軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

59.迷宮

「あら、行き止まり」

「一応突き当たりにある木箱調べよう」

ペテロが木箱の蓋を開けて中身を引っ張り出して見えるように掲げる。

「EXポーションでした」

「木箱って宝箱なのか……?」

「きっと深く潜るほど宝箱らしくなってくんだよ、たぶん」

EXポーションはそのままペテロへ。

二階を終えて現在迷宮の地下三階を探索中。

ロイ達が死に戻ったというので心配していたが思いの外順調だ。敵はHPは多めだが菊姫のHPが大きく削られることなく安定している。

やはり痛みのせいで普段どおりに行かなかった、というのが彼らの敗因なのだろう。

とか思っていたら。

「……っ!」

「っ痛いんですけど!」

「はぐっあ」

「あががががががが」

痛いです。

ゴブリンソーサラーがルルーの【魅了】をすり抜けて全体魔法を放ってきてこの体たらく。痛覚解放したアタッカー四人は涙目だ。

私は杖を取り落とし、ペテロは膝をつき、シンはうずくまり、レオは離れた位置まで飛びすさりぴょんぴょんしている。

炎症と火傷の中間みたいなことになっている自分の手。

別にケロイドになっているわけでもなく、重症でもないはず。だがしかし、現実世界でおなじみの痛みというと、 精々(せいぜい) 足の小指をぶつけるとかそんな類の経験で。人によっては骨折が〜とかあるだろうが、そんな頻繁にするものでもないだろう。

「あれです、ここは痛みに慣れるためのダンジョン?」

そう言いながらたいしてバーの減っていないHPをお茶漬が回復してくれる。みるみる皮膚の赤みが消え、痛みも消えてゆく。跡さえ残らない。

「がんばるでしよ!」

役に立たないアタッカーを尻目に菊姫は敵を引き受けている。幸い他にルルーの【魅了】が効かなかったのがソーサラーの一体だけだ。

「早くソーサラー倒さないとまた全体魔法くるよ〜」

「今すぐ地面でゴロゴロしたいくらいに痛かった!!!!」

そう言いながら涙目で蹴りを放つシン。

大人気なく『白雷』をチャージして放つ私。

近づきたくないのか投擲するペテロとレオ。

オーバーキル気味にゴブリンソーサラーを沈める。

「痛てええええええ」

「きっついんだがっ!?」

「諦めろ」

「わははははははははぁ〜あ"あ"」

「痛い。。。。」

「ちょっとだけのはずでし!」

その後、多分痛みに慣れるためのステージだから慣れとけ、というお茶漬によってルルーが封印されアタッカー四人が阿鼻叫喚なことになった。

何せ今まで回復せずほっておいても平気だったようなダメージで、痛くて動けないようなことになるので、お茶漬が回復フル回転だ。

『生命活性薬』を配ったので多少は改善した、実際回復して痛みが消えるのも勿論だが、自動で後十秒くらいで必ず回復すると分かることは精神的にだいぶ助けとなった。

何せお茶漬は盾の菊姫のほか、今までならいらなかったはずの回復を一人で四人にかけているのだ、いつ回復してもらえるか予測がつかないこともある。

自分に回復が回ってこないまま、敵の次の攻撃によって本当に危ないメンバーの回復が優先されるのは当たり前のことなのだ。

「髪と目は何ともないんだな」

「ファイアボールでアフロにならないでしね」

「変な期待すんな!」

気づいた疑問を口にすればあさってな会話が始まる。ここでも通常運転だ。

敵の全体攻撃の他にもう一つ問題がある。

ゴブリンシーフが【盗む】を使ってくるのだ。まあ、どうやら対象は回復薬限定であるようなのだが。盗んで一定時間経つと逃走するので、その間に倒さねばアイテムを持ち逃げされる。必然、全体攻撃を使ってくるソーサラーやら剣士やらを後にして倒さなくてはならない、はずなのだが。

