軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

魔石

「ふーむ、だいぶわかってきたな」

俺は手のひらにある魔石を見ながらつぶやいた。

手にあるのは青い色をした石だ。

いや、石というよりはどちらかと言うと結晶体とでもいったほうがいいのだろうか。

青色のクリスタルのような綺麗な結晶が俺の手に握られていた。

あれから魔石の研究を続けている。

そしてわかったことがいくつかあった。

まず、魔石は俺の魔力で作り出せるということだ。

ということは魔石というのは金属ではなくガラスなどの仲間なのかもしれない。

なぜかというと、狐谷でとってきた炎鉱石は俺がいくら試しても魔力で再現できなかったからだ。

おそらく、鉄などの金属は魔力で作れず、ガラスや水晶などが作れる俺の魔力の不思議な特性から考えると、魔石というのは金属よりもガラスなどに近い存在なのかもしれない。

そして、この魔石だが簡単に言うと電池みたいなものらしい。

俺が作った魔石にあとから魔力を追加することができたのだ。

最初は淡い青色だったが、魔力を込めていくほどに青色が濃くなっていく。

そして、逆に魔石から魔力がなくなると色が薄くなっていくのだ。

なにげにひと目で魔力貯蔵量がわかるというのは便利なのかもしれない。

ちなみに完全に魔力がなくなると透明なクリスタルみたいな感じになったので、これはこれで綺麗だと思う。

あとは時間をかけてこの魔石を瞬時に量産する魔法を作り上げようと思う。

なんのためにそんなことをするのかというと、ズバリ電池がわりにするためだった。

魔石に魔力を込めておけば魔力回復薬の代替品としても利用できる。

が、それ以上に炎鉱石を利用しやすくなるのではないかと期待しているのだ。

俺は炎鉱石を用いて気球を作り上げた。

気球の布の内部で炎鉱石に魔力を注いでバーナーのように火を吹き、熱気球の原動力としたのだ。

その気球は俺の操縦技術の未熟さによって飛行実験は失敗に終わった。

だが、気球の実験データはその後につながるものだったとおもう。

気球を飛ばすという実験に際して気になったことがあったからだ。

一つは炎鉱石に魔力を注いだ時に出てくる炎の量をいかに調節するかということ。

手元にレバーか何かをつけて火が出る勢いを調節できるほうがいざという時に使いやすいだろうと考えた。

だが、それはあくまでついでだ。

一番気になったのは、炎鉱石に魔力を注ぎ続けなければならないという点だった。

ようするに、魔力を持つ人間がずっと魔力を注ぎ続けなければ火が出なくなってしまうのだ。

これは少々問題だろう。

ぶっちゃけていえば、寝ていても問題なく使用し続けられる仕組みがあったほうがいいのだ。

さらにいえば、操縦者の魔力量の大小で利用時間が変わるというのもなくしたい。

これはいずれ気球以外にも炎鉱石を活用する際に、必ず問題になってくると思うからだ。

それを解消するためのキーアイテムになるかもしれない魔力をためておける魔石という存在。

うまく炎鉱石と魔石をつなぎ合わせて活用できるシステムができないか、俺は研究することにしたのだった。

※ ※ ※

「アルス殿、その魔石を拙者に渡してほしいのでござる」

「どうしたんだ、グラン? 別に魔石を渡すのは構わないけど、なにに使う気なんだ?」

「炎高炉に使うのでござるよ、アルス殿」

「炎高炉? なんだそりゃ?」

「少し前に話していたではござらんか。炎鉱石で炉を作ってみても面白いかもしれないと。それを作ってみたのでござるよ」

「ああ、そういえば発想を柔軟にして考えろとかなんとか言ったような気がするけど……。あのときは煽る感じで言ったけど、炎鉱石を炉に使って意味があるのか、グラン? 無駄遣いだったら困るんだけど」

「実験的に一つ作ってみた感じはうまくいっているのでござるよ、アルス殿。耐火性の高い硬化レンガと組み合わせる形で内部に炎鉱石を使用してみたのでござる。基本的に魔力を注げば超高熱を出すことができる炎鉱石があれば、既存の炉のどれよりも炉内部の温度を高くすることができるのでござるよ」

「ふーん、違う方法でもやりようはありそうだけど、まあいいか。でも、それで問題なく使えているならいいんじゃないのか? 魔石がなんで必要なんだよ?」

「炎高炉に向かって魔力を注いでいたら鍛冶ができないではござらんか」

「……確かに。魔石で炎高炉の魔力補給ができるなら、作業員が作業しやすいか。いいよ、いずれ魔石は呪文化して他の連中も使えるようにしようと思っているけど、それまでは俺が作った魔石をグランにわたしておくよ」

「かたじけないでござる、アルス殿。これで拙者の思い描く武器作りができそうでござるよ」

「お、ついに作るのか。どうするんだ?」

「ふっふっふ。聞きたいでござるか、アルス殿。やはり最初は剣を作るのがいいと思うのでござる。拙者のこれまでの知識と経験、そして技を用いた最高の剣を作るのでござるよ」

「面白そうだな。俺も見学させてもらおうかな」

「なにを言っているでござるか。アルス殿も剣作りに手を貸してほしいのでござる。むしろ、アルス殿の力が必要なのでござる」

「俺の力が? あんまり鍛冶で手伝えることってなさそうだけど、いいよ。さっそくやろうか、グラン」

こうして、魔石の研究に一区切りついた俺はグランと一緒に新しく作られた炎高炉のもとへと向かっていった。

そして、新たな武器を作ることになったのだった。