軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

城塞都市

バルカの街として作りはじめた城下町。

外壁内部の建物建設に一段落ついたあとは、別の作業へと取り掛かることにした。

それは壁そのものの改修工事だった。

川北の城を作ったときにも【壁建築】で作り出した壁を改修した。

それは俺の開発した【壁建築】では大猪の突進を防ぐことはできても、人間の軍隊の攻撃を防衛するには不向きだからだ。

ただ単に分厚い壁というだけでは攻城戦であっという間に突破されてしまうだろう。

なのでどうしても壁に手を入れる必要があったのだ。

本当ならば外壁もすべて硬化レンガ製の壁に変えてしまいたかった。

だが、いくらなんでも壁の距離が長過ぎる。

現状では【壁建築】という呪文で作れる壁というのは通常のレンガ製であり、硬化レンガで作るには俺が呪文に頼らずにやるしかないのだ。

それではいくらなんでも効率が悪すぎた。

なので現状ではすでにある壁を改修するという作業に留めることにしたのだ。

川北の城ではぐるりとロの字型に囲う壁の角四つに壁よりも高い塔を建てた。

より遠くの敵をすばやく発見できるようにという意味もあるし、その塔から壁の上に出て移動できる出入り口も作りたかったからだ。

その塔をこのバルカの街でも作ることにする。

だが、川北の城はもともと100人が滞在する陣地を再利用して造った城でそこまで大きなものではなかった。

防衛力は水掘のおかげでそれなりにあると思うのだが、せいぜい数百人規模の軍が逗留する砦というか、出城みたいな感じでもある。

そのくらいの規模ならば塔を建てる数は別に四隅だけで良かった。

しかし、バルカの街は川北の城よりも遥かに広い土地だ。

四隅だけに塔を建てるわけにはいかない。

そこで俺は外壁に設置する塔の数を増やすことにした。

城下町を造ったときのように一定の間隔で全く同じ構造の塔を配置していく。

だいたい200mごとくらいに塔がにょきにょきと壁に付け足されていく。

この作業は俺が一人でやっていった。

その間にほかの手の空いた連中などに壁の上の改修をしておいてもらうことにした。

【壁建築】で造った壁の上部は平らになっているので、バルカ姓を持つ連中が造った硬化レンガを使って弓矢や魔法を防ぐための体を隠す壁を作っておいてもらう。

これは以前川北の城で造っただけあるので、わざわざ俺が指揮を取らなくともグランやバイト兄、バルガスなどに任せておいた。

ちなみにだが、俺達が仮に今、防衛戦をすることになった際に使う武器は、壁の上からレンガを落とすという方法がメインになると思う。

もちろん、【散弾】や【氷槍】といった攻撃魔法を使ってもいいのだが、人間の魔力には限りがあるからだ。

その点、レンガならば平時から作りだめしておいて保管しておくことができる。

作ったレンガを壁の上や塔にある部屋などに置いておくことを想定しているのだ。

もちろん、弓を使う人もいるが、今のところレンガの物量に頼ることになるだろう。

いずれは弓やその他の武器も増やしてまともな防衛戦ができるようにしなくてはならないが。

で、このレンガを壁から落として侵攻軍にダメージを与えるという方法を考えたとき、グランがきちんとそれにあった防壁を作るようにして川北の城も改修していた。

城壁の上から下に向かってレンガや弓を降り注ぎやすく、しかし、下からの攻撃が当たりにくいように設計された壁。

少しだけ壁から出っ張った出窓のようになっていて、下にものを落とす隙間が空いている。

俺が塔を建築している間に、他の人達にはこの壁上部の改修を進めてもらっていったのだった。

ひたすら魔力回復薬を飲みつつ、お腹がチャポンチャポンになったときにはヴァルキリーからの【魔力注入】で魔力を補給してもらいながら、外壁の改修をしていく。

そうして、俺は自分の担当である塔を建て終わったら、今度は外堀づくりにも取り掛かった。

川北の城ではすぐ近くに川が流れていたため、水掘を作った。

だが、バルカ村の近くにはそこまでの水量のある川がない。

なので、仕方がないがただの空掘だけで我慢することにする。

本当は水掘のほうが雰囲気が出て好きなのだがしょうがない。

せっせと外壁のすぐ外側の地面に深さ10mほどの堀を掘っていく。

ただ、堀の幅は川北の城よりも広くとることにした。

そして、外壁の東西南北にある門へとつながるように橋を架ける。

馬車が並んで通ることができるほどの幅の跳ね橋を木こりたちと一緒に作って設置した。

これで街の中に入ろうとするものはこの橋を通らなければいけなくなるし、いざというときは橋を上げれば完全に籠城することができる。

敵が攻めてきてもここに【氷槍】を使える連中を集めて狙い撃ちすれば、それなりの戦果が得られることだろう。

こうして、バルカには30m級の塔がいくつも並んだ城壁で囲まれ、深い堀に囲まれた街が出来上がったのだった。

ほかのみんなとの協議の結果、この新たな城塞都市はバルカニアと命名され、バルカ騎士領の中心地となったのだった。