軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

なんか無理無理無理無理無理なんですけど

結論として、『パッケージング』は宝箱にも有効なことが分かった。うまくいくかは不安だったけど、どうやらちゃんと機能したようだ。これがもしも自分のものじゃなかった場合、うまくいったかは微妙である。ただ、感覚として、思ったよりMPが持っていかれた感じはする。おそらくスキル説明でいうところの『梱包の難易度』によるところが大きいだろう。

「どこからツッコむべきかな。今、目の前で信じられないことがいくつか起きてるんだが。」

「パッケージングスキル!?商人系のですか!?それにコレって!?嘘でしょ!?」

「理屈はわかるけどー、普通のパッケージングじゃ無理かなー?」

「っていうか、おいコレ!!中身ィ!?俺でも分かるぞ!?」

「SSR確定どころかー。URねー。黒川さーん。アイテム識別IIIって持ってるー?」

「持ってないです。っていうかコレなんですか?」

金色でピカピカしているが、大きさは所詮飴玉程度だ。それにしてはやけに硬質な音を立てて、床に落ちたけれども。私はそれを拾い上げて、手のひらの上で転がしてみる。…やはりなんの変哲もない、ただの玉のように見える。「商店街の福引から出てきたヤツ」と言っても、誰もが信じるだろうごとく、ただの玉にしか見えない。これがURなの?

「これはねー。…あー、その前に、黒川さんは、アイテムのレアリティってわかるー?」

「それなら仮免許試験の出題範囲の対象でしたので、覚えています。テキスト通りならば、コモン・アンコモン・レア・エピックの順番でしたよね?現実として手に入る範疇であればですけど。」

「そのとーりー。じゃぁその上は?」

「レジェンダリー・ミシックです。」

「そのとーりー。で、これ、レジェンダリーねー。」

「…えっ?」

今なんかあまりにもあまりにもな情報がサラッと出たせいで、私の脳が理解することを拒絶した。それはそうだろう。手のひらの上で転がしている、なんの変哲もない玉を 指(さ) して、信じられないことを言われれば、誰でも脳がバグる。実際今バグってる。

「…冗談です?」

「シリアスー。」

「俺初めて見た!!」

「当たり前です。レジェンダリーの発見報告なんて数えるしかありませんよ?」

「その通りだ、そもそもエピックの時点で、報告例が少ない。まぁ、報告してないやつも多いんだろうが、それを加味したうえでもレジェンダリーの出現は完全に想定外だ。」

「というか、佐藤さん。金箱からレジェンダリーって出るんですか!?」

「前例は当然ないぞ?」

「えっ?」

「えっ???」

「…今の私は、探索者協会臨時職員でもあるから、可能ならそれを持ち帰ってもらいたいが…まぁ使うだろうな。」

「…当たり前よ佐藤。これは黒川さんが使うべきだわ。この後の事も考えるとね。」

「…そうだな。霧島。」

「えっ!?」

「黒川さん壊れてねぇ?」

「無理もないですよ。私も当事者だったら、たぶんこの反応しますから。」

「…黒川さん。とりあえず説明続けていい?」

「あ、はい、オネガイシマス。」

霧島さん さ(・) え(・) 普通の口調になるって、やばいんじゃない?

「それは『スキルの宝玉』っていう希少アイテム。使うとスキルが手に入ってー、レアリティによって、見た目が 石(コモン) 、 水晶(アンコモン) 、赤い 宝石(レア) 、 銀色(エピック) と変化する。」

「ハイ。」

「入手できるスキルも、レアリティによって変わる。例えばコモン程度なら、『掃除I』とかザラ。アンコモンやレアになると、『水魔法I』や、さっきも言った『解錠II』等の、かなり使えるスキルが手に入る事が多いわ。」

「ハイ。」

「ただ、レジェンダリーの『スキルの宝玉』の使用例は報告がないわ。どんなスキルが手に入るのかはまったく分からない。鑑定技能でも『使用時にランダムにスキルが手に入る』ことしか判明してないから。」

「ハイ。」

「これは、宝箱も同じなんだけど、中身を事前に見ることは不可能なのよ。鑑定でも分からない。おそらくは、『開封・使用した人物の「LUK」が影響するのではないか?』と考えられているけど、実際のところは検証されたことが無いわ。」

「ハイ。」

「これだけのレアリティのスキルの宝玉、たぶん全探索者…いや、魔法使いにとっても垂涎の一品ね。トップランカーたちがこのことを知ったら、是が非でも手に入れたいでしょうねぇ…。」

「オークションに出したら、いくら値段がつくのか予想できんな。」

ひぇ。

「というわけで、黒川さん、ひと思いに使って。」

「使えませんよ!!!!無理無理無理無理無理!!!そんな高額なもの!!!助けて!!!」

無理無理無理無理無理無理!!!!