軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

4.ギルド開設⑤

翌朝も掃除は欠かせない。墓地は弔いの場所、清潔にする場所だ。飲みすぎなふたりはまだ撃沈してる。そっとしておこう。

墓地の掃き掃除を終え、ダンジョンへ向かう。

「さて、今日も4階までをきれいにしよう」

毎日4階にワイトが出るので、収納している魔法と魔法書は増えていく一方だ。

【収納:ワイトの魔石×6】

【収納:魔法ファイヤーボール×58】

【収納:魔法カース×60】

【収納:魔法書ファイヤーボール×4】

【収納:魔法書カース×4】

【収納:なまくらの剣×17】

正直、剣はいらない。使えないしなまくらだし。ダンジョン産の鉄として売れるらしいけど、1キロ100円程度にしかならんとか。

剣1本がだいたい2キロほど。1本あたり200円ぽっち。17本あっても3400円にしかならない。まさに二束三文。

ギルドが設置されたので寺で買取もできるとのことだけど、売る気も起きない。収納で死蔵だ。

「今日はどんなかなー」

毎日のルーチン化したのでちょっと気が抜け気味だ。1階は数体の骨がいただけだったが2階は違った。普段ならホブゴブ骨が主な階だけど今日はそいつよりも二回りほど大きな骨がわんさかいた。祭りの神輿を担いでるレベルの密集度合だった。

しかも大木みたいな棍棒を持ってる。物騒極まりない骨だ。

「なんだあれ、新顔か? 頭に角があるけど2本になってるし、ともかくでけぇ」

そいつの肩が大きめな墓石のはるか上にある。背丈はざっと4メートルはあるっぽい。そいつらがワッショイ状態だ。

「地獄だな」

まだ俺の存在には気が付いてないよう。でもあそこには行きたくない。ではどうするか。新兵器を投入だ。

収納から投げ網を取り出す。じゃじゃーん!

先日通販で買った。直径7メートルのでかいやつだ。なかなか重いけどレベルが上がった俺にとっては軽いもん。

「エイヤッ!」

階段途中から力いっぱい投擲する。バサッと広がった投げ網は墓石を巻き込みつつ巨人な骨にかぶさる。すかさず収納。墓石は除外するよ、当然。

【収納:オーガスケルトン×4】

「オーガかよ! なんで骨になる魔物がパワーアップしてるのさ!」

オーガってのは、ホブゴブリンよりも巨躯で力も強い。マッチョ度合いも比べものにならないくらい魔物だ。背中に鬼の顔が出るヤツ。

小湊先生が持ってきた魔物図鑑で見たから知ってるんだけどさ。

2階の墓地にはこいつがうじゃうじゃいて、俺に気がついたやつがドスドス歩いて向かってくる。歩くたびに地響きがする。棍棒を振りかざして殺意が強めだ。

投げ網を引っ張り上げてもう一投。近寄ってるオーガ骨どもが大漁だ。だが、奥から押し寄せてるっぽくて減ったようには見えない。オーガ骨の津波だぜ。

「元を絶たないとだめか?」

あれに突っ込むの? 俺?

やだなぁ。汗臭い気がするんだ。気にするところはそこじゃないって?

「こんな時はビニール傘! 盾にもなるけど前も見える、万能武器ィィ!!」

両手に傘のダブルビニール傘じゃい!

前に突き出して、【師走】ダッシュ。! オーガ骨が棍棒を振り下ろす前に懐に入って傘で刺す。

「オガァァ!」

即座に収納、目の前のオーガ骨が消える。

勢いを殺さないうちに後ろにいたオーガ骨に突進。ビニール傘を360度振り回して周囲のオーガ骨を根絶やしにする。マッポー!

「おっと階段には行かせないゾ」

俺の絶対傘圏を免れたオーガ骨がいた。ゴブリン系とは違うってことか。

「ゴァァァァ!!」

「うわっ、あぶねえ!」

よそ見をしてたら傘が棍棒で殴られてひしゃげた。背が高い分、俺の傘の上から殴ってきやがる。汚いぞ!

