軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

なんか皆で温泉なんですけど

「クーちゃん気をつけてね、足元。危険だから。」

『はーい!ですわ!』

「クロも一緒だとよかったんだけど、流石に断られちゃったね。」

『なんでクロは駄目なんですの?』

「一応、ホテルの人にも黒猫ってことになってるからね。本当は客室もペットは駄目なんだよ。テイムしたモンスターも駄目だって。」

『ってことは、本当は私も駄目なのですかね?』

「まぁ、いいんじゃない?」

雨岩温泉ホテルには、その名前の通り大浴場に温泉がある。本来ならば温泉に入ってのんびりしている場合じゃないんだけど、正直他にやる事が無い。ホテルの周囲は西部支部の探索者の人が臨時で見張ってるし、ダンジョン警察の人も出入りしてるので、ホテル内は比較的安全だ。なので、まぁ、ぼーっと部屋ですごしてたわけだけど、こうして温泉に入りにきた訳だ。

観光シーズンでもないし、昼間なので、人もそんなに多くない。というか、何なら脱衣所には人の気配がない。もしかすると、温泉の方にも誰もいないかもしれない。…うん、案の定人影がない。ゆったりと温泉に浸かっていられそうだ。

******************************

クーちゃんに温泉に入るにあたって、いろいろと注意を説明する。そういえば、深海育ちだからクーちゃんには、温泉とかお風呂っていう概念がなかった。存在自体は知ってるみたいたけど、そうだね。深海では入りようが無いね。

ちゃんとかけ湯をすることや、お風呂に入る前にシャワーを流すこと、体を洗うことを説明する。深海ではそんな事しなくても、海に入ってるだけで問題無いみたいだ。そもそも深海には真水がなかったか…いや、水魔法でいいのかな?うーん。ちょっとよくわからないや。

なにはともかく、久々の温泉である。しかも露天風呂まであるよ。前はやっぱり無かったよね?あ、案内にちゃんと新しくできたって書いてあるや。ゆったりと湯船に浸かると、そこから、青い海と、青い空、そして、海の向こうにある半島が見える。こういうのを大パノラマっていうんだよね。素晴らしい景色を、クーちゃんと一緒に堪能する。

…にしても、クーちゃん、人型の時だけど、やっぱ私に似てるないろいろと。

そんなことを考えていたら、扉を開閉する音が後ろから聞こえてくる、誰かが入りに来たみたいだ。横になりながら湯船につかっていたので、顔をこう上にあげると、…でっかいのが見える。

「理恵ちゃーんー。またなにしたのー。ねー。」

…霧島さんだ。あ、隣に岬さんもいる。あれ?岬さん仕事があるって言って、出ていかなかったっけ?

*****************************

「今日の仕事は、お兄さんとの打ち合わせいれたから、こっちで会議をね?」

「そうですか。」

露天風呂に、霧島さん、岬さん、私、クーちゃんの四人ではいって談笑している。岬さんはたぶんこれ、仕事さぼって入りに来てるけど、まぁうん。岬さんならいいだろう。いつもいくつも仕事抱えてる人だし、たまにはサボっても。

「まぁ、こういう機会じゃないとゆっくり温泉もはいれないし。」

認めちゃったよ。いいのかそれで。

『気持ちいいですの~…。』

クーちゃんは、温かいお湯につかってとけている。いままでこういう機会なかったっぽいし、かなりリラックスしている。

「そういえば、霧島さんは何をしに?」

「依頼を受けて、中川を連れて来たのとー。あと金田と加藤もー、湯治名目で連行してきたー。それから堺もー。あいつ落ち込みすぎー。気分転換しろー。」

「あぁ、なるほど。」

つまり、私をだしにして皆で温泉に入りに来たと。

「本当はー、一泊しないとここの温泉はいれないからー。宿泊者しか使えないんだよねー。温泉ー。そもそもこのホテルがー、宿泊オンリー。」

「あ、そういうことなんですね。」

「というわけで、私の部屋ー。隣だからよろしくねー。」

ちゃっかりしてるなぁ。

「あと、宿泊費ー。西部支部でだしといてねー。」

「私は仕事ですし、中川さんはこちらからの指名依頼だから西部支部持ちです。加藤さんと金田さんの湯治も認めましょう。堺さんのメンタルケアもまぁ厳しいですが、名目は立ちますので全額は無理でも補助はだせます。ですが、霧島さんは自腹ですよ?」

「確かに岬さんからー。私達に護衛依頼はでてないけどー、私達二人はー、風見さんの依頼ー。だから大丈夫ー。」

「…依頼内容は?」

「岬さんがサボってないかー。報告ー。温泉から出たらー。報告しちゃおっかなー。」

「…これは、独り言なんですけど、夜にお部屋で日本酒の飲み比べをしようと思ってるんですけど、一人で飲むには量が多いんですよね。」

「あー、報告はー、明日にしよっかなー。そしてお酒飲んだら忘れちゃいそうだなー。」

それでいいのか。西部支部。

「あ、霧島さん。他の皆は?佐藤さんと鈴木さんに、藤井さんと西園寺さんの名前が出てないですけど?」

「あー、理恵ちゃんー。その4人はーお留守番ー。というかー仕事ー。内容は秘密ー。そうじゃなきゃ連れてきたー。失敗したけどあんだけしんどい任務の後だしー。みんなで休もうー。」

…まぁ、たまにはこういうのもいいか。