軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

368:成体の龍

『レベルが上がりました。ステータスポイントを割り振ってください』

『《刀術》のスキルレベルが上昇しました』

『《格闘術》のスキルレベルが上昇しました』

『《昇華魔法》のスキルレベルが上昇しました』

『《降霊魔法》のスキルレベルが上昇しました』

『《致命の一刺し》のスキルレベルが上昇しました』

『《MP自動大回復》のスキルレベルが上昇しました』

『《奪命剣》のスキルレベルが上昇しました』

『【刻冥鎧】のテクニックを習得しました』

『《練命剣》のスキルレベルが上昇しました』

『【命輝鎧】のテクニックを習得しました』

『《テイム》のスキルレベルが上昇しました』

『《HP自動大回復》のスキルレベルが上昇しました』

『《生命力操作》のスキルレベルが上昇しました』

『《魔力操作》のスキルレベルが上昇しました』

『《魔技共演》のスキルレベルが上昇しました』

『《エンゲージ》のスキルレベルが上昇しました』

『《回復特性》のスキルレベルが上昇しました』

『《高位戦闘技能》のスキルレベルが上昇しました』

『《剣氣収斂》のスキルレベルが上昇しました』

『《背水》のスキルレベルが上昇しました』

『《走破》のスキルレベルが上昇しました』

『テイムモンスター《ルミナ》のレベルが上昇しました』

『テイムモンスター《セイラン》のレベルが上昇しました』

『テイムモンスター《シリウス》のレベルが上昇しました』

『テイムモンスター《シリウス》がレベル上限に達しました。《ソードドラゴン・レッサー》の種族進化が可能です』

次々と響くインフォメーションに、俺は周囲への警戒は絶やさぬようにしながらも安堵の吐息を零す。

何とも、面倒な相手であった。間違いなく強敵ではあるのだが、ああもとんでもない攻撃ばかりが飛んでくると流石に気疲れする。

こちらは一撃でも受けるわけにはいかないのに、向こうはどれだけ当てても中々倒れないのだ。

ここまで慎重に戦わなくてはならない敵は――いや、ディーンクラッドがいたから割と最近戦ったか。

ともあれ――

「ようやっと進化だな、シリウス」

「グァウ!」

俺の言葉に、シリウスは嬉しそうな様子で頷く。

ようやくとは言うものの、シリウスの進化段階はこれで三つ目だ。つまり、ルミナで言う所のヴァルキリーになった段階である。

そう考えると、まだまだ先は長いと感じてしまうものだ。

とはいえ、一歩ずつ前進していることに変わりはない。これもまた、大きな一歩となることだろう。

新たなテクニックについては後回しとしつつ、俺は即座にシリウスの進化情報を確認した。

■ソードドラゴン

種別:真龍

属性:無

戦闘位置:地上・空中

女神の眷属たるドラゴンの一族、その成体。

《強化魔法》に秀でた魔力を有し、全身を鋭い刃に覆われている。

また強靭な肉体を持っており、物理攻撃に対して高い耐性を持つ。

進化先は予想していた通り、ソードドラゴンだったらしい。

説明文も以前からほぼ変化がないし、とりあえず成体になったというだけなのだろう。

しかし、以前も進化の際はすさまじい能力上昇をしていた。

であれば、今回も相応の成長が期待できることだろう。

「よし、さっさと進化させるぞ。準備はいいな、シリウス?」

「グルルッ!」

「いい返事だ」

笑みを浮かべつつ、シリウスから距離を取る。

これまでの経験上、シリウスが巨大化することは容易に想像がつくからだ。

そうそう滅多なことはないだろうが、すぐ傍で進化させて進化後に踏み潰されるなんてことは避けたい。

ある程度の距離を開けたところで、俺は改めてシリウスの進化を開始させた。

眩い銀の光に包まれるシリウスを眺めながら、隣に立つルミナと言葉を交わす。

「さて、どうなるか……」

「戦力が増えますし、楽しみですね」

「真龍だからというのもある。どこまで行くのか、本当に楽しみだ」

進化の演出については、普段と変化しているわけではない。

光に包まれたシリウスは巨大な光の球体となり、その中でシルエットを変化させていく。

これまでマイクロバス程度の大きさであった体は、恐らく普通のバス程度の大きさになっているだろう。

最早、ドラゴンと呼んでも全く違和感のない大きさだ。成体ということであるし、ここからが本当のドラゴンと言えるのかもしれない。

徐々に収縮し始める光は、シリウスの新たな体に纏わりつくように形を変える。

そして、その光はシリウスが翼を広げると共に砕け散り――

「グルァアアアアアアアッ!!」

