軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

Sense14

タクたちと一緒に狩りの楽しさを覚えた俺は、そのまま、他のパーティーとも……なんてことは全くない。

悲しいことに、俺はだれかを誘うほどの度胸はない様だ。

タクやミュウ曰く、「人との繋がりの初めは先ず打算から」だそうだ。お兄ちゃん、そんなことをいう妹を持って驚きだよ。

だから明日の仕入れも兼ねて西の森を黄色の残光残して、アイテム採取。他のプレイヤーたちの状況は、前線のプレイヤーたちは、ポーション不足で足止め状態。で何とかしようとする動きがあるらしい。

具体的な対策としては、二人一組で調合と合成のセンスを習得して、ポーションを作るとのことらしい。

俺は金欠だし、鷹の目のレベル上げや矢の素材が欲しいので森に来ているが、薬草だけなら市場に溢れている。このゲームは、NPCからの無限供給がない。だがNPCに売ったプレイヤーのアイテムがNPCの在庫になったりと。まあ、ファンタジーなのに現実重視。いや、俺はポーション売り抜いてしまうから良いけど。

採取して、矢で敵を屠って、と繰り返している。あー、矢の耐久が大分減ってるな。また石の矢+10を一セット作らないと。

そう、ぼやきながら、何時もの非戦闘エリアへ。常に焚火の明かりに仄かに照らされた場所に戻れば安心する。

「帰ってきた。ふぅ……」

「えっ……」

焚火の所で寛いでいた少女。俺より小柄で、隣の平原の草食獣に毛繕いして安心しきった顔が驚愕に染まる。だが俺の目に留まったのは、その耳だ。とんがり耳。いわゆるエルフ耳だ。

薄緑色の髪、とんがり耳、このゲームって種族とかなかったよな。と思う。

「エルフ耳……」

「えっ、はい。エルフ耳ですね」

「どうして?」

「ああ、キャラエディットで耳を弄ったんです。エルフみたいな外見にしたかったから」

へー。俺はカメラ撮影のデフォルトのまま、身体修正受けたんだよな。女性的に。

「そんなこと出来るんだ」

「えっと、あなたは?」

「うん? 俺は採取の帰り」

「夜ですよね」

「夜だな」

夜暗いよね。MOBがわらわら湧いてくるもんね。俺、遠距離で暗視持ちだからカモだけど。

「ここのMOB狩りって大変だって言うじゃないですか! 暗くて、コウモリなんかは毒持っていて奇襲してくるから。解毒ポーションが必要だって! それを一人で弓使いがなんて無理です」

あー、無理とか決め付けられた。人間先入観って怖いな。っていうか。コウモリって毒攻撃持ちだったんだ。なるほど、だから毒血手に入ったんだ。俺用の解毒ポーション準備しよう。

「そう言われても、普通に、遠距離攻撃だぞ。弓で」

「そこが問題なんですよ! 弓って初期の範囲も成長させても範囲あんまり伸びないしで、せいぜい25メートルほどです。アーツ使って35メートルです」

うわー、そんな射程にまで現実持ってくるなよ。弓でヘッドショットとか期待できないだろ。あっ、でもエンチャントで20メートルほどだから、プレイヤー自身の攻撃力上げれば、射程も伸びるな。目指せ十倍の300メートル射撃。

「まあ、良いだろ。それでえっと……」

「なんですか?」

「その草食獣ってMOBだろ? どうしてここに」

「これは私の従魔です。調教センスで従えた獣で名前はハルです」

「えっ、調教って死にセンスの?」

俺も持ってるけど。まさか、超低確率を成功させた 兵(つわもの) 。ラッキーガールなのか。

「はい、確かに調教単体だと死にセンスですけど、笛とか、鞭なんてセンスを持っていると獣系のMOBは従え易いんです。っていうか。そもそも調教単体ではほぼ従えられませんよ」

