軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

絶句

ソーナリスは城壁の上からの景色を楽しんでいた。

景色を見ながらこの旅を振り返っていた。

今までは王都でしか暮らしていないので、部屋から見る光景は人工物か山くらいだったが、ここまでの旅で、この世界の自然の景色を楽しんできた。

パトリックと2人で、ワイバーンの背中から見た景色は最高だった。

大きな湖を上から眺めていたら、巨大なウナギとぴーちゃんの争う光景は、心の奥底にある戦闘本能をくすぐられたものだった。

まあ、結果はぴーちゃんの圧勝だったのだが。

大きなウナギを丸飲みする早さには、かなり驚かされたりもした。

今、目の前には豊かな畑の緑と空の青、遠くに見える河は、陽の光を反射して銀色に輝き、その奥の山は山頂が白い。

前世では自然の多い国で産まれたし、雪も多かったが、育ったのは都会だったし、日本に渡ってからも都会でしか暮らしていない。この世界では王都で雪など見たことすらない。

雪と言えば撮影で京都に行ったときに見た、雪の積もった金閣寺は綺麗だったなぁ。

などと、前世と今世の違いを噛みしめつつ、

「今度こそパットと、楽しく末長く生き抜いてやる!」

何故か握りこぶしを作って宣言するソーナリス。

それを背後から見ていた2人は、

「あの2人って、変わり者同士だから惹かれたんでしょうかね?」

「まあ、普通の王女なら、握りこぶしで空に誓いとかしませんわね」

などと言っていると、ソーナリスが振り返り 、

「もう王女じゃなくて、辺境伯夫人よ! だいたい私達が変わり者同士なら、貴方達は真面目同士だから仲が良いのかしら?」

と、ニヤニヤしながら聞いた。

ミルコは途端に額に汗をかき、アメリアの顔は見る見る赤くなるが、ソーナリスには配慮などという優しさは無い。

「昨日、夕食の後、2人を1時間くらい見なかったけど、どこで何をしていたのやら!」

と、わざと声を大きくし、肩をすくめて言い放った。

慌てふためく2人に、

「パットには内緒にしておいてあげるから、ミルコ殿、ちゃんと報告はご自分でなさいね!」

と言いながら、城壁の階段を降りていくソーナリスを、アメリアが慌てて追いかけ、ミルコは、その場で膝を付き、

「もうバレてた……」

と、小さな声で呟いた。