軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

33.魔法

剣のスキルはともかく魔術のスキルは何をしたら覚えられるんだろうか。今のところ詠唱から発動までほとんど待ち時間はないが、これは私の使える魔術レベルが低いせいだ。あるなら詠唱破棄を取っておきたい。

使用する魔術レベル×10のINTがないと詠唱時間がかかるそうなのだが、突出して高い闇もレベル5で『エンチャント』を覚えて以来、15になるまで新しい魔法を何も覚えなかった。【雷魔法】レベル10の『 青雷(せいらい) 』『サンダースピア』の二つ、実質このレベルまでの魔法しか使えない私には、今のところ関係のない話ではあるのだが。

剣術のスキル取得を見るにきっと魔術士のスキルも行動で何か取れると思うのだが。

それこそ魔法を複数体に当てる軌道を狙うとかそんなことしか考えつかず、これはでも詠唱破棄とは程遠い行動だな、と思いながらも試す私だった。

狙うのはグリーンスライム。

ルバの剣をユリウス少年の杖に持ち替える。いくら魔法効率がいいとはいえ流石に杖に替わるほどの威力ではない。私のレベルが上がってもっと上位の素材を心置きなくルバが使える様になれば話は別かもしれないが。今の剣は「私の装備ランク制限にかからない範囲での」という但し書きがつく中での傑作なのだ。

もうすでにフォスのボス討伐を考えていた当時のロイ達のレベルになってしまっているのだが、ソロでの戦闘ならまだ適正より上の敵とみなされている、、ハズ。もう適正レベルか?

などとだんだん不安になりつつ、二匹のスライムをくっつく様に移動し、誘導。『青雷』をくっついた二匹の間を狙って放って行く。スライムはその形状から隙間なくぴったりくっつくので狙いやすい。

『魔力活性薬』に『MPポーション』、一撃で倒せないため『黒耀』を呼び出し『生命活性薬』を併用。薬漬けだ! とんだ散財だが自作だしシルは十分すぎるほどあるので良しとする。【孤高の冒険者】がなかったらもっとヒドイことになったろう。

そういえば剣のマスターリングで VIT(たいきゅう) が上がらなかったが、盾特化の戦士とかはマスターとれないのだろうか? 少し気になる。

《敵を500匹誘導し、倒したことにより、スキル【誘引】を取得しました》

《魔術で2匹以上の敵を同時にかつ連続で500匹倒したことにより、スキル【範囲魔法】を取得しました》

《魔術で適正レベルより上の敵を連続で500匹倒したことにより、スキル【行動詠唱】を取得しました》

《魔術で2匹以上の適正レベルより上の敵を同時に500匹倒したことにより、スキル【詠唱短縮】を取得しました》

陽がとっくに昇ったころ、漸く500匹を倒し終えた。魔術士から始めたけれど称号も装備も【廻る力】と【雷魔法】以外は普通、いや、幾つかの属性に特化せず満遍なく上げているせいで、他のプレイヤーよりスキルレベルは低いくらいかも知れない。

【雷魔法】が風と闇の神の祝福、闇の精霊持ちで強化されるためか、他の同じレベル3同士の魔術と比べても突出して強い。が、漸く二桁になったレベル10の魔法だ。【ゲルスレイヤー】と薬で誤魔化した感じか。

魔法の方もレベル上げに勤しまなければならないようだ。

《上位魔法を使用し適正レベルより上の敵を500匹連続で倒したことにより、称号【賢王】を手に入れました》

《称号報酬アイテム『マスターリング "魔"』を手に入れました》

……

…………

自分の魔法が弱いと自覚したそばからやめてください!!!!!

マスターリングのブッ壊れ性能はこちら。

基本ステータスに INT×2倍 MID×1.5倍 DEX×1.5倍 LUK×1.5倍。

【賢王】の称号効果は魔法での攻撃時に魔法防御無視。ダメージは完全にプレイヤー側のステータスと武器に依存。

そういえばマスターリング取得してもワールドアナウンス流れんな。流れそうなものだが。

因みに暗殺者関係のワールドアナウンスは秘匿され流れないそうだ。マスターリングも秘匿するべきものなのだろうか。

【誘引】はその名の通り、敵を誘導し引き付ける。素材の大量狩りをしたいときには便利かもしれない。

【範囲魔法】は今まで単体対象のみだったのが隣り合った二体を対象に選べる、代わりに威力が単体に当てた時よりも落ちる。これにはレベル表示があるのでレベルが上がれば対象が増えるか、威力があがるかするのだろう。ちなみに最初から複数体を巻き込む魔法に関しては、範囲がさらに広がるようだ。