そうですか。ミュウもそういうところ説明不足だぞ。まあ、今は調教センス育てる暇なさそうだし。

「では、自己紹介です。私はレティーア。一応森の民エルフをイメージして作りました」

「俺は、ユンだ。見ての通り、弓使いだ」

「まあ、恰好から見て分かります。そして早く変える事をお勧めしますよ」

「妹にも言われた。まあ、おいおいだ」

上位のセンスにな。だって使えないセンスって言われているけど今日の狩りの感じだったら化けるかもしれないだろ? 俺の場合、錬金で矢の強度上げられるし。

「それより、レティーアもどうしてこんな所にいるんだよ。一人では無理だって言いながら一人だろ」

「私は一人じゃありません。ハルがいます」

「まあ、大体。従魔に出来て、調子づいて次の動物系MOBの野犬を探しに来たって所か?」

「うぐっ」

図星かよ。しかも、うぐっ、ってどんだけ面白い反応する子なんだよ。

「そういうあなただって狩りを切り上げてきたじゃないですか」

「まあ、そうだな。採取も大方終わったし、後は調合して寝るだけだ」

ただ、他人に錬金と合成とか見せたくないな。この子なんか先入観持ってて馬鹿にされそうだし。と思っていたら、ちょっと驚かれた。

「まさか、ポーション不足を解消しようとしている人ですか!?」

「いや、俺最初から生産職だから」

と言うよりサポート職。なんじゃそりゃ。

「ここで会ったのも何かの縁。と言う事で、お願いがあります。解毒ポーションを作ってください」

「お前が自分で取得すれば良いんじゃないのか?」

「それは……お恥ずかしことですが、SPがありません。この暗い森を攻略するために、光属性や魔法才能を得ましたので」

あー。なるほどね。思い付きだったんだ。

「NPCの店から買えばいいだろ」

「買いましたが、全部使ってしまいました。私は、私とハル。二人分の解毒をしなくてはいけませんし、NPC在庫も心もとない。作ってください!」

「素材がそっち持ちなら了解。この森のコウモリから取れる毒血と薬草で作れるから」

何故か知らないが、ひどく驚かれた。知ってるよ。正規の調合方法じゃないんだろ?

本当に出来るのかという訝しげな表情のレティーアから送られたアイテムは、毒血×10と薬草×20がある。いや、この数だったら、合成経由だって十個しかできないな。

「これじゃあ、十個しかできないけど良いか?」

「はい。あと、非常用と言う事で了解しました」

「ほいほい、じゃあ、作るぞ」

キットを取り出し、薬草×20を初心者ポーション×20に調合。

「えっと、何でポーションを作るんですか? まさか私を騙した?」

「ここからだってまあ、面倒くさいから良いか」

目の前で合成キット出すのも面倒だし、どうせ≪レシピ≫のセンスを使ってもモーションが同じでそのセンスを持たない人には判別できないだろう。

「じゃ、≪レシピ≫――ポーション。そんでも一つ、≪レシピ≫――解毒ポーション」

初心者ポーション×20同士の合成からポーション×10、そして、毒血とポーションの合成という二段階を経て、解毒ポーションが完成した。

出来た解毒ポーションを渡す。

「ほら、ポーション出来たぞ」

「えっと、そのありがとうございます」

「おっ、レベル上がってる。順調だな」

俺は、センスステータスを確認しながら、一人頷いている。

「ありがとうございました。それでは私は失礼して、またパーティーなどを組んで挑戦したいと思います」

「ああ、まあ、あんま無茶するなよ」

「あなたは不思議な女性ですね。それでは」

草食獣のハルを引き連れるレティーア。って、俺は男だってこと訂正してないし。

まっ、良いかフレンド登録もしてないことだし。

ちゃっちゃとマギさん所に卸すポーションとか作ろう。もちろん、道中の草食獣を乱獲して胆石大量取得しましたよ。

後は、解毒草の種子と解痺草の種子も錬金で作って。こう考えると植物育成で畑もっと必要になるかもしれない。うわっ、また畑を購入しないといけないのかよ。

そう考えながら、調合、合成、錬金で自分の必要とするアイテムを作っていく。