軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

なんかまたいろいろと通販したんですけど

お兄ちゃんにクロの正体がバレた。というか、初めから知ってたっぽい。クロの出自のあれこれは後日岬さんや、結城さんと、カバーストーリーを考えなければならない。ただ、クロがモンスターだと知ってるのは家族と、西部支部の関係者だけなので、他の人にクロが神話生物であることがバレているとはまだ思えないの。逆に言えばお兄ちゃんは、クロがモンスターだということを知れる立場にいたからこそ、そこまで結びついたのだと言えるだろう。

「で、だ。まぁクロが神話生物であることは、言いふらすことはないが、手伝ってほしいことはあるんだ。交換条件というやつだな。あとこれはクーちゃんにもお願いしたい。だからこそ、話を持ちかけたっていうのがあるんだが。」

「あー、つまり私じゃなくて、クロとクーちゃんに用があるってこと?」

「そういうことだ。」

『なるほど。』

『私ですのー?』

あー、なんとなく察しはついた。だが、ちょっとまずいな。

「ニャゴスなら喋れるはずなので、対話がしたいんだが駄目か?」

『理恵?話した方がいい?』

クロが念話で私に確認をとってくる。うん。とりあえずクロは、対外的にはただの黒猫ということで押し通したい。となると、クロがダイレクトに喋ってる所を見られるのはまずい。私経由で会話する?いや、それもまずいかな。

「(…お母さんに聞かれるとまずいから、できれば念話がいいけどどうしよう?ただ、対外的にはクロのことをただの黒猫で通したいんだよね。なんかうまい方法はないかな?)」

『なるほど。念話でも問題ありませんが、なにかやり方を考えたほうがいいかと思います。』

クロの返答を念話で聞いた私は、小声でお兄ちゃんに耳打ちする。

「お兄ちゃん。クロが喋ってるところが、万が一漏れるとまずいんだ。念話でやりとりもできるけど、直接話をするのはやめてほしい。対外的には黒猫で通したいんだ。」

「なるほど。じゃぁどうするかな。」

「とりあえず、防音は必要かなー。念話で完結できればいいんだけど、毎回そういう訳にもいかないだろうし。あとは、一応お母さんがいない時だね。」

「わかった。なら、今日はやめておこう。」

「ありがとう。」

うん。クロが喋れることが、バレることは避けたい。お兄ちゃんにはバレてもいいけど、お母さんにバレるわけにはいかないしな。とりあえず防音は最低限必須かな。…うーん。あ、そうだ。西部支部の会議室ならどうだろう?

「あ、そうだ。探索者協会ならいいんじゃない?」

「そうだ、それでいこう。」

「じゃぁ今度の日曜日とかかな?お兄ちゃんは予定空いてる?」

「大丈夫だ。では次の日曜日で。」

*****************************

クーちゃんは、お兄ちゃんの漫画を読むために、お兄ちゃんの部屋に残り、クロは蜂蜜プリンを食べるためにリビングへ。このあとどうせ晩ごはんだし、リビングにもどるが、その前に私一度自室にもどってきた。

もどってきた自室の机の上には、昨日寝る前に通販で注文しておいた商品の箱が複数つみあげられている。その隣には、岬さんにもらったマジックバッグがある。

ちなみに、通販禁止令はもう既に解けている。というよりは、種々のカモフラージュに必要なものを、通販で取り寄せする事を事前にお母さんに了承してもらったのと、ダンジョン探索でそれなりにまとまったお金が手にはいったので、私からもお母さんにいくつか お土産(賄賂) を渡すことで、通販を利用することを納得してもらったのだ。

そして今回、通販で買ったものは、いろいろあるが、まずはこのウエストパックだ。FPで風見さんが使ってたポーチみたいに、腰に付けられるカバンだ。これは普段使い用だが、この中にマジックバッグを入れる。マジックバッグはパッと見はただのカバンだけど、小さく折りたためば、このウエストパックになんとか入れることができる。

ポーチの中にマジックバッグを詰め込んだら、ウエストパックの蓋を外からは見えないように、ワイヤーで縫い合わせる。続けて付属のベルトを取り外して、チェーン入りで切断が難しいものに取り替える。ぱっとみはただのベルトにしか見えない。そのままだと取り外しができるので、やはりチェーンもワイヤーでしっかりとハズれないように固定する。各種の金具も強力なものへと交換する。…取り付けたベルトを軽く引っ張ってみるが、違和感は無い。

ウエストパックを装着して、パッケージングスキルを使う。対象は目の前の空き箱、梱包先は、ウエストパックの中のマジックバッグ。ノータイムで、目の前の空き箱が消える。そのまま続けて、ウエストパックの中のマジックバッグを指定して、パッケージングスキルを使う。開封先は机の上。次の瞬間、机の上に空き箱が現れる。成功だ。

その後もいろいろと試していたら、リビングからお母さんが私を呼ぶ声が聞こえてきた。うん、ちょっと集中しすぎたけど、もう、晩ごはんの時間だ。行かなければ。