作品タイトル不明
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古代の遺物を回収したレオルドは、早速動き出す。限られた時間で、最大限の備えをしておく為に、レオルドは忙しなく動き回った。
まずは、バルバロト達が回収してきた古代の遺物を、確認する。勿論、どのような遺物なのかは把握しているのだが、念には念を入れて確認する。
「ふむ……。よし、よくやった。四人とも、ありがとう。しばらくは休んでいるといい。また、何かあったら呼ぶ」
バルバロト達が回収してきた遺物は腕輪であった。その能力は、魔力の消費を半減させるという破格の性能を有していた。
レオルドは、その腕輪を見て、記憶と同じ形状なのを確認できたので、バルバロト達に労いの言葉を掛けて、休むように命令した。
四人は、レオルドの命令に従い、休む事に。レオルドは、四人が休んでいる間、ギルバートを従者として連れ回し、聖教国へ向かう準備を進める。
まず始めに、レオルドは魔法の効果を倍にする宝玉を持ってジュエリー職人の下へ向かう。
「この宝玉を加工してもらいたいんだが、出来るか?」
職人の前にレオルドは宝玉を出して、職人はそれを手にとって確かめる。しばらくの間、宝玉を舐め回すように見ていた職人が、宝玉を机に置いた。
「無理ですな。すでに完成されています。もし、加工するなら、一度砕かねばなりません」
「ほう? つまり、バラバラに砕けば加工できるのだな?」
「え、ええ。ですが、一度砕いてしまうと価値が下がってしまいますよ?」
「ふ、構わん。元より、そのつもりだからな」
「へ……?」
そう言って、レオルドは机の上にあった宝玉を手に取り、力一杯地面に投げ付けて、宝玉を粉々に破壊した。
元から、レオルドは宝玉を粉砕する予定であった。 運命48(ゲーム) でも宝玉は、ジークフリートのうっかりで粉々に割れるのだが、その際に、ヒロインの一人が破片にも効果があることを知って、指輪用に加工するのだ。ただ、レオルドはそれよりも、魔力の消費を半減にする腕輪に埋め込んだ方がいいと判断したのだ。
その結果が、今なのだが、何の説明もなしに目の前で宝玉を粉砕したレオルドに職人は驚く。
「えっ、ええええええええええ!?」
あまりにも唐突な行動に職人は思わず立ち上がり、粉々になった宝玉を見て絶叫する。傷一つない、完璧だった宝玉の姿はもうそこになく、あるのはただの石ころだ。
「これを加工して、この腕輪に付けて欲しい。値段は問わん。あ、だが、二つだけデザインを同じにして欲しい。ただ、色分けして男女別だと好ましいが、可能か?」
「え、あ、はい。この腕輪に付けるとなると、サイズが小さくなってしまいますが、よろしいので?」
「ああ。全然問題ない」
「そ、そうですか……」
「それで、いつまでに出来る?」
「お急ぎであれば、追加料金が発生しますが十日で出来るかと……」
「なら、それで頼む。すぐに取り掛かってくれ。十日後にまた来る」
「は、はい。わかりました」
嵐のように過ぎ去っていくレオルドに、職人はただただ唖然とするしかなかった。しかし、仕事を依頼された以上は、きっちりこなそうと気合を入れる職人は、レオルドが粉々にした宝玉の破片を手に作業場へ篭るのであった。
(腕輪の数は五つ。俺とシルヴィアで二つ。残り三つはゼアトの魔法使いに。これで、戦力は少し強化されるはずだ)
魔法使いに、魔力の消費が半減する腕輪と、魔法の効果が倍になる宝玉が合わされば、かなりの戦力強化といえるだろう。
しかし、それだけでは、まだ足りないとレオルドは考える。なにせ、まだ魔王が控えているからだ。運命48のイベントが全て現実に起こると仮定するならば、もっと対策を練らなければならない。
全てのルートにおいてラスボスは存在するが、最強と呼ぶに相応しいのは魔王なのだから。
邪神の残滓に取り付かれて暴走する教皇も厄介ではあるが、魔王はさらにその上を行く。運命48ならば、レベルなどで強さは測れるが、この世界にレベルという概念はない。だから、どれだけ強いのかも分からない。参考になるのは、運命48で得たデータだけ。
しかし、それは所詮データなので当てにしすぎるのは、駄目であろう。だからこそ、万全の準備を整えておく必要がある。
(気は乗らないが、ジークの彼女達へ会いに行くか)
なんだかんだ言っても、ジークフリートの周囲には優秀なヒロインが揃っている。四十八人もヒロインがいるのだから、当然なのだが、流石に多すぎるだろう。
ただし、この現実世界でも四十八人、全員がジークフリートに惚れているとは限らない。それに、まだジークフリートに会っていないかもしれないヒロインもいる。なにせ、運命48とは違うのだから。
その最たる例がレオルドである。
レオルドはギルバートを引き連れて王都へ向かった。王都へ来た理由は勿論、ジークフリートの彼女達が目当てだ。
(さてと、会いに行きますかね。稀代の錬金術師に)
稀代の錬金術師。運命48で数多くの道具や薬を作成する事ができる貴重な役職なのだが、数は少ない上に、基本はどこかの貴族に雇われている。
だが、ヒロインの一人が錬金術師で、尚且つ稀代の錬金術師と呼ばれる天才なのだ。まあ、エロゲなので、ヒロインが特別なのは当然であるが。
そんなことは、さておきレオルドはジークフリートを探す事にした。稀代の錬金術師を探さないのかと疑問に思うが、彼女が既にジークフリートのハーレムに加わっているなら、ジークフリートに所在を聞いた方が、手っ取り早い。
そういうわけで、レオルドはジークフリートがいるであろう騎士の宿舎へと向かうのであった。