軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

Sense297

「色々作って結局売れずか。はぁ、まぁ少し小瓶も手に入ったからいいか」

マギさんとの試作品の中で白と黒のポーション瓶もを貰い受けて、詰めたポーションとの関係を探っている。

その中で現在は、状態異常薬のマスクデータ検証だ。

「まずは、【毒5】の状態異常薬を黒のポーション瓶に詰め、っと」

状態異常薬は、畑に新たに投入した肥料により一部の素材が上質化するようになった。それにより上質な毒草や上質な痺れ草、上質な錯乱草などの素材が畑から回収できるようになった。

上質な毒草から【毒3】のポーションができ、それをアルコールによる成分抽出で【毒4】に引き上げる。更に、【錬金】センスの上位変換でもう一段階無理矢理に引き上げることで完成した【毒5】の毒薬。

その希少な毒薬を二段階強化の黒のポーション瓶に詰めたが、表示される情報には変化はない。

「さて、これでどんな風に処理されるかだ」

俺が用意したのは、一本の鉄の矢と【合成】センスのための合成陣の書かれたシート。

指定の位置に鉄の矢と毒薬入りの黒のポーション瓶を置き、《合成》スキルを発動する。

状態異常薬と消耗品の合成。一定以上の毒の強さが必要であり、合成する時、毒性が二段階引かれるはずだ。

表示上では、【毒3】の矢が出来上がるはずだ。

結果は――

「内部的には、やっぱり二段階上昇の効果は受けてるんだな」

できたのは、【毒5】の鉄の矢。そして、合成シートの上では本来消滅するはずのポーション瓶が中身だけなくなった状態で残っている。

「やっぱり、使い回し可能なアイテムか。何種類か揃えておく必要がありそうだな」

掲げるように見た黒のポーション瓶を一度インベントリに収めてからノートにメモを残し最近の生産状況を振り返る。

食品やアイテムの熟成期間と熟成による回復量向上。

肥料による素材の質向上。

複合状態回復薬と複合状態異常薬、またポーション瓶における回復力の向上。

これらが一気に広がりできることは増えた。またこれらが何かしらで繋がっている面がある……のだが。

「ちょっとレベルが低くて、イベントでの戦闘面に不安があるな。それよりも他の低レベルセンスも目立つ」

所持SP6

【魔弓Lv14】【魔道Lv26】【空の目Lv24】【付加術Lv50】【物理攻撃上昇Lv8】【俊足Lv34】【調薬師Lv18】【合成術Lv3】【彫金Lv30】【錬金術Lv2】【生産者の心得Lv17】

控え

【弓Lv53】【長弓Lv40】【看破Lv37】【調教Lv35】【大地属性才能Lv10】【言語学Lv24】【料理人Lv16】【泳ぎLv18】【登山Lv21】【呪い耐性Lv30】【魅了耐性Lv16】【混乱耐性Lv13】【怒り耐性Lv12】【身体耐性Lv1】【念動Lv4】

センス拡張クエスト後にレベルアップしたセンスを成長させたことや新規に二つのセンスを取得したことで幾つもの低レベルセンスを抱えることになった。

まず、【錬金】と【合成】センスの上位である【錬金術】と【合成術】に変化した。

【錬金術】は、アイテムの変換と錬金MOBの作成。という既存の機能に加えて作成した錬金MOBのカスタマイズが可能になった。が、俺は錬金MOBを所持していないために単純にレベル低下によるアイテムの変換成功率が大幅に下がった。

もう一つ【合成術】は、アイテム同士の複数種類の合成、合成による合成MOBの作成。という既存の機能以外に新規スキルとして、《インスタント・フュージョン》は、生産用の合成シート無しで二種類までのアイテムを合成できる。ただし、成功率は、通常よりも低く正しく、成長によるレベル低下による成功率の低下と相まって即戦闘では使えない。

「まぁ、この二種類は、細々とアイテムを変化させてレベル上げすればいいか。後は、【物理攻撃上昇】とか、戦闘系はやっぱり戦いを介さないと上がらないよな」

イベントに向けての準備は進んでいるが、サポート面、回復面の準備だけが進み戦闘面では全く進んでいない。いや、生産職なのだから戦わなくてもいいが、万が一に備えてだ。

「あー! マジックジェム用の宝石も欲しいし! レベルも上げたい! この前の盗賊退治も複数人数を効率よく倒す方法と罠チェックがメインになったからもっと力が欲しいって、うわぁっ!?」

久しぶりに【アトリエール】の工房部で声を上げた直後、フレンド通信のアラーム音が響き、不意打ちで座っていた椅子から転がり落ちそうになる。

「あっ!? はい! ユンです」

『ユン。相談があるんだが……なんか慌ててないか?』

「うっ……ちょっとバランス崩した」

タクからのフレンド通信に俺は、少し待って貰いその間に深呼吸して落ち着く。

「もう大丈夫。それで何の話だ」

『強くなり過ぎた』

「あー、用がないなら切るな」

『待て待て! 話を最後まで聞け!』

慌てて話を最後まで聞かせようとするタク。俺としては、センスの成長や新規センスの取得によるレベル低下の影響で少し弱くなっているのに、自慢か! と言いたくなる。

「全く、要件はなんだ?」

『俺やガンツでパーティーを受けるのに、丁度良いクエストがないんだ。それに攻城戦イベントだからNPC相手の対人クエストも敵のレベルが低くて手応えがなくてな』

「それなら知り合いとパーティー毎のPVPとかすればいいだろ」

『そういう集団戦向けのギルドは、順番待ちの状態なんだよ』

ファンタジー系の統一装備の騎士団ギルドである【ファンタズム・ナイト】や現代ミリタリーとファンタジーの融合ギルド【幻想自衛隊】、OSO最大のギルドこと、ミカヅチとセイ姉ぇの【ヤオヨロズ】などなど。36対36の大規模戦闘訓練を行いたいが、36人6パーティーが一度に揃うタイミング、またヤオヨロズ以外は、錬度は高いが中堅どころ戦闘メンバーが揃うタイミングが少ない。

『等々の諸事情があって、俺たちの順番は回って来る可能性も低い。だからと言って弱いNPCに対して無双してもあんまり意味はないからな』

一撃で倒せるNPC相手で対人戦の訓練なんて意味がない。と言い切るタク。

「それで、俺に何をやらせたいんだ?」

『ユンには、最弱の武器の最終調整を頼みたいんだ。それと前に誘った通り、一緒にクエスト受けようぜ』

「了解。クエストの詳細を教えてくれ」

『あれ? 今回はやけに素直だな』

そんなんじゃない。と答える。ただ、今回のはレベル低下の俺に対して、レベル上げにはちょうどいい内容だった。ただそれだけだ。

「それじゃあ、【アトリエール】で待っている」

『分かった。それじゃあ、また後でな』

どうやらタクは、変な縛りプレイをするらしい、と思いながらもタクが店に来るのをカウンターで待つのだった。