軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

499:レベルキャップ解放の噂

『《格闘術》のスキルレベルが上昇しました』

『《MP自動超回復》のスキルレベルが上昇しました』

『《奪命剣》のスキルレベルが上昇しました』

『《練命剣》のスキルレベルが上昇しました』

『《蒐魂剣》のスキルレベルが上昇しました』

『《テイム》のスキルレベルが上昇しました』

『《HP自動超回復》のスキルレベルが上昇しました』

『《生命力操作》のスキルレベルが上昇しました』

『《魔力操作》のスキルレベルが上昇しました』

『《クロスレンジ》のスキルレベルが上昇しました』

『《高位戦闘技能》のスキルレベルが上昇しました』

『《血の代償》のスキルレベルが上昇しました』

『《立体走法》のスキルレベルが上昇しました』

『《 再生者(リジェネレイター) 》のスキルレベルが上昇しました』

ある程度の敵を掃討した所で、俺たちはシリウスの攻撃で残敵を吹き飛ばしつつ撤退した。

戦いは続けられただろうが、これ以上ここで戦闘を継続するのもあまりメリットがない。

ある程度戦力は確認できたし、ここいらで後退しておいた方が良いと判断したのだ。

「ふぅ……結構多かったですね。増援も来ていたみたいですし」

「やはり、大公アルフィニールとやらの軍勢のようだな。どれだけ削っても限りが無かった」

大公の能力は、未だによくわかっていない。

そもそも、アルトリウスたちも噂レベルの話までしか得られておらず、その姿も確認できていないのだ。

果たして、悪魔たちの頂点はどのような存在なのか――今のところ分かるのは、アルフィニールが放つ無尽蔵の悪魔たちが脅威であるということだけだ。

「相当数削ったと思ったんだがな……まるで減った気がしない」

「本当に……どうなってるんですかね、あれ」

先日の警戒線の時もそうだが、今回も全くと言っていいほど増援の限りが見えなかった。

今回については俺たちしか戦っていなかったから仕方ない面もあっただろう。

だが、前回の警戒線での戦いについては、俺たち以外でも戦っているプレイヤーはどこかにいた筈だ。

それを含めれば、数千という数の悪魔を屠っていたとしても不思議ではない。

であるにもかかわらず、現れる悪魔の数は一向に減る気配が見えなかったのだ。

単純な物量という面に限って言えば、これに勝ることはまず不可能だろう。

「アルトリウスさんはしばらくこれを利用するって言ってましたけど、攻略するとなるとどうするんですかね?」

「方法はいくつかあるだろうが……正攻法で攻略することは難しいだろうな」

うんざりとした様子の緋真に、俺は軽く肩を竦めつつそう返す。

アルフィニールを攻略する場合、この物量に対する対抗策を考えなければならない。

俺たちがいかに高い戦力を準備したとしても、相手の戦力は無尽蔵であり、数の上で優位に立つことは恐らく不可能だ。

であれば、こちらは質を高める必要があるだろうが、どれだけ個々の戦力を高めたとしても戦闘継続能力には限界がある。

アルフィニールがどこまで悪魔を増やし続けられるのかは謎だが、相手は大公、最高位の悪魔だ。

際限などないことを前提に考えておいた方がいいだろう。

「とにかく、数に対して数で対抗することは難しい。ならば、少数での潜入か、或いは精鋭部隊での強行突破か……何にせよ、大軍をまともに相手をすることは厳しいだろうさ」

「うーん……まあ、まだしばらくは解決できない話ですかね」

「だろうな。どのように進めるにせよ、まずはプレイヤー全体の底上げが必要だ」

プレイヤー全体の戦力は、まだまだ大公と戦えるようなレベルには至っていない。

奴らに刃を届かせるには、まずこの山を確保することが重要だ。

大公と戦うのであれば、全員が真化を済ませているような集団でなければならないだろう。

「なら、重要なのはいつあの集落を押さえるのかってことじゃない? 話はまだ出ていないのかしら?」

「真化、レベルキャップ解放の話については結構出回ってるみたいですね。私からもある程度情報は提供しましたけど、かなり話題になってますよ」

