軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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久しぶりの親子でショッピングと言う事により、オリビアのテンションは最高潮である。王都でも屈指のデザイナーが勤めている服屋に来ると、オリビアは張り切ってレオルドの新しい服を選んでいく。

「これもいいわね。これもいいかしら!

でも、こちらも捨て難いのよね〜」

自分の買い物でもないのにオリビアは迷いに迷っている。それは仕方の無いことだ。レオルドは基本ゼアトにいるので、親子で買い物など滅多に出来ない。

だから、オリビアはこの時を目一杯楽しむ事にしているのだ。いずれ、別れる時が来るまでは沢山レオルドと触れ合っておこうと思うオリビアなのである。

「ねえ、レオルド。この服なんてどうかしら?」

「私としてはもう少し落ち着いた色がいいですね」

「そう? でも、貴方には似合うと思うわ」

「でしたら――」

レオルドは母親が持っている服と同じ色の別の服を手に取った。

「こちらの方が私好みですね」

「それもいいわね! だったら、こちらの服とそちらの服を買いましょうか」

「ええっ! どちらか一着でよろしいのでは?」

「ダメよ。レオルド! 貴方は年頃の男の子なんだから沢山オシャレしなきゃ! そんなんじゃ流行りについて行けませんよ!」

貴族というのは、目立ちたがり屋も多い。なので、ファッションも最先端をいつも走っている。社交界でも有名な貴族が目立ったりすると、似たようなデザインばかりになったりする。おかげで、ファッションに疎い男性陣はてんてこ舞いだ。

「貴方も 父親(ベルーガ) と同じように面倒だからと言って同じのばかり買ってはいけませんよ!」

「あ、はい……」

どうやら、自分は父上の遺伝子が強いのだと痛感した。オリビアに指摘されなければベルーガと同じように似たようなデザインの服ばかりを買っていただろうから。

しばらくの間、母親と一緒に買い物を楽しんでいると意外な人物と遭遇してしまう。

「シェリア……?」

なんと、遭遇したのはレオルドがお節介を焼いてジークの元へと送り出した、レオルドの元使用人シェリアであった。名前を呼んだせいで、シェリアもレオルドに気が付いた。

「レオルド様?」

偶然とは言え、久しぶりに再会したのだからレオルドは挨拶くらいはしておこうとシェリアに近寄る。

「久しぶりだな。こちらでの生活はどうだ?」

「えっ、あの、ホントにレオルド様ですか?」

「ん? 悲しいことを言うな。たった数ヶ月で元の主の顔を忘れたか?」

「いや、だって、その以前までとはお姿が変わられて……」

シェリアは心底驚いていた。レオルドと別れたのは二ヶ月前程であった。だから、そこまで大きな変化は無いように思っていたが、予想は大きく外れた。

レオルドはシェリアの予想を大きく越えて痩せており、かつてシェリアが想像していたイケメンになっていたのだ。

「ああ。シェリアが出て行ってから忙しくなってな。どうやら、そのおかげで大分痩せたようだ」

はははっと笑っているレオルドにシェリアは見惚れてしまう。確かにレオルドは痩せれば外見はシェリア好みになっていた。

良くない事だと思いつつもシェリアはこれならばレオルドの元にいても良かったと思ってしまった。だが、それは叶わない。シェリアはレオルドと因縁のあるジークの元に今はいるのだから。

自分が望んだ訳では無いが、レオルドが気を利かせてくれたのだ。そんなレオルドの思いを今更裏切る事など出来はしない。いいや。してはならない。

「お前が元気そうにやっていて安心した。ジークフリートは良い男だろう。アイツは誰に対しても分け隔てない。困っている人には必ず声を掛けてしまうような男だ。シェリアも安心して仕えることが出来よう」

「は、はい。本当にその通りです……」

それを言うなら今のレオルドもジークとはそう変わらない。しかし、レオルドにその自覚はない。シェリアはどうしてそのような人達に限って自己評価が低かったり、分からなかったりするのだろうかと思い悩んでしまう。

「おっと、つい長話になってしまったな。引き止めて悪かった。ではな」

「はい……」

もう少し話していたかったという欲もあるが、自分もここに買い物へ来たのだ。優先すべきはそちらなので引き留めること無くレオルドを見送る。

と言ってもレオルドも同じ店内にいるので、また遭遇する事はあるだろうが。

レオルドは母親の元へと戻り、服選びに夢中になっている母親を見て微笑む。本当にこの人が母親で良かったと。

一方でシェリアの方はと言うと、現在仕えているジークとその友人であるエリナ、クラリス、コレット、そしてハーレムに加わったソーニャ・ポトレフ。ソーニャは同級生とは思えない愛くるしい容姿をしている。

そんな六人は奇しくも同じ店内にいた。どうやら、女性陣が新しい服を買いに来たようだ。少しでもジークに気にいられる為に。

運命とは時に残酷なもの。レオルドは出会いたくない人物達が集結している中で買い物を続ける。一体どうなる事やら。

その結末は神のみぞ知る事だろう。随分とイタズラ好きな運命にレオルドは翻弄される。