「こう、不審者まがいになりながらも備えててよかった」

回復薬だけ私が預かって戦闘している現在。【盗み防止】の出番がこんなに早くやってくるとは。

「私も【盗む】ほうだけじゃなく防止の方も取ろうかな。盗むほうが盗まれるって格好悪い」

素早さの関係からか、お茶漬と菊姫は盗まれ放題だったが、ペテロ相手のゴブリンの盗むは不発に終わってるように見えたが何回か盗まれたようだ。

「怖いからわたちも取るでし」

「僕も取る〜装備とか取られたら泣く」

「【盗む】はポーチに入っているものと小さなものほど成功しやすいかな。レベル上がれば装備盗めるようになるのかはわからん」

「え! ストリップさせるのか!?」

「それはロマンだな!」

「一緒にしないでね」

騒ぎ始めたシンとレオから距離を取るペテロ。レオは【盗む】を取得することを決めたようだ。

《お知らせします。ファストのフィールドボス『チョトツの王』がアキラによってソロ討伐されました》

「おや、またアキラクン。あの 騎士(NPC) たち強いのね」

「フィールドボス探して彷徨ってるのかな?」

「それはそれで大変そうだ」

「強いNPCいいなあ」

「低いもの同士、一緒にレベル上げてったほうが足りないところ補ってくれて最終的に強くなりそうだけど」

「光源氏計画でしか?」

「幼女育成」

「違います!」

迷宮来ちゃったほうがフィールドボス探すよりボスに会えると思うが、柴犬……じゃないパーシバル達引っ張り回してるのか。

ゴブリンがまた出たのでこの話は終了した。

ところで迷宮の一から三層で他のパーティーに会うことはない。

一から三層はシングルパーティーエリアと言ってイベントフィールドやボスフィールドと同じ扱いで他のパーティーは入れない。入れないというか、同じ入口をくぐっても他のパーティーは同じ風景、同じ敵の別の空間で戦っている扱いであるようだ。

オールパーティーエリアというものもあり、そのフィールドは同じ空間に多数のパーティーが存在する、とメニューに説明が出ていた。

三層までは、本当に痛みに慣れるための場所なのかなんなのか、ゴブリンしか出なかったが、四層ではナズルという体長三十センチ体高二十センチほどの黄色っぽいゴツゴツした、熟れて黄色くなったゴーヤに足を生やしたような小さな魔物がどこからともなく沸いては足元に突っ込んでくる。

大して強くないのだが、二、三匹なら兎も角、ゴブリンとの戦闘中にも沸くのでタチが悪い。

「うっとうしいでしー!!」

「吸われる、吸われる〜」

盾と回復職に群がるのが好きらしい。ナズルの攻撃方法は突進と張り付いて HP(血) を吸うことだ。

「うわー、今張り付かれたくねぇわー」

シンが嫌そうにナズルに張り付かれた二人を見る。

【痛覚解放】を行ってから、今まで弱められていた痛覚以外の不快な感覚もそのまま感じられるようになっている。ダンジョン内の淀んだ空気、湿気、臭い、冷え。我慢できないほどではないが不快だ。

「湿地で蚊に 集(たか) られたことあったが、今は本気でやだな」

「嫌すぎる」

「わははははは」

痛いほうがマシなんじゃないかと思える不思議。

「えーい、他人事だと思って! 回復放置してやる!」

「ぎゃーっ! 痛いから! 痛いからやめろ!」

「レオが笑うから。ほら謝って!」

「シン、ゴメン!」

「そっちにでしか?!」

「カオスすぎる」

とりあえずお茶漬と菊姫に集ったナズルを魔法で処理する簡単なお仕事をしながらゴブリンを倒していく。ファストの西にいたゴブリンと違い、職持ちな上にルルーの【魅了】を止めてみればソーサラー以外も全体攻撃を使ってくる。

「【痛覚解放】してないとナズルが集るのかな?」

「ああ、職じゃなくてそっちか」

「ありそうじゃない? 難易度調整のためだったらこの階以降も出てきそうだよね」

「確かに沸き方普通じゃないな」

倒しても倒してもすぐどこからか沸いて出てくる。

「今、ホムラがダブル魔法で散らしながらゴブリン攻撃してるから普通に進んでるけど、ダブル魔法ないと一人つききりでナズル払わなきゃヤバいんじゃない?」

「ん、お茶漬にもっと敵の集団に寄ってもらえれば一応ゴブリンと一緒に範囲魔法にかかるかな? 後は【範囲魔法】のレベル上がればダブルというか二度かけ無くても行けるようになるかな?」

「敵にがぶり寄りで回復すんの、僕? 早く範囲上げて?」

「あんまり寄ると敵の前方範囲とか後方範囲攻撃に当たるでしよ?」

「おおおおおおお!」

「耐性キターっ!!!」

敵の背後で戦っていたレオとシンから叫びが上がる。

「何?」

「【痛み耐性】!」

「え? 【痛覚解放】しといてまた感じなくなるのか?」

本末転倒というかだったら最初からするなというか。話しながらも敵をさばいてゆく。

「痛いことは痛いけど、痛みに惑わされずに冷静な判断ができるようになるとか、武器を取り落とさないとかそんなんみたいだぜ」

「……それは痛いの経験してたらいずれつくもんじゃあ……?」

「まあ、それが早まるんじゃねぇの?」

ナズルのフォローのためかいつもと違ってお茶漬側で戦っていたペテロと、私にも二、三戦の後同じものが出た。だがしかし、効果がそんなに感じられない!!