【行動詠唱】は動きながら魔法が使える。

キャンセルされるような詠唱がないので動きながら普通に雷とかが撃てる現在。このスキルが手に入れられなくても、レベルが低く実質無詠唱で唱えられる魔法は動きながら使える。レベルが上がって詠唱時間が掛かるようになったときに真価を発揮してくれるだろう。

【詠唱短縮】その名の通り、呪文詠唱時間の短縮だ。レベルがあるのでこれも上げて行けばその分だけ詠唱が短く済むようになるのだろう。

30超えたらレベルが上がるのがかなり緩やかになった。30まではプレイヤーをひとところに集中させないように上がりやすくなっているらしい。もしや30がファイナ解放のパーティーでの適正レベルなのか、と思いながら紅茶を飲む。

再び現実逃避中。

戦闘に夢中で気づいていなかったがこの森にはキクラゲやミツバ、コゴミ、タラの芽、セリ、やたら山菜が多いのだがこれは開発陣に趣味な方が混じってるのか。季節は春から夏のものが混在している気がするが、現実世界と同じ期間しか取れないのは短すぎる気もするのでその辺の配慮だろうか。

ジアースには一応四季があることは本の知識で得ている。ちなみに採取がなくても採れる植物だ、古本屋で本を買ってなかったら気がつかなくてスルーしていたかもしれない。

……天ぷら、塩ならいけるんじゃなかろうか。だが飯か蕎麦かうどんが欲しい。うどんなら行け、ないな。麺はできても汁ができん。

日が昇ったためか、遠くから木に斧を入れる音が響いてくる。

採取を使って採れるものは相変わらずの薬草と魔力の実、ルビーベリーの三つだ。ブッ続けで戦闘をしていたので休憩がてら採取をしばらくする。

ルビーベリーはその名の通り真赤な宝石のようなベリーだ。一つ二つ食べてみると酸味も甘みもちょうど良く味が濃い。張り切って採った!

『鉱物好物』の採取版欲しいな……、フォスのフィールドボスが トレント(しょくぶつ) だし、出しそうだよな。ただパーティでの初討伐は済んでいるはずなのでソロで倒すしかないわけだが。

しかし、植物系ってここのを見る限り搦め手できそうだ。もし魅了やら混乱をくらったら回復してくれる仲間がいないソロはキツイどころではない。開き直ってガラハドを呼び出すにしても、フィールドボスではいつ会えるか分からんし。先ずは耐性を取得するの目指すかな。

耐性の他にもソロでの探索に便利なスキルを取ろう。神殿でシーフに転職して【罠解除】も取得しないと。あれ? 【投擲】って盗賊スキルかと思っていたけど、単に取りやすいだけで固有スキルじゃないのか。魔術士の時に一覧に出たし。

その職でなくとも取得ポイントが違うだけでスキルは出るのか?後で調べよう。……戦闘職はともかく、生産職ってどうやって増やすのだろう、アクセサリを作れるようにならねば。ペテロは細工が出たとか言ってた気がするが、さて?

考えながらも採取をしていたら採掘ポイントを発見、取れたのは粘土だった。陶芸をやってみろとの天の声か。フォスに行けば工房があるのは確実だし。ああ、サーには家具の工房がありそうだ。思い当たれば、新しい生産を習う場所は溢れている。

なにせ『住人』はここで生活しているのだから。

そんなことを思いながら採取を続けていたら、ナルン山脈に近づいたのか手入れの行き届いた平坦な森に丘が現れた、丘の後ろにはもう少し大きな丘。さらにもうしばらく歩けばナルン山系の山の中に入ることになる。

このまま進めばレオが好きそうな渓流があるはず。資料室で書き写した地図によるとナルン山脈から街へと流れる川は1本だけだが、渓流は無数にある。その流れが消えているのは、伏流水となっていったん地面の下を流れ、森の中の湧水となって地上に戻っているからだろう。

夜になる頃には現実世界で昼だ。これから街に戻って飯屋と宿屋を探すうちに時間になる。

だがしかし。

たまにはセオリーから離れて風景を楽しみたい。

渓流で料理用の水も汲みたい。

現実逃避がしたい。

そんなわけで死に戻りを決意し、ナルン山脈を目指すことにしたのだった。

……死ぬの初めてなんだが、大丈夫だよな。レオも死に戻り体験してるし。

森から山へ変わると、途端に足元が悪くなった。

獣道か杣道か迷うような状態ではあったが道をみつけ、山に分け入る。歩いていると所々土と苔に覆われてはいるが石積みのようなものがあるので古い街道なのかもしれない。マップに歩いた場所が道として追加されてゆく。

