軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

042 対決! オーガロード! ……遠距離から

こんにちは、レンです。私は今、森の中で息を潜めています。

あの後、助けた冒険者達に助力を請われた。けれど、年齢制限や元々討伐隊に参加していないことを理由に辞退しておいた。

助けた冒険者達は森の外に指定された緊急時の集合場所に行くといって去って行ったので、それを見送った後に私はこっそり森に入った。

いや、ノルンにはいつもお世話になってるからね、復讐の手伝いくらいはしないと。

ただ、基本的に私は目立ちたくない。ついでにオーガロードに近接戦を挑めるような能力や武装は一切ない。

優位に戦えるとしたら遠距離からの狙撃のみだ。

というわけで色々考えて、ノルンに手紙を持たせてベルと一緒にここで息を潜めてる。

うーん、遠目にオーガっぽい集団と冒険者っぽい集団が戦ってる風なのは見えるけど、目を凝らしても良く見えない……なにか、こう、視力を強化とかできないかな? 目に魔力を流して、とか、何か……あ、出来た。良く見える。

ステータス確認。スキル、【鷹の目】。魔力や闘気による視力の強化スキルっぽい。

何はともあれ覚えたなら活用しないと。

ノルンに持たせた手紙はギルドマスターに向けたものだ。今回の討伐隊、ギルドマスターも同行してるらしい。あのムキムキの見た目通り、元はBランク冒険者だとか。

で、手紙の内容は、

1.討伐したオーガの素材の分配

2.討伐の年齢制限違反への罰則の免除

3.討伐後の私の情報隠蔽

4.討伐後に発生する私への不利益からの擁護

上記条件に同意するのであれば、その旨をノルンにお伝えください。ノルンの遠吠えが聞こえ次第、狙撃を開始します。

と言う感じ。まあ、いつも連れていたノルンが出向けば私の関与はばればれだろうけど、それでも姿を見せなければ言い様はある、筈?

強化した視覚で様子を窺う。なんだか見覚えのあるようなのが……あ、あれ、ニール達だ。うへえ。

なんて考えていると、オーガに囲まれて苦戦してる討伐隊の元にノルンが飛び込んで行くのが見た。

ノルンが咥えていた手紙をギルドマスターに渡し、それをギルドマスターが読んでいると……うわ、凄い顔になった。

暫く考え込んだ後に、ノルンに何か言ってる。多分同意かな? すると間も無くノルンの遠吠えが響き渡った。よし、攻撃開始だ。

とはいってもいきなりオーガロードを狙うのは無理。だって周囲にオーガが沢山居るし。肉の壁? 数は……16。ある程度は減らしてからじゃないとだめだね。

ダガーセット、ライフリングバレルセット、速度は……距離もあるし600で良いかな? 良く狙って、発射。命中、倒れた。よし、次。

次はまとめて3連射。全弾命中。オーガロードは……まだ厳しいかな? もう少し減らそう。

討伐隊はどうなってるかな? って、驚いて固まっちゃってる。危なくない? 仕方ない、どんどん減らそう。ばんばんばん。

うーん、下っ端オーガがこっち側に固まってオーガロードを守ってる。もうちょっと減らそう。ばばばんっと。

射線が開けた。ついでにオーガロードに向ってノルンが飛び掛った。ここまでは大体作戦通りかな?

次はオーガロードを狙撃して隙を作るんだけど、タイミングが……ここだ! 腕に命中、ダガーがかなり深く刺さってる。

ああ、でもダメだ。一瞬驚いたようだけど、動きが変わらない。ノルンの攻撃を避けまくってる。私の狙撃も警戒してるようで、狙いが付けられない。

……残りMPは90。余り無駄弾は使えない。となると次で確実に動きを止めないといけない。なら、狙うところはどこ? ……機動力も奪うなら、膝? 出し惜しみは無しで行こう。

ライフリングセット、速度800。消費MPは40。もう少し速度を上げる。速度1000。消費は、70。これを撃ったら今日はもうまともに戦えない。でも、撃つ。視力を限界まで強化。照準…………………………発射。

オーガロードの膝がはじけ飛び、その場に跪いた。その隙を逃さずノルンが飛び掛かり、前足を振る。風の刃がオーガロードの頸を刎ね飛ばした。

……勝ったね。

そのあと暫く様子を見ながら待機しつつ、タイミングを見計らってギルドマスターの元に向った。他の冒険者達は残った6匹のオーガの掃討に散って行ったのだ。

「……こんにちは」

「おう、こんにちは」

「大丈夫でしたか?」

「おかげさんでな……助かったよ。

しかし従魔だけじゃなく、嬢ちゃん自身もオーガを倒せるだけの力があるとはな……恐れ入った」

「遠くから隠れてこそこそ攻撃しただけです。まともに戦ったらあっという間に殺されちゃいますよ」

「いや、戦い方ってのは人それぞれだ。あんたの戦い方は他人に非難されるようなものじゃない。

何より、あの命中精度にあの威力。寧ろ賞賛に値するぞ」

「そういうものですか……あ、それであの条件のほうは守っていただけるんですよね?」

「ああ、大丈夫だ。

今、Cランク2パーティーに有望なDランク、それに俺がまとめて死ぬなんて事態に比べれば、あの程度の条件は破格だ。問題ない」

「そうなんですか?」

「ああ……今、ハルーラは人手不足でな。

王都や領都の方と色々やってはいるんだが、人が増えるにはまだ時間が掛かる」

「はあ」

「興味なさそうだな……まあいい。

それで素材の分配、罰則の免除は良いとして、その後の情報の隠蔽てのは何だ? 名声が欲しくないのか?」

「えーと、目立ちたくないので」

「理解できん……いや、面倒事を嫌ってるってのは何となく分かるんだが。

で、次の擁護? だったか? こっちは出来ることが限られるが、まあ出来る範囲で何とかしよう」

「ありがとうございます」

「いや、礼を言うのはこっちのほうだから気にしなくて良い。それで素材の分配はどうする? こっちで買い取って現金で渡すか?」

「あ、そうですね。それでお願いします」

「わかった。

ああ、それと、このオーガロードと取り巻きの死体、ギルドまで運びたいんだが手伝ってもらうのは可能か? 流石に討伐隊全員でもこの数を運ぶのは難しい」

「あー、掃討にいった人達が戻ってくる前には退散したいんですが」

「そういえば秘密にして欲しいんだったか……じゃあ、外の緊急時の集合場所まで持っていってもらうのも難しいか?」

「そこには別の人達が居るんですよね? そうなると、ちょっと……」

「だよなあ……いや、いい、分かった。無理言ってすまんな」

「お役に立てず申し訳ないです」

「いいさ、時間はかかるが何とか出来ないわけじゃないからな。

っと、そろそろここから離れたほうがいいんじゃないか?」

「そうですね。では、先にハルーラに帰ってます」

「わかった、また後でな」

「はい」

と言うわけで確認も完了。ノルンと共に颯爽と森から離脱! あ、一応オーガの死体からダガーは回収しておいたよ。証拠隠滅大事。

後顧の憂いもなく人助けも出来て良かった良かったー