作品タイトル不明
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シルヴィアとの話し合いで、レオルドは今後の方針を決めたのだが、ギルバートからの情報を得ない限りは動けない。
運命48(ゲーム) の攻略知識を元にレオルドは、動いているが間違っている場合もある。運命48ではレオルドが聖教国に来ることはなかったのだが、運命48とは違い、レオルドがシルヴィアと一緒に来ているのだ。
だから、運命48の攻略知識を当てにし過ぎてはならない。
「やはり、ギルが戻ってくるまでは待機か……」
「あら、どうしてですの? 誰か留守番をさせていれば問題はないと思うのですが」
「それはそうですが、護衛が減るのは避けたいところかと」
「確かに護衛が減るのは痛手ですが、流石に今すぐ襲ってくる事はないかと思いますわ」
「しかし、用心するに越したことはないかと」
「そもそも、レオルド様にそこまで護衛が必要ですか?」
「まあ、私も完璧ではないので隙を突かれてしまえば……」
「むぅ! ああ言えばこう言って! レオルド様は私とお出かけするのはお嫌ですか!?」
「ええ、今、そう言う話をしているわけじゃ」
シルヴィアが不機嫌になり、レオルドが困惑していると、イザベルがレオルドの肩をちょんちょんと叩いた。
「なんだ?」
「ああなった殿下は頑固ですよ。ここは素直になって、一緒にお出かけしたいと言った方が身の為です」
肩を叩かれて、後ろにいるイザベルの方へ振り向いたレオルドに、イザベルは顔を近づけて小さな声でアドバイスを送る。
しかし、その様子を見ていたシルヴィアが、二人へ指を差して、大きな声を上げた。
「二人でなにをコソコソと話しているのですか!」
(これはイザベルの言うとおりにした方が良さそうだな)
ガルルと今にも唸り声を上げそうなシルヴィアを見て、レオルドはイザベルに教えて貰ったとおり、シルヴィアと出かけたいと伝える。
「いえ、イザベルはギルの帰りを待っているそうなので、殿下と外出してもいいと言ってくれたのですよ」
「え、そうなの。イザベル?」
あっさりとレオルドの嘘を信じたシルヴィアは、イザベルへ目を向ける。イザベルは、シルヴィアを見て、レオルドを見ると、レオルドは手を合わせて謝っている素振りをしている。
それを見たイザベルは、小さく息を吐いてレオルドが咄嗟についた嘘を真実に変える。
「はい、そうです。根を詰め過ぎるのは良くないので、少しくらいは休んだ方がよろしいでしょうから、私が代わりにギルバート様から情報を受け取っておこうと思います」
「まあ! さすがはイザベルね! ありがとう!」
イザベルの気遣いにシルヴィアは機嫌を直した。レオルドもシルヴィアの機嫌が直って、ホッと息を吐く。
「貸し一つです」
イザベルの小さな呟きを聞いて、レオルドは内心溜息を吐くのであった。
それから、レオルドはシルヴィアと護衛のレベッカ、リンスの四人で出かける事にする。バルバロトはイザベルの護衛の為に残した。流石に一人きりで留守番をさせるのは危険だと思ったからだ。後は、夫婦なので、二人きりの時間を設けてやろうという意味も込めている。
二人に留守番を任せ、レオルドはシルヴィアと護衛の二人を連れて宿を出た。
早速、街へ出たがレオルドは情報収集ばかりを行っていた。横にいるシルヴィアからすれば不満が積もっていくだけだ。折角、イザベルが気を利かせて送り出してくれたのに、レオルドは観光もせずに情報収集ばかり。
これでは、何も楽しめない。なのでシルヴィアはレオルドの腕を引っ張り、強制的に聖都の観光スポットへ連行した。
「で、殿下? あの、なにを?」
「レオルド様。情報収集も大切なのでしょうが、今は一旦忘れて観光しませんか? イザベルも言っていたでしょう? ずっと、根を詰めていても疲れるだけだと」
「え、そんなこと言ってました?」
「言ってました!」
「あ、はい……」
シルヴィアの迫力にレオルドは何も言えなくなる。
(まあ、シルヴィアの言うとおり根を詰め過ぎるのは不味いか。いざという時に頭が働かなくなるのは避けたいし、ここは観光を楽しむか)
考えていても仕方がないとレオルドは割り切って、シルヴィアとの観光を楽しむ事に決めた。
それからは、シルヴィアと一緒に聖都の観光スポットを巡り楽しく過ごす。露店などにも立ち寄り、買い物を楽しみ、充実した時間を過ごした。
やがて、日も暮れて、人々が帰路へ着き始めるとレオルドは自分達も、そろそろ宿へ戻ろうと決める。その帰り道、シルヴィアがレオルドへ尋ねた。
「レオルド様。楽しかったですか?」
シルヴィアは少しだけ不安だったのだ。レオルドから聞いた話では、もうすぐ聖都で大惨事が起こる。だから、レオルドは被害を最小限に防ぐため情報収集を行い対策を練っていた。
しかし、それをシルヴィアは自分の我が侭で中断させてしまった。その事にレオルドは何か思っているのではないかと不安に思っていたのだ。
「ええ。楽しかったですよ」
「本当ですか?」
「本当ですよ」
「嘘ではありませんの?」
「どうして、そう思うのです?」
「そ、それは、その、私の我が侭でレオルド様を連れ回してしまったので……」
「ああ、その事なら気にしなくてもいいですよ。殿下は私の為を思ってやったことでしょうから」
「レオルド様……」
「それに、私と殿下の仲です。今更でしょう?」
つまり、レオルドが言いたかったのは、シルヴィアがレオルドを振り回すのは、前からの事だったので今更気にする必要もないということ。
シルヴィアはそれを知って、嬉しくなったが、少しだけ意地悪しようと考えた。
「む! それはどういう意味です!」
「はて? 何のことでしょうか?」
「あ! そうやって誤魔化そうとして! きちんと言葉にしてくださいませ、レオルド様!」
「えー、いや、それくらいは察して欲しい所なんですが……」
「あらあら、お恥ずかしいので? それこそ、今更なのではないですか?」
「む……、そうきますか」
今だけは、今だけは難しい事など忘れて、二人は純粋にこの時間を楽しむのであった。