軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

【R15】温泉の湯船はスクエアの形をしているか???

「…。」

「…。」

室内の湯船に、利香ちゃんと二人で取り残されている。クーちゃんや京ちゃん達は、皆で露天風呂の方に移動した。露天風呂とは距離があるし扉でも隔てられているが、皆が騒いでいる声が筒抜けだ。

『きゃっぁ!変態ですの!』

『あらあら、やっぱり、りえちと似てるわね。』

「そりゃぁ!クーちゃんを離せー!」

『あらっ?いいわよ、好きなだけ揉んでも。雨宮さん。』

「あ、すごい。カナカナも揉む?」

「私は遠慮しておくよ…。」

「…さーちゃんはやっぱり、気になる?」

「…そういう、うーちゃんは?」

「あ、霧島さん。このあとお時間ってございますか?」

「私とー、理恵ちゃんでー。西部支部の仕事があるー。のでー。ごめんーねー。成宮さんー。」

「そうですか、またお時間ある時を教えていただけると。」

「いいよー。それで大丈夫ならー。」

「海、明日ついでに雨岩のダンジョンにでもいかない?」

「雫、それよりも、一度海の貴婦人で、タコ刈りしない?」

「あー、そっちもいいね。」

まぁ、案の定、比良坂さんが皆のを揉んで回っているのか。クーちゃんが餌食になっていて、京ちゃんと奏でわちゃわちゃしている…まぁ、これは声がなくても、なんとなくそうなるだろうなってはおもった。成宮さんは、霧島さんに用事があるみたいだけど、このあと西部支部の仕事が…まって、私も?聞いてないんだけど。

「…。」

「…。」

一方で、室内のこちらは会話が進展しない。利香ちゃんと同じ浴槽に、二人ではいっている。利香ちゃんが私に用事があるのは間違いないけど、ものすごく気まずい。ただ、先の二人と違って適度な距離感を保ってくれているので、その点は落ち着く。私自身は静かにお風呂に入るのが好きなのだ、こういう状況でもなければ、まったりとお湯を楽しめるところではある。

「…あの。」

大分長い事、静かに浴槽に浸かっていた利香ちゃんだけど、ついに、利香ちゃんが口を開く。

「最初にあった時…その…、いきなり酷い事を言っちゃったの…、ずっと謝りたくて。あの時はあやふやになっちゃったけど、ちゃんと謝れてなかったし、ずっと謝らなきゃって思ってて。」

「確かに、そんな事言われたなぁ、『そんなんだから、クラスメイトの名前も分からないんじゃないです?』って。」

「…ごめんなさい。」

利香ちゃん、ずっとあの時の事を気にしていたのか。

「いいよ、気にしてない。実際あの時の私は、同じクラスでありながら、奏以外、誰の名前も覚えてなかったし。友達を作るとか、そういう事も全然考えてなかったから、『サボってる』とか思われても仕方がなかったよ。」

「…ありがとうざいます。」

「それに、最初に赤池さんと緑谷さんに絡まれた時も、皆と一緒に守ってくれたじゃない。先刻も、比良坂さんに襲われた?時も、守ろうとしてくれたし。こちらこそ、いつもありがとう。」

それにメールもチャットも、いつもやってるし、一緒にカラオケだって行ったし、私達はもう友達でしょ。確かに最初は睨まれたりしたけど、今はもう気にしてない。

「…あれ、他にも理由があるんです。りえち…いや、黒川さんは、なんとなく私と一緒だから。」

「…どういうこと?」

「あんなことを言った私だけど、私もあんまり、人付き合いが良い方ではない…んですよ。いつも京ちゃん…京子に振り回されてようやく、人と話せるので。私と京子の関係は、黒川さんと二宮さんの関係と似ているなって。現に、今もこうして、黒川さんに謝るだけなのに、ずっと切り出す事ができなかったし…。」

うん、それは私もそれは薄々感じていた。友達が多い、京ちゃんと奏が、たまに羨ましくなる事もある。でも、自分はあの二人みたいに、積極的に知らない人と仲良くなることはできない。チャットやメールもあの二人は頻繁に送ってくるけど、青山さんは控えめだ。

「…それに。」

「それに?」

「なんていうか、こんな事言うの、おかしいと思うんだけど、比良坂さんや成宮さんが、黒川さんと仲良くなりたいって言ったときに、『私のほうが先に知り合ったのに。』ってムカムカしたんです。」

「…そうなんだ。」

「私は…黒川さんと仲良くなりたい。」

そうか、私も自分の事ばっかり考えてたけど、青山さんも私と仲良くなりたかったんだ。

「あらためて、よろしくね利香ちゃん。」

「よろしくおねがいします。理恵ちゃん。」

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「あ、二人とも来た!」

「遅いぞー!りえち!利香ちゃん!」

「「りえち/利香ちゃん、こっちこっち。」」

『ふたりともー!遅いですのー!』

京ちゃんに奏に、さーちゃんにうーちゃんは、もうクーちゃんと仲良くなったみたいだね。私達も皆が入っているところに合流する。

「ごめんごめん、クーちゃんはもう皆と仲良くなれた?」

『えぇ!とっても!えへへ!』

転校生の比良坂さんと成宮さんも、割ともう皆と馴染んでいる。意外と 揉(・) む(・) 揉(・) む(・) 事でも仲良くなれるものなのかな…?いや、そんな訳ないか。