軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

101 モーニングハーブティー飲もうよ

うーん……朝? んー? 天井が近い? 見慣れない天井だけど、ここ何処……? って、誰かが抱きついてて……クロ? ……あー、そうだった。昨日はトリエラ達の家に泊まったんだった。二段ベッドの上の段だから天井が……

はー、相変わらず朝が弱くて困る。早起きが習慣になってはいるから時間になると目は覚めるんだけどね……血圧が低いのか、寝起きは結構ぼーっとしてる。だからいつも通りに暫くぼーっとして過ごす。

むーん……大分頭がはっきりしてきた。取り敢えず現状確認。クロが滅茶苦茶抱きついたまま寝てて、私のおっぱいに顔を埋めている。時間は……大分早いかな? 工房に居た時は5時とか6時とかに起きてたから、いつも通りの時間に起きちゃったのか。

こんなに早く起きてもすることないんだけど、どうしよう……取り敢えず起こさないようにクロを引っぺがして着替えますかね?

慎重にクロを引っぺがし、【ストレージ】操作でパッと着替えて【洗浄】を使って洗顔と歯磨きを済ませ、鏡を取り出して髪を梳く。そしていつも通りに緩く三つ編みにして、眼鏡装着。マントは羽織らない。

ちなみに昨日も家の中に居る時はマントは羽織ってなかったりする。お陰で一部からの視線が痛かった。一部っていうか一名っていうか。

さて、着替えも終わったし……んー、朝食の準備でもしておこうかな? であれば、とアルルを起こす事にする。……起きない。そういえばアルルって凄く朝弱かったよなあ……それこそ、私以上に。

はぁ……仕方ない、1人でやるか。

部屋を出ると向かいの男子部屋の中が丸見えだった。男子が全員毛布に包まって床に丸くなって寝ていた。せめてマットレスとかシーツの代わりに布とか毛布とか敷くとかさあ……うん、もうどうでもいいや。

1階に下りて竈に火を入れて、火が大きくなるまでしばし放置。火が大きくなったら昨晩作っておいたスープの鍋を温める。ついでに【ストレージ】から薬缶を取り出して、適当にハーブを入れて火に掛ける。

おにぎりと肉団子は冷めてるから、んー……焼きなおす? 蒸す? おにぎりの方は冷めてても美味しいという事を教える為にも、冷たいままでもいいかな? 肉団子はフライパンで改めて焼きを入れておこう。蓋をして弱火で火に掛けておけば、レンジ代わりにはなるかな。とは言えそのまま放置しては焦げてしまうので、適時フライパンを傾けて適当に転がしながら色々並行作業。

そんな感じで食事の準備を進めていると、2階から誰かが降りてくる足音がする。誰? ってリュー? ……意外だわ。

「あれ? レン?」

「おはようございます、リュー」

「あ、うん……えっと、おはよう? ……なにしてんだ?」

「ご飯の準備です」

「えーっと、アルルは?」

「寝てますよ。あの子、朝弱いでしょう?」

「あー、そういえば、確かに……」

雑談しつつも手は止めない。といってもやる事ってそんなに無いんだけどね。

「えーっと……」

「そんな所に立ってないで、顔でも洗ってきたらどうですか?」

「え? 顔?」

「お風呂場に行けばお湯が使えますよ」

「あ、うん……」

この国の緯度って結構北の方みたいで最近は朝も割りと冷え込むから、朝からお湯が使えるのはありがたいよね。

リューが風呂場に顔を洗いに行ってる間に新たに人が降りてきた。

「あー、居ないと思ったら、やっぱり……ごめん、レン。どうしても朝って弱くて……」

「気にしないでいいですよ、アルル。顔を洗ってきてください」

「あれ? アルル、起きたのか?」

「リュー? アンタ起きるの早くない?」

「オレはいつもこんなもんだぞ?」

「そうなの? じゃあ私もちょっと顔洗ってくる」

「おー、そーしろ。つーか、朝からお湯が使えるのってすっげー便利だな!」

「え? そんなに良い?」

「いや、考えてもみろよ? 冬場とか冷たい水で顔洗うと、ヤベーだろ? 目は覚めるけどさ」

「……ああ! なるほど、確かに!」

うん、心臓止まりそうになるよね? 我ながら給湯器の設置は正解だったね。軽い足取りでアルルが顔を洗いに行った後、リューは朝食の準備をしてる私のほうをボーっと見てた。何? あんまりじーっと見られてると落ち着かないんだけど? ……邪魔だから追い払うか。

「リュー、暇ならこれで素振りでもしてきたらどうですか?」

以前に立ち回りの練習をしようと思って作った木剣を取り出して、リューに渡す。調理してる所をずっと見られてると落ち着かないんだよね、基本的にコミュ症だし、私。邪魔だからベランダにでも行って素振りでもしてるといいよ。

……ちなみにこの木剣、1回使ったきり【ストレージ】の肥やしになってたものだったりする。うん、結果が惨敗でしてね?

