軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第013話 なんかすまん

3人が見えない位置まで進むと、街道に出る。

「さーて、久しぶりの戦闘だ」

アンジェラが杖を取り出した。

「最初から出しておけよ」

魔法使いは杖がなくても魔法を使えるが、杖があった方が魔法の展開も速く、魔力消費を軽減できる。

何よりも威力が上がるのだ。

「エリックが守ってくれるんじゃないの?」

そうだったな。

「フルフェイス・マスクマンだがな」

「そこは非常に不満」

今度、行くから……

「今度から一人で来るわ。アンジェラは店番を頼む」

「まだ覗く気なんだ……いや、私も行くわよ。フルフェイス・マスクマン一人はダメ。絶対にウィニーさんに止められるわよ」

まあ、怪しい人間を止めるのが門番の仕事だからな。

「それもそうだな」

「1時間くらいなら店を空けても良しとするわ。それよりも店長の武器って何? 店長がすごいのはわかってるけど、武器はナイフだけ?」

過去のことを知っているアンジェラでも俺の戦闘スタイルは指導している魔法とこの前のナイフしか知らない。

「俺に決まった得物はない。暗部はそこにあるものを武器にするんだ。石でも木の棒でもそれだけで敵兵を倒せる」

もちろん、素手でもだ。

「ほー……よくわかんないけど、すごいのはわかった。じゃあ、その辺に落ちている木の枝で戦う?」

「それではかっこよくないだろ。私はフルフェイス・マスクマンだぞ」

「店長、やっぱりそれがかっこいいって思ってたんだね……」

かっこいいと思うけどなー。

もちろん、女性に不評なことも分かっている。

「俺は剣も槍も斧も使えるし、弓だって得意だ。とはいえ、やはり花形は剣だろう」

「だろうね。一番オーソドックスだし、剣聖はいても斧聖はいないもん」

斧聖はさすがにな……

いたとしても人気はなさそうだ。

「まあ、そこはな。そういうわけで俺は剣にしたんだが、普通の剣では面白くないだろ?」

「それを若者が言ったら説教しそうな奴がなんか言ってるし」

するな……

仕事は遊びじゃないし、命は1つしかないんだって……

「俺は大丈夫なの! この森の魔物がすべて襲ってきても生き延びられるんだよ」

倒せるとは言わない。

多分、体力的に無理。

「冗談に聞こえないのがすごいね……それでどんな剣にしたの?」

「これだ」

じゃじゃーんっと20センチくらいの棒を取り出す。

「何これ? 棒じゃん」

「棒に見えるだろ? しかし、これは新製品なんだ」

「へー……どんなの?」

「剣はどうしても管理をしないといけないし、それでも硬いものを切ったら折れるという弱点がある」

それで戦えなくなるし、買い換えないといけない。

危ないし、結構な出費だ。

「弱点っていうか、武器はそういうもんでしょ」

「そうだな。しかし、これが違う。そういった欠点をなくしたのがこの……えーっと……」

名前を考えてなかったな。

「よくわかんないけど、見せてよ」

「そうだな。これは魔力を込めると、発動するんだ」

そう言って魔力を込めると、ブーンという音と共に青い光が出て、剣になった。

「何これ?」

「触るなよ。見ておけ」

細い木に向かって剣を軽く振ると、ブーンッという音と共に木が簡単に斬れ、倒れた。

「え? 何これ?」

「これは魔力の剣だ。魔力を抑えれば収まるし、また込めれば出てくる」

青い光が消えたり、出たりする。

「ほー……すごいわね、これ」

「だろ? これは護身用にも使えるんだ。護身用の武器で怖いのは相手に奪われた時にそのままそれが自分への脅威になることだが、これは魔力コントロールが上手くないと使えないから魔法使いしか装備できない」

戦士が持ってもただの棒なのだ。

「へー……貸して、貸して」

「いいけど、気を付けろよ。触れるだけで危ないからな」

そう言って、アンジェラにライト……剣を渡す。

すると、アンジェラが魔力を込め、ブーンッという音と共に青色の剣を出す。

「おー……出た。なんで青いの?」

「色違いを売り出そうと思って」

緑とか赤とか紫とか……

「このブーンっていう音は?」

「それはそういうもん」

うん。

そういうもん。

「ふーん……魔法使い向きってのは確かにあるわね。何よりも軽い」

柄の重さだけだからな。

1キロもない。

「魔法使いは非力な人間が多いし、ぴったりだろ」

アンジェラでも装備できるっていうのがコンセプト。

「そうね……これ、売り出すの?」

「売れるかなーっと」

便利だし、何よりもかっこいい。

「うーん……売れる? すごいとは思うけど、魔法使いしか使えない接近戦用の武器って需要がめちゃくちゃ狭くね?」

…………狭いな。

「ダメか?」

「これはこれで良いと思うけど、魔力を使うんでしょ? じゃあ、魔法使いは魔法を使うんじゃない? 剣術ができる魔法使いって本当に少ないと思うし」

アンジェラが剣を振りまわしている姿が想像できない。

なんかこけそうだ。

売れそうにないかも……

「費用的に考えると、販売価格は100万ミルドかなーっと」

「却下でーす。副店長の権限で却下でーす」

アンジェラ、副店長だったんだ。

「ダメか……良い武器なんだけどな」

「それはわかるけど、需要が狭すぎだって。趣味で使いなよ。それこそ、両方できる店長かメアリーぐらいしか使えないよ?」

アーヴィンも使えるぞ。

「アンジェラはいらんか?」

「これを使う場面は来ない。守ってくれるんじゃないの?」

そっか……まあ、そもそもそんなに外に出ないか。

俺達は魔道具屋だし。

「売るのはやめておくか」

「そうしてちょうだい」

アンジェラが剣を返してくる。

「まあ、これは自分で使う用にする。というわけで私の武器はこれだ」

「思い出したようにキャラを作るわね……それでゴブリンでも狩る?」

「そうする。2、3匹倒したら帰るからアンジェラは薬草でも探してくれ」

アンジェラの魔法を使うまでもないだろ。

「何? 二手に分かれるの? 守ってくれるんじゃないの?」

「どこにいようと転移で駆けつける。それがフルフェイス・マスクマンだ」

「エリックが良かったわ……」

今度、一緒に行くから……