軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第091話 友人想い

ローレンスが去って、2週間が経った。

その間、俺とアンジェラはせっせと商品のストックを作っていったし、メアリーは出発の準備をしながら冒険者の仕事をしていた。

「エリック、準備の方は任せたけど、大丈夫?」

仕事をしていると、アンジェラが聞いてくる。

「ああ。こっちは問題ない。アンジェラは自分の荷物だけを持ってきてくれればいい」

「馬車は?」

「アーヴィンに頼んだら貸してくれるってさ」

本当はローレンスと3人で飲んだ時に頼もうと思っていたのだが、盛り上がってしまって忘れていた。

翌日にアーヴィンのところに頼みにいったら余ってるやつを貸してくれることになったのだ。

「じゃあ、問題なさそうね」

「メアリー達の方はどうだ?」

「ちゃんとヴィオラと相談しているみたいだし、大丈夫そうね。完全に旅行気分」

まあ、旅行だしな。

「仕事にしてやろうか?」

「どういうこと?」

「俺の護衛をアンジェラを含めた4人がやる感じ」

俺は冒険者じゃない魔道具屋の店長だからな。

「それ、いいわね。面白そうだから3人を評価してあげたら?」

アンジェラを評価する必要はないからな。

「よし、ちょっとギルドに行ってくるわ」

「私も行く」

俺達は作業を中断すると、店を出て、【外出中】の看板をかけた。

そして、2人で歩いてギルドに向かう。

「ローレンスさんは王都に行ったのよね? 会うの?」

「タイミングが会えばな。多分、いると思うが……」

「ローレンスさんも王都出身だっけ?」

アンジェラには色々と話している。

まあ、これがべらべらなんだろうな。

「そうだな」

「家族とかいないの?」

「あいつは戦争孤児だ。墓はあると思う」

俺の親はわからない。

「そっか」

「そんなに珍しいことじゃない。それに俺達は仲間がいた」

アーヴィンであり、ローレンスだ。

失った者も多いが、残っている者もいる。

「私もいるわよ」

あとメアリーね。

「そうだな。それが大事だ」

俺達は歩いていき、ギルドにやってくると、中に入った。

ギルドにはいつものように盛り上がっている悪ガキ共がいない。

「あれ? いないわね」

「まさか仕事か?」

「そのまさかですよー」

受付のヴィオラが答える。

「珍しいな。明日は雨かな?」

そう言いながら受付のヴィオラのもとに行く。

「皆、ちゃんと働いてますよ。たまーに休んでいるだけです」

ここに来ると、ほぼ誰かしらを見るけどな。

「まあ、良いことだな」

「それよりも御二人はどうされたんですか?」

ヴィオラが聞いてくる。

「仕事を頼みにきた」

「仕事? 来週には王都に行くんじゃないんですか? メアリーちゃん達がいつも盛り上がってますよ」

家でもそう。

楽しみなんだろうな。

「それに関係する仕事だな。護衛の指名依頼を出したいんだ」

「護衛? エリックさんにいります? ましてや、アンジェラさんもいますよね?」

「いるいる。俺、一般市民だし」

「一般市民は賊を倒さないと思いますよ」

ん?

「賊って何だ?」

「またまたー。謎の仮面男が領主様の屋敷に忍び込んだ賊を倒したと評判ですよ」

あー、ローレンスの件か。

噂になっているのか。

「知らん。俺はフルフェイス・マスクマンじゃない」

「へー、そうですか。どちらにせよ、エリックさんは強いですから護衛なんていらないでしょ」

「いるんだよ。そういうわけでメアリー達に指名依頼を出してくれ」

「え? 実績作りですか? あまり褒められた行為じゃないですけど」

んー?

「アンジェラ、実績作りって何だ?」

冒険者のことはわからないのでアンジェラに確認する。

「身内が身内に依頼を出して、不正に実績を作ること。これでランクが上がっても微妙でしょ」

あー、そういうことか。

「ヴィオラ、実績は付けなくてもいいぞ。旅行気分のあいつらにテストと勉強をさせてやるのが狙いだ」

「あ、そういうことですか。それは良いと思います。あの子達のためになります」

そうそう。

「そういうわけで指名依頼な。料金はあいつらの王都での宿代」

それぐらいは出してやろう。

「了解しました。じゃあ、3人が帰ってきたら伝えておきますね」

「頼む。あとさー、ローレンスっていただろ」

「エリックさんのご友人のローレンスさんですね。せっかくのBランク冒険者なのに王都に行っちゃいました」

ん?

「知ってるのか?」

「出る時に挨拶をされましたので」

あいつ、マジでその気になってない?

「そうか。まあ、また来ると思うからその時は頼むわ」

「もちろんですよ」

「時にヴィオラ、お前って彼氏がいるのか?」

探り、探り。

「ハァ? いませんけど?」

そんな怪訝な顔をするなよ。

「どういうのが好みだ?」

「彼女さんの横でそういうことを聞かない人ですね」

ほっとけ。

「年頃の娘を持つ父親に付き合ってくれ」

「メアリーちゃんならまだ大丈夫だと思うけどなぁ……子供みたいに伝説、伝説言ってるし」

外でも言ってるの?

いや、裏表がない子か。

「それでどういう男が好みだ?」

「うーん、頼もしい人が良いですね。ほら、私、小っちゃいんで」

ヴィオラは小柄で背もメアリーと同じくらいだ。

戦力差はあれだけど……

「頼もしい男ねぇ……」

うーん……ローレンスって頼もしいか?

ヘタレって言葉がぴったり来る奴だぞ。

でもまあ、強いは強い。

「なるほどな」

「あのー、私とメアリーちゃんと背は同じくらいですけど、性格が違いますよ?」

「おしゃべりなところはそっくりだ」

明るいところも。

「いや、そうですかね? というか、好みなんて人それぞれですよ」

そんなもんは当然、わかっている。

「参考だよ、参考」

「アンジェラさんに聞けば……あ、やっぱりいいです」

ヴィオラが首を横に振ったが、アンジェラはすでに指を差していた。

「変なことを聞いて悪かったな。指名依頼のことは頼む。あと、来週から空けるから何かあったらアーヴィンか神父さんを頼れってロジャーに言っておけ」

闇の三人衆。

「はーい」

「じゃあ、邪魔したな」

用件が済んだのでギルドを出た。