軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第107話 夜 ★

いい時間だったので宿屋の近くまで戻り、魚介が美味しそうな飲み屋に入った。

そして、魚介や酒を頼み、アンジェラと食べる。

「やっぱり魚介が美味しいわね」

アンジェラがカルパッチョを食べながら頷く。

珍しくワインも頼んでおり、ちょっと頬が赤い。

赤いのは多分、酒のせいじゃないが。

「そうだな。この焼いた貝も美味いわ」

ワインに合う。

「あの子達も同じようにどこかで食べているのかしら?」

「多分、そうじゃないか?」

「同じように観光しているのにまったく会わなかったわね。さすがの広さと人の多さだわ」

これがミルオンの町だったら何回会うんだっていうくらいに遭遇しているだろうな。

「あいつらはがっつり大聖堂を見学しているだろうよ」

「カトリーナがいるもんね」

「だな。メアリーはあくびをしていると思う」

いや、シャーリーもか?

「南から来たし、北と東は行ったけど、西はどうなってるの?」

「宿屋や飲食店が多いな。さらに奥に行けば歓楽街だ」

「あー、なるほど。エリックがよく行ってた場所」

アンジェラが笑う。

冗談だと思うが……

「あまり笑えない話をすると、そうだな。その奥にスラムがあるんだよ」

「スラム……そういえば、あるのよね……町を巡っているとちょっと信じられないわ」

それだけ煌びやかなんだ。

「大きい町だとどうしてもそういうところはある。犯罪者が逃げ込んだり、住む場所がない人間とかが集まるんだ」

「そっかー……」

まあ、この話は今日するべきじゃないな。

「基本的に北が公共施設で東が商業街、西が歓楽街で南が住宅街って思っていい。もちろん、どこにも店はあるし、住宅はあるがな」

スピアリング商会も中央にあるし。

「私はやっぱり商業街が楽しかったわ。今日1日でも半分も回れてない」

それだけ広かったし、店も多かった。

「また行こうぜ。俺も楽しかったわ。それにメアリー達とも行ってこいよ。例のコーデとかジャラジャラアクセを買ってもらうんだろ?」

「それもそうね。時間もあるし、空いた時に行こうかしら? 明日はどうするの?」

明日か……

「ギルドに行こうと思っている。まだ王都にいればだが、ローレンスと連絡を取りたい」

「確かにそれがあったわね」

「アンジェラはどうする?」

「私も行こうかな……1人で外を出歩きたくないし、宿で待ってるのもどうかと思うし」

せっかく来ているわけだしな。

「じゃあ、一緒に行こう」

「ええ。乾杯」

俺達は乾杯をし、美味い魚介を食べていった。

そして、宿屋に戻り、階段を上がると、ちょうど部屋から出てきたメアリー達と目が合った。

「お? 今帰ったの?」

メアリー達がこちらに歩いてくる。

「ああ。お前らは出かけるのか?」

「うん。これから夕食」

時刻は19時過ぎ、ちょっと遅い。

多分、王都を回って疲れたから休んでいたんだろうな。

「気を付けろよ。あ、お前らは明日、どうするんだ?」

「ちょっと仕事をしようかと思っている。王都で冒険者の仕事をするんだ」

へー……

「まあ、ほどほどにな」

「体験してみるだけだからね。王都でやったっていうのが大事なの」

わからないでもない。

「頑張れよ」

「うん。じゃあ、ご飯に行ってくる」

「お腹空いた……」

「メアリーがはしゃぐから……」

3人が階段を下りていったので俺達は部屋に戻り、風呂に入る。

そして、ルームサービスのワインで乾杯し、2人で王都の夜を過ごしていった。

◆◇◆

私達はエリックのアドバイスに従い、通りに面した飲食店に入ると、魚介の料理を食べていく。

「美味い、美味い」

「王都って色んな料理があって目移りしちゃうね」

「ホントだよ。しかも、どれも美味しい」

カトリーナとシャーリーも美味しそうに食べている。

「だねー。ねえねえ、さっきの見た?」

「見た」

「絶対にそういうことをしないアンジェラさんが外で腕を組んでたね」

アンジェラちゃんは案外恥ずかしがり屋さんなので外だとあまりべたべたしない。

「アンジェラちゃんの指に知らない指輪が……」

「あったね……」

「こっちに見せつけてたね」

恥ずかしがり屋さんだけど、そういうことをする女だ。

「買ってもらったか……」

「ねえねえ、やっぱりあの2人って結婚するの? 謎の2人と評判だったけど」

「うん。どう見てもデキてるのに隠すし、なんで結婚しないんだろうってウチの親も言ってた」

皆、知ってるのにね。

アンジェラちゃん、わかりやすいし。

「帰ったらするっぽいよ。ちょうど家の改築も終わるしね」

アンジェラちゃんの部屋ができる。

「やっぱりかー。アンジェラさん、急に言葉遣いが変わるんだもん」

「あ、それね。私も思った。今までは『チョリース』とか『あーね』とか言ってたのに急に普通になった」

「大人な女だからギャル卒だってさ」

その割にはファッションは変わってないけど。

「大人な女……」

「アンジェラさんが言うと、あれだな……」

うん、エロいね。

「いつからなの?」

「あ、私も気になる」

「うーん……『あ、こいつら……』って思ったのは3年くらい前かなー? その時くらいから牽制ばかりしていたアンジェラちゃんが余裕の笑みを浮かべるようになった」

あと、ウチに泊まるようになった。

「あー、なんかあったかも?」

「あったな……あの人、そういうところがあるし」

昔からそう。

「まあ、良かったんじゃないかな?」

「うん。お父さんもほっとするんじゃないかな? よくあそこは何してるんだって愚痴ってたし」

「一番はアンジェラさんの両親だと思うけどな」

確かにね。

「アンジェラちゃんにお祝いのジャラジャラを買わないと」

「あれはいつまでなんだろう?」

「そこは変わらないんじゃない?」

ふふっ、アンジャラちゃん。

「あ、あとコーデがあった」

「コーデ……怖いなぁ……」

「あれはアンジェラさんだから似合うんだよな……」

エロいもんね。

私らでは戦力不足だってのに。