軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

7.レベルアップ確認などいろいろ、あと温泉④

白子海の里温泉リゾート。海のすぐそばにある温泉施設だ。基本地元の人、たまに観光客がくるような温泉である。

「湯あみ着で入るんですか?」

「混浴に行く場合はねー。守くんは混浴でお姉さんたちと語らいあるからねー?」

「俺に選択権はない件」

「ちょっと聞きたいことがあるからねー」

「守君、だめ?」

「駄目じゃないです!」

首をかしげる小湊先生が可愛すぎる。ちょろいな、俺。でも俺得しかないんだよ。

脱衣所は当然別々だ。日曜だけあって男は混んでる。まぁ日帰り温泉に来るのは大半が男だけどね。

「湯あみ着っていっても、海パンと変わらないんだよな」

男の場合はタオル一枚という猛者もいるがそれは昔のこと。ちんちんを見せるのもセクハラなのだ。

オレンジ色の湯あみ着を着て大浴場へ。学校の体育館3つ分の広さがある大浴場がここの売りだ。

滑り止め加工されたタイル張りの床と、大きめの浴槽が5個ある。すごく熱い、熱い、人肌、ぬる、水という感じだ。ほかにもジェット風呂とかあるけどそれは狭い。

ひとつの浴槽に30人は入れる大きさがあるので、大浴場は広大だ。露天風呂もあって、客層もいろいろだ。今日は日曜だからか割と若い人を見かける。

「んー、目立つね」

もちろん勝浦さんたちだ。女性はオレンジ色のワンピースタイプの湯あみ着だ。下は男と同じような海パンを履いてるはず。はず。

女性の比率が少ないところに若い女の子でしかもたゆんたゆんの勝浦さんがいる。遠くから見てると男どもがちらちら気にしてるのがまるわかりだ。

「あ、守くーん!」

勝浦さんがこっちに手を振ってる。それだけでたゆんたゆんすごいんです。男どもの視線が刺さる。針の筵なのでさっさと合流しよう。

「佐倉ちゃんたちもこっちに来たんだ」

「おにーさんの視線がエロイ」

「俺に対する風評被害がすごい。ヒドイ」

エロい視線は勝浦さんにしか送ってないぞ?

「思った以上に広いんだねー」

「いろいろな湯船で客を呼ぼうって目論見があるんですよ」

「お湯も茶色で珍しいねー。はいはい行きますよー」

勝浦さんの袖をくいっと引っ張る小湊先生。いつもはパンツ姿ばかりなのでオレンジのワンピースは新鮮すぎてアガル。勝浦さん含めて可愛いがすぎる。

「じゃあーあたしたちはあっちにいってまーす!」

「イテクル」

「いってきまーす!」

3JKが周囲の視線を集めつつ小さめの浴槽に向かった。

「あっちはジェット風呂だな」

「はいはい、こみなっちゃんもお待ちかねなので、おすすめのお湯にいこー」

「そーすね、暑いんでぬるめがいいかと」

ということで緩めのお湯に入る。あまり人がいないので浴槽の奥のほうへ向かう。

「あ”ー、温泉はきもちいいわー。服がなければ最高なのにねー。規則がなければ脱いでるわー」

肩までつかるといきなりオヤジ化する勝浦さん。周囲のおっさんがびっくりしてる。

「ちょっとぬるっとする」

「しょっぱいけど、切り傷に効くし、肌がしっとりすべすべになりますよ」

「しっとりすべすべ」

小湊先生が腕とか足をこすりはじめた。真顔なのが可愛い。

「小湊先生はすべすべ肌だからこれ以上やるとテカテカになるかもですよ」

「十分?」

「ばっちりです」

「ならいい」

「あらあら、わたしもいますよー」

俺と先生の間に勝浦さんが入り込んでくる。俺のほうに胸を向けているのはわざとですね?

ごちそうさまです!

3JKは泡ジェット浴槽に固まってる。「くすぐったい」とか「あはは」とか。元気なようでよかった。

それに引き換えおとなふたりは。

「おっぱいがでかいと、それしか見ないやつもいてねー」

「小さいと明らかに変な男が来る」

「普通が一番なのよー」

「普通になりたかった」

俺を挟んでそんな女子トークが交わされる、どう反応したらいいんだろうか。

「守くんはどうー?」

「守君はどう?」

「俺に聞かれてもですね」

大きいほうも小さいほうも大好物です問題ないですよ。とでも言えと?

仏様助けて!

「守くんはどっちも堪能してるもんねー」

勝浦さん、そこでニヤつかないでください。小湊先生が下を向いちゃいました!