「おお下への階段」

「ボスでしか」

「ボスですね」

「攻撃痛そうだなあ」

「あ、薬返しておく」

「サンキューサンキュー」

まあ、行く前にEP回復ということで食事にした。

ちょっと冷えたので熱いミネストローネとホットサンド、串に刺した焼きソーセージ。

「お盆がほしいでし」

「サーで買え」

ライトを二つ浮かべて階段で腰掛けて食べる。 地下五層(した) からはこないだろうと思いながらも、上と下の気配察知をペテロとレオがしている。

「私は座布団が欲しい」

「クッション作るでしよ」

「ここってソーセージ普通サイズねぇのかね」

「豚を見かけんからな」

「なんで豚?」

「細いのは羊、でかいのは牛の腸詰だろ」

「ああっ! なるほど!」

ファガットにそういえば豚の情報あったな、食材ゲットしたいところ。

食後のコーヒーに付き合いながら今後の予定の一つとして豚肉ゲットを加える。

「シンのソーセージはフラグだったの?」

「シンのソーセージって股間のか?」

「牛のでお願いします」

「下品でし!!!」

「ちょっとシンとレオは黙ろうか?」

五層のボスはオークでした。

黒みがかった緑の肌、三メートル近い筋肉と脂肪のかたまりが斧を手に持ち部屋の真ん中にいる。洞窟が広くなったような場所だが、便宜上部屋と呼ぶことにする。ボス部屋だし。

部屋は上は暗闇に飲み込まれ、地面には小さいものから私の背丈の二倍ほどの石筍が突き出ている。

「オークが豚似っていうのは勘違いから始まったって話だし、実際目の前のボスは豚に似てないから」

「あのオークの腸でソーセージ作られても困る」

「それは私も困る」

「相変わらず緊張感ないでしね〜」

誰のせいだろうね?

□ □ □ □ □

・増・

スキル

【痛み耐性】

□ □ □ □ □

ホムラ Lv.33

Rank C

クラン Zodiac

職業 魔法剣士 薬士(暗殺者)

HP 1108

MP 1406

STR 47

VIT 25

INT 84

MID 32

DEX 27

AGI 52

LUK 37

NPCP 【ガラハド】【-】

称号

■一般

【交流者】【廻る力】【謎を解き明かす者】

【経済の立役者】【孤高の冒険者】【九死に一生】

【賢者】【優雅なる者】【世界を翔ける者】

【痛覚解放者】

■神々の祝福

【アシャの祝福】【ヴァルの寵愛】

【ドゥルの祝福】【ファルの祝福】

【タシャの寵愛】【ヴェルナの祝福】

■神々からの称号

【アシャのチラリ指南役】

【ドゥルの大地】

【ファルの聖者】

【タシャの弟子】【タシャの魔導】

【神々の時】

■スレイヤー系

【リザードスレイヤー】【バグスレイヤー】

【ビーストスレイヤー】【ゲルスレイヤー】

【バードスレイヤー】

【ドラゴンスレイヤー】

■マスターリング

【剣王】【賢王】

スキル(1SP)

■魔術・魔法

【木魔法Lv.27】 【火魔法Lv.27】【土魔法Lv.26】

【金魔術Lv.26】 【水魔法Lv.27】【☆風魔法Lv.27】

【光魔術Lv.21】【☆闇魔法Lv.28】

【☆雷魔法Lv.27】【灼熱魔法Lv.2】【☆氷魔法Lv.22】

【☆重魔法Lv.20】【☆空魔法Lv.22】

【☆時魔法Lv.20】【ドルイド魔法Lv.22】

■治癒術・聖法

【神聖魔法Lv.21】

【幻術Lv.1】

■魔法系その他

【マジックシールド】【重ねがけ】

【☆範囲魔法Lv.23】【☆攻撃回復・魔力Lv.13】

【☆魔法・効Lv.13】

【☆行動詠唱】【☆無詠唱】

【☆魔法チャージLv.11】

■剣術

【剣術Lv.28】【スラッシュ】

【刀Lv.27】【☆一閃Lv.24】

【☆幻影ノ刀Lv.19】

■暗器

【糸Lv.19】

■物理系その他

【☆見切りLv.27】

【物理・効Lv.6】

■防御系

【☆堅固なる地の盾】

■召喚

【白Lv.11】

■精霊術

水の精霊【ルーファLv.11】

闇の精霊【黒耀Lv.20】

■才能系

【体術】【回避】【剣の道】

【暗号解読】

■移動行動等

【☆運び】【跳躍】【☆滞空】【☆空翔け】

■生産

【調合Lv.19】【錬金調合Lv.18】

【料理Lv.18】【宝飾Lv.1】

■収集

【採取】【採掘】

■鑑定・隠蔽

【鑑定Lv.25】【看破】

【気配察知Lv.33】【気配希釈Lv.33】【隠蔽Lv.28】

■強化

【腕力強化Lv.5】【知力強化Lv.6】【精神強化Lv.6】

【器用強化Lv.6】【俊敏強化Lv.6】

【剣術強化Lv.5】【魔術強化Lv.6】

■耐性

【酔い耐性】【痛み耐性】

■その他

【HP自然回復】【MP自然回復】

【暗視】【地図】【念話】【☆房中術】

【装備チェンジ】【☆武器保持Lv.21】

【生活魔法】【☆誘引】

【盗み防止Lv.23】【罠解除】

【開錠】【アンロック】

☆は初取得、イベント特典などで強化されているもの