そういえば森には散らばって何十本か一際大きな木が生えていた。白の時のように何かイベントが起こるかと近づいてみたが何も起こらなかった。下の枝が落とされ、幹がまっすぐに伸びていたので人の手が入っていることは確実だ。街にもどったらあの大きな木々はなんなのか聞いてみよう。

途中、攻撃してきたトラツグミを狩ったり、チョトツをお供につけた一回り大きい猪型のチョッタイを狩ったり、寄ってくるものは全部倒しながら進む。鹿からロースがでたことがあるが、ここナルン山脈の動物型の魔物も胸肉だのもも肉だの美味しそうな部位肉を出している。街に戻ったらシチューにしたり照り焼きにしたりしよう。いや、肉以外も素材は出ているが。今のところ皮やら羽やら牙やら、裁縫や鍛冶で使いそうなものばかりなため、興味がないのである。

マザーグースはクロツグミのパイだったか。

トラツグミはまんま黄色と黒のツートンの凶暴な鳥だったがパイにして食べたいところ。苦戦なく狩れているが、山の中の敵は下の森よりだいぶ強い。サーどころか前回のダンジョンの敵より強いだろう。ただ、獣型と鳥型しか今のところ出てこないので、スレイヤーの称号とマスターリングのおかげでそう苦労することなく進めている。

そんなことを思いながら進んでいると前方にデカイ青灰色の人型のモンスターが目に入った。鑑定をするとトロールだ、しかも双頭。レベルが見えないので10以上、上だ。

見上げれば夕焼けでオレンジ色に染まった山の頂、遠く空にはワイバーンっぽいものが飛んでいる。最初は鳥だと思っていたのだがどうやら違ったようだ。街でさえ手順を踏まねば解放されないのだ、この山脈を越えれば隣の国なのだろうが、今は山越えさせる気は無いらしい。

試しにトロールに突っ込んでもいいが、死に戻るならやりたいことがある。

トロールを回避しながら採取や採掘、戦闘という名のお肉の調達を現実世界の昼前まで続け、いよいよ死に戻り初体験コースへ。

そして現在、切り立った岩棚の上にいる。

わかるだろうか。

私は飛んでみたい。飛ぶという名の自由落下になるのだろうが。

白い月と赤みがかった月が煌々と照っているのに空には満天の星。月は星の輝きを弱めたりしないようだ。青空の下飛んでみたい気もするがこれはこれでいい。

私は空を眺めながら浮遊体験するべく、大の字に背中から飛んだ。

結構な風圧とコートのバタバタとはためく音。背中から落ちているので目は開けていられるが、やっぱりこうなるのか。もっとこう、落ちるのにファンタジー世界らしく滞空時間が長いのを想像していたのだが。

例えば星空に抱かれているような。実際には違ったわけだが。

そして私は木の枝経由で地面に叩きつけられた。

《一定の高さから飛び降りたことによりスキル【跳躍】を取得しました》

《即死レベルの高さから飛び降りたことによりスキル【滞空】を取得しました》

《スキル【跳躍】【滞空】【運び】を取得したことによりスキル【空翔け】を取得しました》

《スキル【滞空】【風魔術】を取得したことによりスキル【 空(くう) 魔術】を取得しました》

《10種の魔術を取得したことにより、称号【賢者】を取得しました》

……死に戻り計画だったのだが。

うん、『身代わりのペンダント』って戦闘中じゃなくとも発動するのね。なんだか沢山スキルがでた。

ちなみに痛かったです。『身代わりのペンダント』の効果ですぐ回復したが。

【跳躍】はジャンプ力五倍みたいな何か。これがあればジャンプで見上げるほどのボスの頭を叩くことも可能だろう、物理攻撃で弱点を突くときに要求されるものとしてほぼ必須スキルなのではないだろうか。一定の高さ、とあるのがどれくらいなのかわからんが、星がつかないところを見ると、すでに取得している人がいる様子なので、街の塔や街壁の上あたりからの高さだろうか。それ以上はここナルン山脈に来なくては見つからない気がする。しかも、ナルンの裾野は緩やかな傾斜でかなり山深く登らなければ飛び降りられる場所は無い。

【滞空】は跳躍した時などの滞空時間を延ばすもの。その場でちょっと跳んでみると、一番高いところで滞空するだけでなく意識すればゆっくりと跳び上がることも可能でなかなか面白い。初取得報酬で人よりちょっぴり長めに滞空できるらしい。

【空翔け】は跳躍で跳んだ高さでの空中移動。60秒に1回は何かを踏まなくてはならない。通常は三十秒だがこれまた初取得報酬!

