軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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予想もしていなかった助っ人の登場に驚いているレオルドを置き去りに話は進んでいく。

エリナが教皇に魔法を放ったが教皇は無傷。その教皇はエリナに顔を向けたが、脅威にはならないと判断して視線をレオルドへと向けた。

その余裕な態度がエリナの癇に障った。

彼女は魔力を高めて教皇に向かって特大の魔法を放つ。

「始原の火よ。其れは起源にして頂点。我等が祖先に与えられし、神の叡智よ。森羅万象遍く全てを灰燼と為せ!!! プロメテウス・ノヴァ!!!」

始原の火。まさに始まりと謳われるだけのものがある。エリナが放った特大の火の玉は太陽が如く形をしており、触れるもの全てを溶かした。

(ちょいちょい! そんなもん撃ったら俺まで巻き添えくらうだろうが! アイツ、やっぱり頭おかしい!!!)

迫り来る灼熱の大火球にレオルドは焦る。このままここにいたら焼死は免れない。どうにかして、この場を離れなければならないが悲しい事にまだ回復していない。アナスタシアはレオルドの前に立っているだけで何もしていなかったのだ。一体、何しにきたというのか。

そこへ驚くべき事にシルヴィアが飛び込んでくる。彼女は走り難いからドレスの裾を破いて全力疾走だ。レオルドの前にまで来たシルヴィアはアナスタシアとレオルドを守るように神聖結界を発動した。

そのおかげで二人は無事にエリナの魔法から生き延びる。一安心かと思いきや、エリナの魔法を受けた教皇がシルヴィアの前に立つ。

教皇はシルヴィアをジッと見詰めると、何かを確かめようと手を伸ばした。

しかし、それは許さないとイザベルが高く舞い上がり、教皇目掛けて蹴りを放つ。彼女の放った蹴りが教皇の手を弾き飛ばした。

普通なら腕が吹き飛んでいるはずなのだが、さすがは邪神だと言えよう。弾かれただけで無傷である。

「先に羽虫を片付けるか……」

邪魔をしてきたエリナとイザベルに顔を向ける教皇。その瞳はどこか虚ろで彼女達を人間として認識していない。それもそのはず。彼は二人を自身と戦うに値する戦士ではないと判断しているからだ。

邪神もとい戦神であるので相対するには一定の強さがないといけない。つまり、その点レオルドは今の教皇を乗っ取った邪神に戦うに値する戦士だと思われている。

「アナスタシア様! レオルド様を早く回復させてくださいまし!」

「は、はい!」

言われてから、やっとレオルドに回復魔法を施すアナスタシア。彼女はレオルドの容態を確かめると、最高の回復魔法でレオルドの身体を治した。

シルヴィアに助けられ、アナスタシアに救われたレオルドは再び立ち上がる。とはいえ、もう一度戦うことが出来るようになっただけで劇的に強くなったわけではない。

「助かった! ありがとう、シルヴィア、アナスタシア様!」

立ち上がったレオルドは助けに来てくれた二人にお礼を言うと、すぐに教皇の元へと向かう。

エリナとイザベルが教皇に狙われており、懸命に戦っているが傍から見て戦いと呼べるようなものではない。魔法を放つエリナに死角から攻めるイザベルの二人に対して教皇はただ歩いているだけ。

まずは鬱陶しい魔法を放つエリナから始末しようとしているのか、彼女の方へと真っ直ぐに進んでいる。必死に歩みを止めようとエリナが魔法を撃ってはいるが全て防がれるか、弾かれていた。

「くッ……!」

焦燥感に冷や汗を流すエリナは端整な顔を歪めて苦悶に満ちている。少なくとも彼女には自信があった。

倒すことは出来なくとも傷の一つや二つは付けられると思っていたが、現実は違った。エリナの魔法は何一つ教皇に通じなかったのだ。

邪神に乗っ取られたとは言え、元は老人の教皇。ならば、自分でも通じるはずだとエリナは考えていたのだが、その自信は木っ端微塵に砕け散っている。

あと少しというところまで教皇が近付いてきた。エリナはもうダメかと諦めそうになった時、そこへ復活したレオルドが助けに来る。

「手を緩めるな! 死ぬ気で足掻け!」

「ッ! アンタに言われなくても!」

「なら、最初からその通りにしてろッ! それだけ吼える元気があるなら魔法を撃ち続けろ!」

「言っておくけど、アンタが射線上にいても構わず撃つからね!」

「構わん! お前の魔法など避けることは容易い!」

「言ってくれるわね……ッ!」

そう言って悔しそうに歯を食い縛るエリナに対してレオルドは余裕の笑みを見せ付ける。それがまた堪らなく悔しいエリナは、その悔しさを力に変えて魔法を放つ。

先程よりも威力を増したエリナの魔法にほんの僅かに教皇が眉を顰めた。

「ほう?」

エリナの魔法に便乗してレオルドも教皇へと突撃し、肉弾戦を仕掛ける。教皇は間合いに侵入してきたレオルドに対して拳を放つが受け流されて反撃を貰う。

仰け反る教皇にエリナの魔法が迫る。流石にこれを受けるのは不味いと教皇が障壁を張ろうとするのだが、それをレオルドが許さない。

レオルドは教皇の懐に侵入して、雷魔法と一緒に渾身の一撃を叩き込んだ。

「雷電撃墜ッ!!!」

叩き込むのは雷魔法とレオルドの拳。二つを混ぜ合わせた技で高い威力をもつのだが、本命は別にある。それは麻痺による状態異常だ。直撃すれば、いくら邪神と言えど数秒は麻痺で動けなくなるだろう。

これが邪神本体であったならば可能性は低かっただろうが、所詮借り物の身体。しかも、戦闘には不向きな教皇だ。さすがの邪神も 抵抗(レジスト) は出来なかった。

レオルドは麻痺が決まったと確信して、その場を飛び退いてエリナの魔法を避ける。麻痺で動けない教皇はエリナの魔法を防ぐ事も出来ずに、まともに受けてしまうのだった。

(う〜ん。エリナも弱くはないが、やはりセツナの方が強かったな。出来ればセツナくらいの援護は欲しい……。まあ、それは贅沢か)

爆炎に包まれる教皇を見てレオルドはエリナではなく、かつて共闘したセツナのことを思い出していた。