軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第037話 不穏?

アーヴィンが帰ってからも仕事をしていくと、夕方になり、メアリーが帰ってきた。

「ただいまー。英雄が帰還したぞよ」

「おかえり。すぐに飯にするから手を洗って着替えてこい」

「その前に報告があるんだけど、いい? アンジェラちゃんも」

ん?

報告?

「結婚はまだ早いぞ」

結婚が早い世界だが、それでもほとんどが20歳前後だ。

15歳もいないことはないが、こいつには早い。

あと結婚する前に男を紹介しろ。

「ちげーし。真面目なやつ」

結婚は真面目じゃないのか?

「どうしたんだ?」

「今日も浅いところでわちゃわちゃしてたんだけど、そろそろもうちょっと奥に行こうと思ってヴィオラちゃんに相談したんだよね」

まあ、良いんじゃないかな?

「何て?」

「ダメだってー」

ん?

「そうなのか? お前ら3人なら問題ないと思うが……」

「いやね、なんか奥の方で魔物が増えているらしいんだよ」

増える?

「魔物が? なんでまた?」

「さあ? なんかそういう報告があったからちょっと待てって言われた。なんでもオークが出たらしいよ」

オークねぇ……

二足歩行の豚のバケモノだ。

巨体だし、力も強いので一般人からしたら脅威なのだが、魔物としては下の上って感じでメアリー達なら十分に倒せるレベルだろう。

「オークが浅いところに出たのか?」

「うん。私達はいたところよりは奥だけどね。それでヴィオラちゃんがこのことをエリックとアンジェラちゃんにも伝えろってさ」

俺というよりフルフェイス・マスクマンか?

あ、いや、俺もアンジェラに付き合って森に行くからか。

「わかった。ヴィオラの言う通り、奥に行くのはちょっとやめとけ。それと異変があったらすぐに町に逃げるんだぞ」

「うん。明日も森には行くけど、そういう作戦会議をした」

良い作戦会議だ。

「それでいいだろ。アンジェラ、ちょっと見に行かないか?」

「明日?」

「ああ。ちょっと気になるから見に行くだけ。冒険者の仕事はせずにすぐに帰る感じだ」

「まあ、今日で仕事はほぼ片付いたし、明日はまだ材料が来ないだろうからいいけど……」

アンジェラはちょっと嫌そうだ。

フルフェイス・マスクマンじゃないから安心してほしい。

「何? エリックとアンジェラちゃんも明日、森に行くの? 気まずいなぁ……」

メアリーもちょっと嫌そうだ。

「なんでだよ」

「だって、森デートじゃん。それを見る私を見る気まずそうな顔なカトリーナとシャーリーを見る私の気持ちを想像してよ。変に気を遣わせるじゃん」

見る見るでよーわからんな。

「じゃあ、迂回して会わないようにしてやるよ」

「おねがーい。デリケートな思春期なんだよ」

思春期の奴は自分でそう言わないがな。

俺達は店を閉めることにし、アンジェラが夕食を作り、俺が店を片付け、戸締りをする。

そして、夕食を食べると、アンジェラを家に送り、この日を終えた。

翌日。

この日も朝からアンジェラが家に来ており、一緒に朝食を食べる。

「メアリー、今日は早めに帰れ」

「んー? まあ、そうするかな。明日は店の仕事もあるかもだし、休みにしよ」

手伝ってくれるらしい。

良い子だ。

ちょっとバカだけど、本当に良い子に成長したなぁ……

「ありがとうよ」

「よし! 今日も元気に行ってくるぞー! 伝説は常に私と共にあるんだ! ご馳走様ー!」

メアリーは朝食を食べ終えると、準備をするために部屋に行った。

俺とアンジェラも食べ終えると、洗い物をし、店の開店準備をする。

そして、メアリーが出ていき、5分後くらいにはいつでも開店できる状態になった。

「てんちょー、店を開ける前に行くー?」

アンジェラが聞いてくる。

「そうだな。この時間はまだ客が少ないし、今のうちに行っておこう」

10時くらいから増えだし、15時くらいから落ち着きだす。

「フルフェイス・マスクマン?」

「いや、メアリーには言ってあるし、普通に俺だ」

「じゃあ、いいか。ギルドには寄る?」

「寄らなくていいだろう。仕事じゃないし、ちょっと森を見るだけだ」

散歩、散歩。

「まあ、気分転換ってところかしら? じゃあ、行きましょうか」

アンジェラがちょっとご機嫌になったので店を出て、町を歩いていくと、東門までやってきた。

「おー、エリック。今日もアンジェラちゃんとお出かけかー?」

門番のウィニーがからかうように軽口を叩いてくる。

「うるせー。仕事しろ」

「仕事だよ。森は魔物が多いから気を付けろよ」

さすがに門番の耳には入っているか。

「実際、どんな感じだ?」

「ここから見ている限りでは変わらないな。ただ、軍部は協議中らしい」

「まだ動いていないのか?」

「その段階じゃないな。魔物が多いっていうのはたまにあることだし、本来なら騒ぐほどでもない」

少ない時もあれば多い時もある。

自然はそんなもんだ。

「でも、協議か?」

「オークが出たっていうのがな……」

やはりそれか。

俺もそこが気になったのだ。

オークはあまり人里の近くには出てこない。

「そうか。メアリーは通ったか?」

「今日はまだ見てないな。ギルドじゃないか?」

さすがにギルドに寄っていない俺達の方が早かったか。

「わかった。俺達は1時間もせずに戻ると思う」

「危なくなったら逃げてこいよー」

「わかってるよ」

俺達は門を抜けると、森に向かって歩いていった。