僕が言った言葉が理由だとか、そんな偉そうなことは思わないけど。

実際、みんな更に強くなった。

フェニクスを一位にするべく集まり、またフェニクスが仲間と認めた者達だ。

どんどん強くなるし、まだまだ成長途中。

『その【黒魔導士】レメですが、なんと彼もこの予選に参加しております!』

他にも『西の魔王城』の四天王率いるパーティーとか、ランク高位のパーティーなど、この会場だけでも多くの実力者が集まっている。

「レメさん、呼ばれたよ」

リーダーの声。

「うん」

僕のパーティーのリーダーは、好戦的に笑う。

そして、言った。

「じゃあ、みんな行こうか。ひとまず――一番を獲ろう」

様々な種族に対応した、幅が広く天井も取っ払われた入場口を進む。

『登場します! 結成間もないためランク無しですが、レイド戦の活躍からその実力は世界の知るところとなった――【湖の勇者】レイス! そして彼の結成したレイスパーティーです!』

歓声はフェニクスパーティーほどではないが、人気を思えば当然か。

どちらかというと困惑している者が多いのは、構成の所為だろう。

【勇者】【破壊者】【黒魔導士】【白魔導士】【鉱夫】というだけでも、おそらく前例がないだろうに、メラニアさんはサイクロプスのハーフ――亜人だ。

あと、これは半ば予想していたが――ヨスくんも亜人だという。

その二人に加え、【黒魔導士】はフェニクスパーティーを追い出された無能と思いきや、脱退以降ちょろちょろと活躍し、どういうわけか同業の高ランク者からの評価が高いときている。

レイド戦で実力を示した二人が仲間にしたのが、この三人。

一般的な勇者パーティーとの違いに、どう反応したらいいか困るというのも分かる。

けれど、リーダーは普通の【勇者】ならば悩みそうな問題を、まったく気にしていなかった。

「これ、全部歓声に変えてやろう」

レイスくんの自信に、自然と笑みが漏れる。

このパーティーならそれが出来るという、彼の確信が滲んだ言葉だったから。

四大精霊に次ぐ分霊と契約した【勇者】の騎士団長、世界ランク第十一位のトップ冒険者、数々の冒険者を撃退した別の『魔王城』の四天王、彼らだけではない、強い人たちがいっぱいいる。

もちろん、以前よりも実力を磨いた――フェニクスパーティーも。

会場の全てを、僕らの戦いへの歓声に変える。

それがどれだけ難しいことか。

それでも、僕は頷く。

「あぁ、そうしよう」