作品タイトル不明
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レオルドがシャルロットからお叱りを受けてから、数日が経過した頃、レオルドはギルバートとシャルロットの二人を引き連れて、王国内に存在する古代遺跡に来ていた。
理由は先日話したとおりで、レオルドがゼアトの軍備強化の為古代の遺物を回収する為だ。三人しかいないのは効率を上げる為で、バルバロト、ジェックス、イザベル、カレンの四人には、レオルドが別の古代遺跡へ行くように指示した。当然、攻略知識を叩き込み、万全の状態であるので、後は帰って報告を待つだけ。
「さあ、俺達も行くぞ」
先頭のレオルドが古代遺跡へ足を踏み出し、後ろの二人も追いかけるように足を踏み入れた。
「よし、ここだ」
躊躇うことなく、レオルドは遺跡の壁を破壊して、隠し通路を発見する。勿論、 運命48(ゲーム) の攻略知識の賜物だが、ギルバートから見れば困惑でしかない。なにせ、すでにこの古代遺跡は王国の調査班が調べ尽くしているからだ。
しかし、困惑するものの、質問をしようとは考えない。レオルドの事を信じると決めたのだ。ならば、自分は信じてついていくだけ。
「ギル、シャル。言っておくが、ここから先は 罠(トラップ) だらけの危険地帯だ。だが、モタモタしている暇はない。一気に駆け抜けるぞ」
「畏まりました」
「は~い」
この古代遺跡に隠された通路は複雑な作りになっており、迷路と言っていい。そのせいでレオルドも全ての道を覚えている訳ではない。完全記憶能力でもあれば、話は別なのだろうが、生憎レオルドにそのようなものはない。
だから、覚えている限りの記憶をフル動員してレオルドは先頭を走り、迷路を駆け抜けていく。その道中に即死級の罠もあったが、ギルバート、シャルロットの二人がレオルドを助けるので安心だ。
ゼアト最強戦力だからこそ、可能なゴリ押し攻略だ。運命48ならば、慎重に進んで行かなければパーティは全滅してもおかしくない難度の古代遺跡なのに、この三人が相手では開発者も涙を流す事だろう。
(まあ、シャル一人で充分なんだがな)
実際、レオルドが心の中で言っているとおり、シャルロット一人で攻略は可能だ。 製作陣(かみさま) に愛されて、作り出された世界最強の魔法使いなのだから、大抵の事は一人で出来る。
それから、しばらく迷路を突き進んでいると、魔物に遭遇する。この場所を守っている白い大きな狼型の魔物だ。そこら辺にいる魔物とは格が違う。
「出たか……」
「坊ちゃま。アレが仰っていた魔物ですか?」
「ああ。かつて古代人が作ったとされる人工の魔物だ。帝国が作ったものとは格が違う。だが、俺達ならばどうということはない。倒して、先に進むぞ!」
真っ先に飛び出したレオルドは魔物に飛び掛る。魔物を切り裂こうと、装備していた剣を振るう。しかし、そう簡単にはいかない。
魔物はレオルドの剣を避けて、反撃とばかりに爪を振るう。だが、そこへギルバートが割り込んで魔物の側頭部を蹴った。
「ギャウンッ!」
「はい、お終い」
ギルバートの蹴りによって、吹き飛んだ魔物にシャルロットが止めを刺す。シャルロットの魔法により、魔物は死んだ。
「あっさりだな……」
レオルドは思い出していた。運命48の初見プレイでは苦戦していた事を。それがこうもあっさりと終わると、なんだか切ない気持ちになってしまう。
しかし、感傷に浸っている場合ではないと、すぐに思考を切り替える。
「ギル、シャル。先を急ぐぞ」
門番の役目をしていた魔物を倒したレオルドは、先を急ぐ。最奥にある古代の遺物を手に入れる為に。
三人はどんどん奥へ突き進み、道中にいる魔物は瞬殺して、最奥へと辿り着いた。
「この先が目的地だ。ただ、この門を開けると、最後の番人が待ち構えている」
レオルドが指を差す先には大きな門がある。その門の向こう側がレオルド達の目的地なのだが、そこには門番がいるという。
「まずは説明しておこう。この門を開けた先にいるのはカエルの魔物だ。強くなさそうに見えるが、見た目に騙されてはいけない。まず、一つ。カエルに魔法は一切効かない。二つ目に打撃も通じない。そして、三つ目、一定以上のダメージを受けると、今度は斬撃が効かなくなる」
「事前に知らなければ、苦戦しそうな相手ですな」
「ホントよね。そもそも、私なんて魔法一辺倒だから出番ないし」
「お前の役目は別だ」
「え? なにかあるの?」
「ああ。ここは嫌らしいことに門を開けて中に入ると罠が作動する仕組みになっている。しかも、毒ガスだ。即効性ではなく、遅効性で死に至る類のな。だから、お前には解毒を頼みたい」
思い出されるのは、運命48での記憶だ。初めて、この隠し遺跡に来た際に、最後のステージで何度苦渋を飲まされたか。
相手は斬撃以外無効で、尚且つ毒によるスリップダメージ。しかも、一定以上のダメージを与えると、変化して打撃以外無効になる。そのせいで、どれだけのプレイヤーが泣かされた事か。
「あー、なるほどね。だから、私を連れて来たわけね」
「そのとおり。お前なら付与術、回復魔法、ほぼ全ての魔法が使える。だから、選んだ」
「まあ、確かに他の人じゃ無理そうね~」
「そして、ギルを選んだのも徒手空拳に加えて剣も扱えるからだ」
「なるほど。わかりました。坊ちゃまのご期待にお応え出来るよう努力しましょう」
「頼むぞ。では、戦いに行くとしよう」
運命48だったなら、初見だとまず間違いなく負ける相手なのだが、そこは攻略知識を持っているレオルド。抜かりなく、万全の準備を整える。リベンジマッチという訳ではないが、かつて苦渋を飲まされた相手だ。少々、やる気になっても仕方がないであろう。