「さて、あの子たちがいないうちに、ちょっと確認したいことがあるのよー」

勝浦さんが切り出す。まぁ、俺も話はある。

「あの足軽亡者と武者幽鬼についてなんだけど」

勝浦さんの声が小さくなる。ここにもハンターがいるかもしれない。注意は怠れない。

「守くん、何体か収納してるよねー?」

「してます。ただ足軽亡者はもう経験値にしちゃってるのでないですけど、武者幽鬼はまだ収納したままです。ドロップ品含めてです」

「武者幽鬼を残してある理由って聞いていいかしら?」

おっと鋭いな。さすが勝浦さん。

「実は、武者幽鬼に名前があったんです。長篠零士っていう名なんですけど」

「ッ!」

「なが……しの……」

ビンゴのようだ。

「もしかして、関ヶ原ダンジョンで壊滅したパーティにいたハンターとか、ありません?」

「……長篠零士は5年前に関ヶ原ダンジョンで帰還しなかったハンターのひとり。武者幽鬼と足軽亡者の一群に遭遇して壊滅したパーティのリーダーだった。別名【剣鬼】長篠」

小湊先生の補足が入った。さすが、先生は物知り。

「話だけだと信用できないからー、何か物証はあるのかしらー?」

勝浦さんの顔がマジだ。

「羅刹って刀と闘刃、大闘刃、侍大将のスキル書です」

「……羅刹は【剣鬼】長篠の愛刀。彼が帰らぬと同時に失われている。関ケ原ダンジョンに眠っていると考えられてる」

「……後で、確認したいわ。あの子たちが帰ってから、ちょっといいかしら?」

「えぇ、佐倉ちゃんは、いないほうがいいですよね」

「知らないほうがいいと思うわー」

「じゃあ佐倉ちゃんが風呂に入ってる間にやりましょうか」

「そうしましょ」

そういうことになった。

温泉を堪能して寺に帰れば夕方前。明日は学校がある柏ちゃんと四街道ちゃんは帰宅しないといけない。

「ヤダー、パイセンといっしょがイイー!」

「勝浦先輩ともっとお話がしたいです」

柏ちゃんが小湊先生の足にしがみつき、断固拒否している。四街道ちゃんは勝浦さんのおっぱいの谷間に顔を突っ込んで駄々っ子してる。

うらやまけしからん。俺と代わるのだ。

「柏はまたくればいい」

「そうよー、四街道もよー」

「イヤー!」

「せめて朝までー!」

「学校に行かない子は嫌い」

「イキマスイキマス! ガッコウ楽シー!」

「よくできましたギュー」

「アアアアイクイク!」

「ほらーいうこと聞かない子は揉んじゃうわよー」

「あ、そこは、ふぁぁぁ!」

非常に居づらいんだけど、俺。佐倉ちゃん睨まないでよ。さすがに俺は無実でしょ。

「はいはい、駅まで送っていくから」

「連行してくる」

勝浦さんと小湊先生は車で東金まで出かけた。

東金の駅でもすったもんだしたらしいけど無事に送り出したふたりが帰ってきたらすぐに夕食だ。うちは食後に風呂だから勝浦さんたちにも合わせてもらってる。

そして佐倉ちゃんが風呂に入っている時間。母屋には勝浦さんと小湊先生が来た。父さんは風呂なのでちょうどいい。

「さて、これが『羅刹』です。妖刀ってついてたんでちょっと怖いんですが、まぁ大丈夫かと」

ちゃぶ台の上に刀を取り出す。大きさ的には大太刀というらしい。いわゆる名刀とは違って凝った装飾類は全くなく、束、鍔、鞘があるだけだ。すべてが黒に統一されてるけど、元からこうなのかは知らない。

「こみなっちゃん、どう?」

「……『羅刹』で間違いはない」

刀を見つめてる小湊先生がぽつりと言った。

「こみなっちゃんの『鑑定』でもはっきりしない感じー?」

「はっきりはしてるけど、『羅刹』という銘の刀はいくつか存在する。偽物もある」

「あー、 長(・) 篠(・) の(・) 羅刹かどうかが判断つかないのねー」

同じ名前の刀って複数あるんだ。ってか、小湊先生のスキルが判明したぞ。やっぱり鑑定だった。

「守君、スキル書があるって」

「あぁ、出します」

スキル書3つを小湊先生の前に出した。魔法書と同じで書とはあるけど巻物。書かれている文字らしきものは全く読めない。

「【闘刃】【大闘刃】【侍大将】ってやつですね」

「……確かに【闘刃】【大闘刃】【侍大将】」

「長篠が持ってたって言われてたスキルと同じねー。しかもどれもレアスキルばっかり」

勝浦さんが天を仰いだ。なんか毎度すみません。

「先生、【闘刃】【大闘刃】は食らってるんでわかるんですけど、【侍大将】ってなんです?」

「【侍大将】は、集団を統率するスキルで、ハンターでいうパーティ全員の能力を底上げする。しかも人数に制限がない」

「ぶっこわれスキルじゃないですか!」

「守くんほどじゃないわよー」

「そういえば守君もレベルがあがって16になってる。スキルは何を覚えた?」

小湊先生に右手を掴まれた。逃がさんって意志を感じる。ついでとばかりに反対の左手を取っておっぱいにあてなくていいです勝浦さん。小湊先生がまねしようかと悩んでるから!

「覚えたのは【駆け込み寺】ってスキルです。5メートル四方の門と塀に囲まれた絶対防護結界を作れます。移動はできなくて、入る人も選べて結界に触れたものを収納することも可能です」

「わー、初めて聞くスキルねー。もう、おねーさん困っちゃうわー(むにむに)」

「えい! 守君は4つのスキルを持っているはずだけど、【収納】【師走】【駆け込み寺】しか知らない」

「先生! 勝浦さんに対抗して胸に手を押し付けなくっても! 至福ですけど!」

両手に花どころか両手におっぱいやぞ!

俺、死ぬんか?

「守君、スキルを」

「ア、ハイ。【説法】ってスキルで、範囲内の対象を眠らせちゃうスキルです」

「それは強制?」

「強制です」

「試したことは?」

「骨に効くとは思えなかったので使ったことはないです」

「おっぱいはちいさくても良い?」

「え、それ関係なくないですか」

「答えて」

「オッパイは偉大なので大きさは些細な問題です!」

「よろしい」

俺の右手は解放された。小湊先生が満足そうな顔してるから、まぁいいか(ちょろ)