軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

33.日比谷ダンジョンでドロップ品勝負④

エキドナの魔物ランクは50。形の良いおっぱいが丸出しでけしからん。写真にとっておこう。

その周囲には三つの首があるケルベロスが15体、二つ首のオルトロスが20体ほどいる。

ケルベロスが魔物ランク25で、オルトロスが魔物ランク20なんだとか。

あれを倒すのは大変だろうなぁ。

「エキドナの魔物ランク50だが、神話のようにその子供をお供にして合計ランク800越えか。そろそろ本気になるか」

零士さんが獰猛な笑みを浮かべた。今までは軽く流していた様子。

「エキドナの相手をしてるから周りの犬を頼むぞ。多分レアなドロップ品が出るだろうからな」

言うが否や零士さんは窪地に駆け下りていく。俺はビニール傘と投げ網の二刀流で後に続く。

「戦じゃ戦じゃー」

鼓舞しないと足が震えるんだよ。

零士さんはワンちゃんを飛び越えてエキドナに突撃した。

首が多いワンちゃんたちは出遅れた俺を標的にしたっぽくて、85個の犬の顔が向けられる。ホラーでコワイ!

「ギャワン!」

「ガウガウ!」

吠えると同時に炎を吐き出した。当然ビニール傘で受けて収納する。

【収納:炎のブレス×1】

スキルで麻痺させればいいって?

そうなんだけど、俺も強くならないとだめでさ。ちょうどいい実戦経験なんだよ。ちょうどいいというか、格上なんだけどさ!

「うりゃぁぁ!」

【カース】をばら撒きながら近くにいる三つ首だか二つ首だかのワンちゃんに投げ網をかけて収納していく。

「あっつ! くそ熱いぞゴルァ!」

作務衣が焦げるじゃんか!

囲まれるとキャンプファイヤーにされちゃうからワンちゃんの間をすり抜けながら収納していく。流れ弾が当たって俺も燃えそうだ。【カース】で動きを遅くしてるけど数が多いんだよ!

他のハンターはどうやって切り抜けたんだか。

「でも、数が減ると冷静になれるな」

見た感じワンちゃん数は半分以下になった。【カース】も効いてて動きも遅い。

「ちょっと実験をしたくなるよね」

余裕が出てきたのでいろいろ試そうかと。備後ダンジョンでゲットした吹雪ブレスがこいつらに有効そうでさ。炎を吹いてくるんだから寒さには弱いんじゃね?って。

投げ網を放ると同時に【吹雪の吐息】も放つ。猛吹雪がワンちゃんに襲い掛かった。

「キャインキャイン!」

「キャイーン!」

悲鳴を上げながらワンちゃんが倒れていく。ガタガタ震えてるので寒さにやられてるのは間違いない。倒れたワンちゃんを収納すると、残り5体になってた。

「さて零士さんはどうなってるのか」

とボスのエキドナのほうをチラ見したら、上半身の美女は両腕をなくして下半身の大蛇はしっぽがなくなっていた。当然、零士さんは無傷で大蛇丸を肩に担いでた。

エキドナが魔物ランク50で零士さんがハンターランク150近いので、まぁそうなんだろうね。

「さっさとケリをつけますかね」

残ってたワンちゃんに吹雪ブレスを浴びせて弱らせてから収納した。警戒しながらエキドナに近寄る。

「そっちも片付いたか」

「作務衣が燃えましたけどまぁなんとか」

替えは持ってきてるから着替えよう。

エキドナはというと、燃えるような赤い目で睨んでくる。ボロボロだけど殺意は衰えてない。切り落とされた両腕もゆっくりだけど治ってきてる。回復能力があるみたいだ。

上半身は美女だけど言葉を発することもなく唸るのみ。やっぱり魔物だ。

「こいつを倒したら休憩しよう」

「了解です」

【師走】で一気に距離を詰めて投げ網で収納した。

腹が減ったので食事と飲み物を出す。もちろんイスとテーブルもね。

「ここから先はデータがねえ。時間もかかるだろう」

「帰還予定は明日の昼ぴったりです」

今回はダンジョン踏破するために来てる。過去の記録だとダンジョン踏破したときは強制的に地上に戻されるんだって。ダンジョンにいたハンターは階段があった付近に放り出されるんだけど、踏破したハンターは階段があった場所に戻されるんだ。

その場面を証拠として記録するために智ら3人に学校を休んでもらって、時間を合わせてカメラで記録とリアルタイムで配信してもらうことになってる。

「いまが15時過ぎか。あと20時間ってとこだ。ワンフロア1時間で抜けても10時間。魔物を調べながら行きたいところだが時間優先だな」

「できる限り収納しましょう」

持ち帰ったドロップ品の質と量で勝負だしね。まぁ、踏破したらこっちの勝ちは間違いないんだけどさ。

「守、エキドナは何が出た?」

「えーとこれですね」

【エキドナの魔石×1】

【ヒールの魔法書×1】

【自己治癒のスキル書×1】

【ケルベロスの魔石×15】

【炎の息吹×3】

【オルトロスの魔石×20】

【ポーション×20】

「【ヒール】の魔法に自己回復のスキル? なんだそれ。21階以降で普通に出るなら根こそぎ持ち帰りたいが」

「エキドナを見かけたら寄り道ですね」

【ヒール】は奥様ーズに覚えてもらいたいし葉子ちゃんにも覚えて欲しいし、なんならビッチさんに賄賂として渡してもいいし、那覇さんにも渡したい。

皮算用だけどさ。

そのころ地上では、唐津がようやくダンジョンに入っていったところだった。仲間がぞろぞろ後に続く。個人でやるはずが、もう隠すこともしなくなっている。もっとも守も同じではあるが。

「ったくぅ、面倒なことしやがるぜぇ」

慎吾がぼやく。いまだ地面は湿っており、歩くとぐちゃぐちゃして不快極まる。

「でも、この水ってのはどこから来たんだ?」

「さーなー。ダンジョンは不思議空間だしな」

「あいつのスキルって収納系じゃないかって噂だぞ?」

「そうだったとしてもこの量の水は出せねーだろ。偶然だ偶然」

クランのハンターらが推測するが考えることを諦めたようだ。

「さーてぇ、すこぉしだけ、まじめにやろうかねぇ」

「アイテムはもう集めてるんだし、のんびり酒でものんでよーぜー」

「そーそー。そのためにもう頑張ってるんだしよー」

慎吾が腕まくりするがハンターらがうるさい。勝ちは間違いないと確信してるのでだらけすぎている。

「ハンターTVでよぉ、俺らの活躍を配信するらしいからぁ、全国にカッコいい俺らを見せつけるんだよぉ」

「まじかよ!」

「俺の勇姿も映っちゃうのかー。モテモテになっちまうなー」

「はあ? お前鏡を見たことあるのか?」

「んだと?」

「おいおいやめねーかぁ。配信を始められなくて困ってるじゃねぇかぁ」

慎吾は後ろについてくるスタッフに顔を向ける。

ダンジョンの中から地上へ電波は通じない。そこで、カメラから光ファイバーでデータを地上へ送り、そこから配信するという力技をやっているのだ。そこまでしてアピールしたいようだ。

「さぁて、やろうぜぇ」

慎吾がニチャァと笑った。