【空魔術】はレベル1で覚えている魔法は『浮遊』、地面から五センチくらい浮く魔法で【運び】と同じく地形の影響を受けにくくなるようだ。

称号【賢者】は魔術・魔法及び治癒術・聖法の取得スキルポイントが−1される。当然ながら0以下にはならないが、すばらしい!!!

そういうわけでもう一回です。

登るのは早速【跳躍】で崖の二十センチにも満たない足場を使って軽々と。

嘘です、途中踏み切ったときに膝をぶつけて転がり落ちました。たいした高さでなかったので死に戻ることはなかったけれど、けっこう恥ずかしい上に痛い。死に戻り前提とはいえ途中の行程では戻りたくないので真面目に登る。コツは踏み切るときにつま先より前に膝をやらないことです。

二度目のダイブは【滞空】のおかげかちょっと理想に近づいた。

ゆっくり緩やかに落ちてゆく。

下から聞こえる梢の囁き。

視界には満天の星空。

『浮遊』をかければもっとゆっくり落ちてゆくのだろうか。

死に戻りができなくなりそうなのでかけていないが、試してみてから三度目を飛ぶべきだったか。

「無茶しおる者がおると思ったら、そなたか」

なんか 坐(いま) す。

今度こそ死に戻るのだと思ったんだが。

仰向けに浮く私のそばに風神ヴァルがいた。

ヴァルも浮いているが、どうやら私も地面から二メートルほど浮いた地点で止まっているようだ。

ヴァルと同じ色の光に薄く包まれているので、私が浮いているのはヴァルの仕業なのだろう。

《戦闘外で即死を続けて回避したことにより称号【九死に一生】を取得しました》

「白だすか?」

とりあえず称号取得のアナウンスを聞きながら、仰向けに浮いたまま思い当たる接点であるところの白の名前を出すのだった。

□ □ □ □ □

・増・

レベル+1

称号

【賢王】【九死に一生】【賢者】

スキル

【誘引】【範囲魔法】【行動詠唱】【詠唱短縮】

【跳躍】【滞空】【空翔け】【空魔術】

□ □ □ □ □

ホムラ Lv.31

Rank D

職業 魔法剣士 薬士(暗殺者)

HP 1006

MP 1269

STR 43

VIT 23

INT 63(+1)

MID 19

DEX 25(+1)

AGI 39

LUK 23

NPCP 【ガラハド】【-】

称号

■一般

【交流者】【廻る力】【謎を解き明かす者】

【経済の立役者】【孤高の冒険者】【九死に一生】

【賢者】

■神々の祝福

【ヴァルの祝福】【ヴェルナの祝福】

■スレイヤー系

【リザードスレイヤー】【バグスレイヤー】

【ビーストスレイヤー】【ゲルスレイヤー】

【バードスレイヤー】

【ドラゴンスレイヤー】

■マスターリング

【剣王】【賢王】

スキル(15SP)

■魔術・魔法

【木魔術Lv.5】 【火魔術Lv.5】【土魔術Lv.5】

【金魔術Lv.6】 【水魔術Lv.5】【☆風魔法Lv.6】

【☆雷魔法Lv.5】【光魔術Lv.5】【☆闇魔法Lv.15】

【☆空魔術Lv.1】

■魔法系その他

【マジックシールド】【☆行動詠唱】

【☆範囲魔法Lv.1】【☆詠唱短縮Lv.1】

■剣術

【剣術Lv.18】【スラッシュ】

【刀Lv.14】【☆一閃Lv.4】

【☆幻影ノ刀Lv.6】【☆見切りLv.4】

■召喚

【白Lv.1】

■精霊術

水の精霊【ルーファLv.3】

闇の精霊【黒耀Lv.3】

■才能系

【体術】【回避】

■移動行動等

【☆運び】【跳躍】【☆滞空】【☆空翔け】

■生産

【調合Lv.11】【錬金調合Lv.2】【料理Lv.8】

■収集

【採取】【採掘】

■鑑定・隠蔽

【道具薬品鑑定Lv.4】【植物食物鑑定Lv.6】

【動物魔物鑑定Lv.6】【スキル鑑定Lv.5】

【武器防具鑑定Lv.5】【看破】

【気配察知Lv.9】【気配希釈Lv.8】【隠蔽Lv.6】

■強化

【腕力強化Lv.3】【知力強化Lv.4】【精神強化Lv.4】

【器用強化Lv.3】【俊敏強化Lv.3】

【剣術強化Lv.3】【魔術強化Lv.4】

■耐性

【酔い耐性】

■その他

【HP自然回復】【MP自然回復】【暗視】【地図】【念話】

【装備チェンジ】【生活魔法】【☆誘引】

☆は初取得、イベント特典などで強化されているもの