「え? これ、使って良いのか?」

「リューにあげますから、好きにしてください」

「……わかった、ちょっと行ってくる。……その、ありがとな!」

ウザイから厄介払いしただけなのに、去り際に照れながら礼を言われても、なんというか……困る。

「あれ? リュー何処行ったの?」

「ベランダに行きました。邪魔だったので木の剣を渡して素振りでもして来いって言って追い払いました」

……そう言えば、ベランダってノルン達が寝てたような……いや、多分大丈夫。うん、多分。

「うーん……優しいのか厳しいのか、判断に困る」

「別に私は優しくないです」

「ツンデレ?」

「デレてないです」

心外な。私はそんなに甘くないよ?

「そういう事にしておくよ。何か手伝う事ある?」

「特にないですけど……どういう事をしてたのか説明しますので、ちょっとこっちに来てください」

「わかったー」

アルルにあれこれと私がやってた作業を説明する。そんなに難しい事は無いけどね、一応ね。あと、ついでだしお昼用にお米も炊いておこうかな。

「えーと、じゃあこっちのフライパンに入ってる奴は各自で好きにするって事?」

「はい。そのまま食べても美味しいですし、スープに入れても美味しいと思います。食感が違うので、そういった事も楽しめればいいかなあ、と」

「食感の違い……そういうのもあるんだね」

「香りでも色々変わってきますよ」

うん、ご飯って味だけで楽しむものじゃないからね? そういう考え方もあるというのは知っておいて損にはならないはず。

一通り説明が終わったので、ハーブティーをカップに注いでアルルに渡す。

「これ、おいしい……何入れたの?」

「これはですね……」

いい機会なのでハーブティーに使える野草だのなんだのを幾つか教える事にした。お茶は嗜好品だけど買うと普通に高い。我々貧乏人には敷居が高い。でも自作できるなら色々便利だ。

「色々ブレンドしてみるのも面白いですよ」

「へー、楽しそう……それに色んな効能があるっていうのも凄いね」

ハーブティーのブレンドとか凝りだすと切りがないから、程ほどにね?

そんな事を話してるとリューが戻ってきた。……見た感じ、ノルン達に噛まれたりはしてないみたいだ。

「あれ? なに飲んでんだ?」

食い気優先か……いや、いいけどね? それよりも。

「汗臭いです。お風呂に行ってください」

「え、ちょ……」

うん、汗臭い。という訳で無理矢理風呂場に押し込んだ。

それはそうと、リューは結構しっかりと頑張ってきたみたい? とはいえ我流だろうから何処まで効果があるのやら……?

……前世では一時期居合いをやっていたので、実は私は剣術の基本は知ってたりする。とはいえ私が知ってるそれは刀を扱う為の物なので、互換性はあるだろうけど微妙に使い勝手は違うと思う。それに異世界の技術を教えていいのかどうかの判断がつかない。機会があれば少し見てあげるのは有りかも知れないけど、わざわざ時間を作ってまでそれをしようとは思わない。……うん、暇な時に気が向いたらって事で。

等とつらつらと考え込んでいると他の面々も降りてきた。リューの素振りの音で目が覚めたらしい。

そんなリューは鍵も閉めずにお風呂に入ってたので、顔を洗いに行った全員から裸体を視姦される羽目になっていた。相変わらずアホの子だねえ……

全員が揃ったところで朝ご飯。ちなみにいつもよりも大分早いらしい。

という訳で、実食!

昨日作った肉団子は1人四つ。その内二つは既にスープに入ってるので、好きに食べられるのは1人二つ。皆はどうするのかと思ってみてたら、全員一つはスープに入れて一つはそのまま食べていた。

そんな中、ケインとボーマンは大人しかった。ちらちらと私のほうを見てたけど。

食後はまったりティータイム。全員ハーブティーを飲んでゆっくりと寛ぐ。まあ、アルルとトリエラはお昼ご飯用に焼きおにぎりを作ってたけどね。うん、さっき朝の準備のついでに炊いてた奴を使ってね? 適当に木の弁当箱を作ってあげたから、それに詰めて持っていくといいよ。キャリーカートも一台進呈しておいたのでそれに積めばいいさ!

お茶を飲みながらみんな笑顔でだらだら駄弁ってたんだけど、その中でもクロが特にご機嫌のご様子。それに気付いたマリクルがクロに理由を尋ねたんだけど……

「クロ、なんだか機嫌がいいみたいだけど、どうした?」

「んうー? レンちゃのおっぱい、気持ちよかったから?」

……一瞬で場の空気が凍った。そして私に集中する視線。やめて! そんな目で私を見ないで! っていうか一部を凝視するのはやめて!

何故かリコがずるいとかぶつぶつ言ってたけど、聞こえない振り。

とまあそんなトラブルもあったけど、そのあと私は工房に帰った。みんなはいつも通りに兎狩りと薬草採取をするという事で、ギルドに向って行った。

私はその後は収穫祭までの数日間、いつも通りに鍛冶をやって過ごした。

そしてやっと収穫祭! 遂におデートだよ?