軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

21.アラグネシルクの下着③

翌日、ビッチさんから連絡が来た。

那覇さんがスポンサーのアパレル企業にクイーンシルクの話をしたところ「そんなレアな素材で作るなら全部うちにやらせろ他に話をするな」と怒られ、ウエディングドレスを1着試作することになった。

それ以外に「スパイダーシルクで作る下着や肌着の製品写真のモデルに!」という話まで行きつき、アパレル企業の人が寺に来てうちの3人の採寸が始まった。

「ウェディングドレスを着るのがあたしなの!?」

「高校生を下着のモデルには出せないからねー。智以外はみな成人だしー」

「キャミソールのモデルならできる。美奈子と葉子にも声はかけた。各種サイズは決まってるから採寸不要」

「まぁそれならいっかなー」

「わたしとビッチさんは妊婦向けのブラとショーツのモデルねー」

「私はスレンダータイプ。可愛いのが売り」

「黄金騎士団の3人は各種ハンター向けの下着セットのモデルだってー」

「という流れで、なぜ俺まで採寸なのか説明プリーズ」

なんか俺まで採寸されてるんですけど。

「新婦がいるなら新郎がいないとカッコつかないでしょー」

瀬奈さんにデコピンされた。

「写真は寺で撮るそう」

「知らぬ間に着々と進められているのがコワイ」

でも、3人とも本当にうれしそうな笑顔がまぶしいのでヨシ!

採寸した次の日には仮縫いまで終わったらしい。興奮したデザイナーさんと【裁縫】スキル持ちさんが徹夜したとか。いろいろすみません。

二日後の土曜日早朝。寺に何台もの車が来て撮影班が集合してた。早すぎんでしょ。

ビッチさんは瀬奈さんと一緒にマタニテイ用の撮影をするとのことで寺に来てる。美奈子ちゃんと葉子ちゃんも来て、寺はてんやわんやだ。

メイクルームなんてないので隣家の1室を使ってる。着替えもそっちだ。

「今日はよろしくね~。素敵に撮っちゃうわよ~」

角刈り巨漢でマッシブなオネエが挨拶してきた。木更津さんという、この人がカメラマンだ。

「涼しいうちに妊婦ちゃんから行くわよ~」

バチコンと強靭なウインクをする。でも話し方がオネエなだけで目は獰猛な肉食獣のそれだ。気持ち悪いとか感じなくって、カッコイイ空気をまとってる。すげえなこの人。

本堂に下着姿の瀬奈さんとビッチさんが入ってくる。プロによるお化粧でガチ美人だ。ふたりともボンキュボンを具現化した肉体だから破壊力が凄い。おっぱいがブラに閉じ込められてる感がね。パンパンなんよ。ハリウッド女優と喧嘩できるレベルだ。

「瀬奈さん綺麗です」

「ふふ、ちょっと恥ずかしいけど」

と言いつつ膨らんできたお腹をさする。当然ビッチさんとこの信号機トリオも来てて「「「お嬢……綺麗だ」」」と感涙してた。「もぅ、あなたたちは」と照れてるビッチさんは初めて見た。

「はぁ~~いいわよいいわよ~、お腹に手を当てて、そうその顔! その幸せたっぷりがたまらないわ~」

大きなカメラ越しに、木更津さんがふたりを煽って笑顔を引き出してる。

撮影は順調に進み、今度はJKによるキャミソールだ。これまたプロによる化粧で大人の色気をまとってきた3人は本堂前に集合した。葉介さんも覗きに来てる。

「ようちゃんが大人になっちゃった」

葉介さんがぽつりと零した。彼の中では葉子ちゃんはまだまだ子供のイメージなんだろう。いつまでも子供と思ってると襲われちゃうぞ。

「は~いそこのかわいこちゃんたち~、ちょっと3人並んで好きなポーズしてみて~」

木更津さんの指示に、美奈子ちゃんは双剣を構え、葉子ちゃんはクロスボウをカメラに向け、智は目の横でVサインしてる。ハンターっぽくしてるようだけど。でもキャミに短パンという露出度高めなのよね。

面白いことに体形がバラバラで、いつの間にか瀬奈さんに近い巨乳になってる美奈子ちゃん、スレンダーな京香さんに近い葉子ちゃん、最近ブラのサイズが合わなくなったと愚痴ってた智。買う人の参考にもなりそうだった。

「いいわねいいわね、かっこいいわよ~、こっちに目線ちょうだ~い。あ~~いいわぁ~~」

ポーズを変えつつ、また3人でじゃれたりと、非常に目の保養になってて大変よろしい。世界平和の象徴だ。

「さ~次も行くわよ~」

次は京香さんだ。フリルとレース満載の可愛い下着姿の京香さんが本堂に来た。寂しい胸元にはふんわりフリルの意匠でボリュームを出すデザインらしい。

京香さんがとことこ歩いてくる。

「守君、ムラムラ来ますか?」

「お持ち帰りしたいです」

「……ヨシ!」

京香さんは小さくガッツポーズをしてカメラに向かっていった。カワエエのう。

「あ~いいわよいいわよ~、かわいさを前面にがっつりだしちゃうわよ~」

可愛いというコンセプトのようだが、途中で京香さんがメイド服を 着(・) 始(・) め(・) た(・) 。しかも途中の、シャツがはだけた状態で俺をチラチラ見てくる。この、煽りよって。

色気じゃ瀬奈さんに勝てない、とか思ってるんだろうなぁ。京香さんは意外に負けず嫌いなんだよね。

「あ~いいわぁ~ご主人さまを誘惑する悪いメイド! そうよそうよ、もっと煽情的に~」

撮影の趣旨が変わってませんか?

休憩を挟んでラストのウェディングドレス、の前に野郎どもの撮影だ。

信号機の3人がパンイチで本堂に現れた。ボクサーパンツ、トランクス、ブーメランとすべてスパイダーシルク製だとか。もちろん色は信号機だ。

3人とも見事な肉体で、脂肪率が一桁っぽい筋肉とバッキバキの腹筋で、思わず自分のお腹を撫でた。筋トレしようかな。

「あ~~もぅステキ! 細マッシブを見せつけてぇ~!」

信号機の3人が色々なポーズをしていく。葉介さんも見てて、「僕も鍛えないとダメかな」なんて呟いてた。思うことは一緒だ。

10月でも暑い。休憩を挟んでウェディングドレスの撮影だけど、その前に俺も着替えだ。

母屋の部屋でさくっと着替えちゃえる。だってシルク作務衣だもの。色も灰色と地味にしてもらった。てかってるから目立つんだけどね。

普段は綿だからシルクのスベスベ感がよくわかる。肌触りが最高で一生着ててもいいくらいだ。

「あら~新郎さ~ん、お迎えに行かなくってい~のかしら~」

本堂に戻ったらオネエにそんなことを言われた。

「あれ、智には美奈子ちゃんと葉子ちゃんがついていったはずだけど」

「守くーん、それは減点よー」

「私がドレスを着ていたら迎えに来て欲しい」

「あ、はい」

甲斐性なしでサーセン。