その中から、巨大化したシリウスが姿を現した。

基本的な形については、進化前とそれほど変化はない。

体の各パーツが以前よりも大きく、そして鋭さを増した程度だろう。

あえて言うのであれば、手の爪の形が若干変わっている。

以前は普通に手のようであったのだが、今回は爪が巨大化しており、まるで篭手を嵌めているかのような状態だ。

手で相手を握っただけでも引き裂けてしまうことだろう。

後は、額の角や翼、そして尻尾の刃についても姿に合わせて巨大化しているという程度だろうか。

「おおよそ想定通りの姿だな……しかしでかいな」

「こうなると、街に入るのはちょっと難しそうですね」

「今まででもギリギリだったからな」

バス程度の大きさとはいえ、流石にこの世界の街に入れるには少々でかい。

馬車が通れる通りもあるのだが、そこを通るにしてもサイズオーバー感は否めないだろう。

とりあえず、街に入る時は従魔結晶に戻しておくようにするか。

小さな問題に頭を悩ませつつも、俺は改めてシリウスのステータスを表示させた。

■モンスター名:シリウス

■性別:オス

■種族:ソードドラゴン

■レベル:1

■ステータス(残りステータスポイント:0)

STR:50

VIT:50

INT:36

MND:36

AGI:42

DEX:41

■スキル

ウェポンスキル:なし

マジックスキル:《強化魔法》

スキル:《爪撃》

《鋭牙》

《突撃》

《ブレス》

《物理抵抗:大》

《硬質化》

《斬鱗》

《刃翼》

《尾撃》

《魔法抵抗:中》

《威圧》

《堅牢》

《研磨》

《小型化》

称号スキル:《真龍》

一通りを確認し、思わず眼を疑う。

ステータスの伸びもそうだが、スキルもかなり強化されている。

ステータスの合計値に至っては、既にルミナを越え、セイランにすら届く勢いだ。

元々強力な種族ではあったが、まさか進化によってここまで強化されることになるとは。

今のシリウスならば、ルミナたちと共に前線を張っても全く見劣りすることはないだろう。

「……とんでもないステータスだな。スキルもやたらと増えてるし」

とりあえず、《鋭牙》と《突撃》は《牙》と《突進》がそのまま進化したものだろう。

そして、各抵抗スキルが上昇しているのも分かり易いし、これに関しては気にする必要はない。

問題は、新たに出現したスキルである《堅牢》と《研磨》、そして《小型化》だ。

説明を確認したところ、《堅牢》は常時発動型の防御力上昇スキルであるらしい。

《硬質化》は任意に発動するタイプだが、こちらは意識せずとも常に効果があるということだろう。

通常の防御力上昇に加えて、スキルによる上昇が乗るとなれば、かなり頑丈になってくれることだろう。

そして《研磨》であるが……若干HPを削って、一定時間だけ攻撃力を上昇させるとある。

その名の通り、刃を研いで鋭くするということなのだろう。《練命剣》に近しい効果に思えるが、こちらは効果が一撃だけではなく、しばらく持続する。

防御型のシリウスに、HPを削るスキルもどうかとは思うのだが、その辺りはどのぐらい削るかにもよるだろう。

「ふむ……シリウス、ちょっと《小型化》を使って見てくれるか?」

「グォウ」

俺の言葉に頷くと、シリウスの体が再び銀の魔力に包まれた。

その直後、シリウスの体は先ほどとは逆に縮まり始める。

その大きさはレッサードラゴンの頃を通り越し、パピーの頃と同じぐらいの大きさにまで戻ってきた。

そして光が収まり――現れたのは、今の姿をそのまま縮小したかのようなシリウスであった。

「ほう……パピーに戻るわけではないんだな」

あの頃は翼も大きくはなかったが、今はサイズと合った翼が生えている。

恐らく、今の状態でも飛ぶことはできるのだろう。

まあ何にせよ――

「これでサイズ問題は解決したな」

「ですね……これなら、問題なく街に入れるでしょう」

パピー相当の大きさであれば、街に入るのに迷惑をかけることはないだろう。

悩みが一つ解決したことに満足しつつ、俺は改めてシリウスの姿を眺める。

とりあえず、目標の一つは達成できた。後は餓狼丸の経験値を溜め切ることができればいいのだが――時間的には厳しいか。

しかしシリウスも強くなったし、多少は戦闘時間を短縮できるかもしれない。

何にせよ、まだ戦う理由はあるが、時間的余裕はあまり多くはない。そろそろ戻る時間も視野に入れておくべきだろう。

「よし、試運転がてらにまた戦うとしよう。終わったら、イベントの準備だ」

イベントの開始まであとわずか。

さて――最後の追い込みをするとしようか。