作品タイトル不明
キャロラインの告白④
ソーレに計画が露見したのは、キャロラインがサーベルト大公のもとに足しげく通っていたことを怪しく思われていたらしい。
「つまり、ソーレは私のせいだって言うのよ」
これまで個人名を出していなかったのに、うっかり口にしてしまったようだ。
キャロラインはそれに気付いていない。
聞かなかったことにしよう。
「伯父は私に責任を取るように言ったわ」
それは何があっても計画を成功させること。
もしも失敗したら――命はない。
そう言ったという。
「絶対に、計画を成功させなければ。そんな思いと共に、この国へやってきたの」
キャロラインはアルテミス、ソーレと共に国を渡った。
「そこからは地獄の日々だったわ」
ソーレは侍女に扮する暮らしに不満を爆発させていた。
さらに暇を持て余したソーレは、これまでキャロラインが行おうとしていた、国王陛下と関係を持って子を成すという計画を自分がする、と訴えるようになっていたらしい。
「彼女を大人しくさせるのも、一苦労だったわ……」
キャロラインはうんざりした様子で当時のことを振り返る。
「彼女を説得し続けて、疲れ果てていたの」
気に食わないことがあれば、すぐに計画を暴露するなんて言いだしていたようだ。
「心身共に疲れ果てて……この国の男性と関係を持ってしまったわ」
ルドルフの父――それはヴィルの父親であるリンデンブルグ大公のことだろう。
「彼も次男として生まれて、最大の名誉たる地位に収まることができない人だった。だから私の苦しみをわかってくれたの」
きっと本気ではなかった、心が悲鳴を上げて、拠り所を探していただけだったのだ。
キャロラインはそう語る。
「たった一度、夜を共にしただけなのに、私は妊娠してしまった……」
妊娠したことに対して、ソーレから何をしているのか、と責められたという。
逆にアルテミス妃は優しい言葉をかけ、祝福してくれたようだ。
「生まれた子は男の子だったの」
関係を持った相手はソレーユ国で高い地位にいる人物。
さらにアルテミス妃は妊娠の兆しなどない。
生まれた子を利用し、本来の計画を進めることができるのではないか。
そう思ってサーベルト大公に報告したようだが、計画していた地位のあるお方の子ではいと利用価値はない、と切って捨てるように言われてしまったという。
さらに子を産んでしまっては、条件のいい男性との結婚は難しくなるという宣告を受けてしまった。
「子と共に、この先も生きていかなければならないなんて……絶望したわ」
関係を持った相手は既婚者で、妻がいる。
助けを求められるわけがなかった。
キャロラインは望みや希望がまったくない中で、生きることとなる。