「いつの間にやってたんだ、そんなこと?」

「真化の時、選択画面の一覧をスクショしておいたので。流石に一つ一つ詳しく見ている暇はなかったので、一覧でしか見られないですけど」

どうやら、緋真は参考になると思ってあの画面の画像を保存していたらしい。

俺はざっとしか見ていないため、それぞれの詳細についてはあまり詳しく確認できていないが、羅刹族以外にもそこそこ珍しそうな真化先はいくつかあったように思える。

あの画面だけでは詳細な情報は分からないだろうが、ある程度の指標にはなる筈だ。

「私たちの場合は 人間族(ヒューマン) から専用の真化先と共通の真化先しか出ていないので、他の種族限定とかは分からないですね。アリスさんの場合は 魔人族(ダークス) 限定とかもあったかもですけど」

「そうね、確かにあったと思うわ。正直名前も覚えていないけど……一応、 闇月族(エクリプス) は共通真化先よ。 魔人族(ダークス) 限定ではないみたい」

「俺たちの種族も確かそうだったな……まあ、条件は分からんが」

俺たちやアリスの種族は、どの種族でも条件を満たせば出現するタイプだと思われる。

まあ、俺の種族については全くと言っていいほど条件が分からないのだが。

恐らく戦闘に関連しているとは思うのだが、条件に付いてはまるで特定できない。

強力であることは間違いないのだが、狙って出しづらいというのは中々に困りものだ。

「説明文的には、戦闘回数と死亡回数、後は性別ですかね……一回しかできないし、これは『MT探索会』の人たちも検証が大変そうですよ」

「あの連中の場合、それでも嬉々としてやっていそうではあるけどな」

『MT探索会』は本当に奇特な連中の集まりだと思うが、何だかんだで彼らの持ってくる情報は有用だ。

緋真が見ている画面を覗き込んでみると、どうやら彼らは緋真が出した画像だけである程度の条件を考察しているらしい。

殆どは種族の名前しか分からないというのに、よくそこまで考察が及ぶものだ。

それが正解であるかどうかは実際に試練を受けてみなければ分からないだろうが、彼らの考察ならばある程度当たっているのかもしれない。

「しかし、真化先の話ばかりだな。試練の内容には触れていないのか?」

「いえ、話題には上がっていますよ。でも、やっぱり真化先の方が気になるみたいです」

「仕方ないんじゃない? どんな強化ができるのかって気になる人の方が多いでしょう」

「まあ、それはそうなんだがな」

人の心理として、報酬の方が気になってしまうのは分からないでもない。

だが、それはあくまでも試練の先にある物であり、まずは試練を突破しなければ話は始まらないのだ。

決して難しい試練というわけではないし、誰でも攻略はできるだろうが、かと言って油断できるレベルというわけでもない。

あまり捕らぬ狸の皮算用をしていても、足を掬われる結果となりかねないだろう。

「とにかく、真化についてはかなり大きく広まってきているってことだな?」

「そうですね。レベルキャップが近付いてきていることは多くのプレイヤーの共通認識でしたし、試練のことは今一番ホットな話題になってきています」

「成程な。問題意識を持たれているのであれば、人も集まりやすいか」

アルトリウスのことだ、ある程度は話題が広まりやすいように扇動しているのだろう。

だが実際問題として、レベルキャップの解放はプレイヤーにとって必要不可欠であり、それを行うための霊峰の確保は急務だ。

結果的に、多くのプレイヤーの話題に上がることは確定路線となっていただろう。

アルトリウスは、それを後押ししたに過ぎない、と言ったところか。

「この調子なら、次の休みの日には動きそうですね」

「となると、明後日か。急ではあるが、エレノアの準備が整っているならいつでも動けるだろうしな」

今回の件で必要不可欠なのは、結界を構築するための石碑だ。

完全なものでないとはいえ、既に作成できているのであれば、行動を開始するのに支障はない。

詳細についてはアルトリウスたちに任せるとして、こちらは準備を進めておくこととしよう。