曲がってしまった傘を収納する。放り投げはしないよ。ちゃんと外で不燃ごみで捨てるんだよ。

「やっぱこいつしかねえ」

金剛杖を取り出して杖の一番端を握る。リーチを最大にしたいんだよ。

「うらぁぁぁ!」

金剛杖を横なぎに振るう。ゴガガガガとオーガ骨の足に当てて収納する。前方240度くらいは薙ぎ払ったぞ。

「でもまだまだいるよねーってあっぶね!」

オーガ骨が棍棒を投げてきた。くそ、知能があるなコイツ。

金剛杖を当てて収納していくけど棍棒がリズムゲー並みの個数で迫ってくる。ウルトラハードモードっぽい。

「俺、音ゲーは苦手なんだよなぁぁぁぁ!」

飛んでくる棍棒に金剛杖を合わせるんだけど当て損ねたやつが俺の体にバチボコ当たってすげーイテーんだけど! レベルが上がってるから死なないですんでるけど、全身打撲だぞこれ。

たまに渾身の一撃っぽいを喰らう。死ぬほど痛い!

棍棒を投げちゃった奴は突進してくるし。うぜぇぇぇ!!

「メンドクセー! カース放出!」

収納してあったカースをオーガ骨どもに食らわせた。明らかに動きが遅くなったオーガ骨の集団。いまのうちじゃー!

「よっしゃ、行くぜー!」

こいつらが投げてきた棍棒を拾う。全長2メートルほどのよく乾燥した木材だ。とっても良い薪になるだろうさ。

両手にそれぞれ持って、気合一発、むさいオーガ骨集団に突貫する。俺の体に触れさえすれば収納可能だ。

体中が痛いけど、こいつらを地上に出しちゃいけないんだよ!

「死にさらせぇぇぇ!」

骨はすでに死んでるんだけどな。

棍棒に振り回されながらコマのようにくるくる回転アタックだ。頭部は守るよ。

「「「「オガガガガガガ!!」」」」

抜けていきそうな骨にはファイヤーボールだ。在庫一掃セールだぜ!

そんなこんなで15分ほど奮戦してたらオーガ骨の姿もまばらになった。あと15体くらいだ。俺の体も打撲だらけで痛くないところがない。

根性で乗り切った方が勝ちだ。

「だらっしゃぁぁ!」

「オガァァ!」

残存してる骨に突撃、各個撃破していく。単体なら余裕だ。

「こいつで最後!」

「オガマッソウ!」

ラスイチのオーガ骨を収納してエンド。地面にへたり込む。

「さ、さすがにきつい……ワンマンアーミーはツラいっす……」

収納に入れてきたペットボトルの水を頭からかぶる。

「ヅベダグデギボジイイイイイ!!」

ほてった顔に染みる。

収納したオーガ骨はというと。

【収納:オーガスケルトン×352】

【収納:オーガスケルトンマッスル×5】

マッスルってなに!?

まあいい、さっさと経験値にしてしまおう。

『レベルが上がりました』

『レベルが上がりました』

おっと、2個も上がったぞ。数は倒してるけど、よっぽどの魔物っぽいな。

【収納:オーガスケルトンの魔石×352】

【収納:オーガスケルトンマッスルの魔石×5】

【収納:ポーション×176】

【収納:マッスルポーション×5】

【収納:硬い棍棒×357】

うわ、なんかポーションとかゲットしたけど、なにこのマッスルポーションとかいうあからさまにやばそうなブツは。こん棒は、うん、薪にしようか。硬い木材ほど火が長持ちするっていうしね。

キャンプする予定はないけどさ。

「ポーションかー。ゲームならケガを治すんだろうけど、これはどうなんだろう」

飲めば全身打撲も治るかな。でも罠かもしれないし。

「……いったん戻って小湊先生に聞こう」

念のため3階へ降りて骨の様子を確認し、魔物がいないのが分かったので地上へ戻った。