軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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レオルドが治療の為、休息を取っている頃、王国では国王が頭を抱えて悩んでいた。その側には宰相もいて、国王と同じく頭を悩ませている。二人が何故頭を悩ませているのか。その原因は他でもないレオルドのせいだ。

「作戦成功。皇帝は降伏を宣言。戦争の終結……か」

「陛下……。一大事ですぞ」

「わかっている。レオルドにどう報いればいいかが問題だ。はっきり言ってレオルドにどのような報酬を与えればいいか分からぬ」

「領地、爵位、金銭。これら三つでも足りませんな。レオルドが成した功績はあまりにも大きすぎます」

「ああ。救国の英雄と呼んでもいいくらいだ。昔も今もこうして悩まされるとは思いもしなかった。今は良い意味でなのだが、流石にちと度が過ぎる」

「全くです。しかし、レオルドに押し付けてしまったのも我々です。ならば、レオルドに報いなければならないでしょう」

「そうだな。だが、どうするかだ。今のレオルドに相応しいものを用意しなければならないが、宰相の言うとおり爵位、領地、金銭では足りないだろう。やはり、王家との婚姻しかないか?」

「まあ、それが無難でしょう。尊き血を分け与えて貰えるというのは名誉なことですから」

「では、誰がいいかだ」

「一番歳の近いクリスティーナ殿下は……ダメですな」

「うむ。クリスは……ジークフリートに恋しておるからな。レオルドに無理矢理嫁がせればなにをするか分からん。それにレオルドも他人を愛している人間を宛がわれても迷惑するだけだろう」

「でしょうな。下手をすれば離反してしまうかもしれませんな。今まで貢献してきたのにこの仕打ちはなんだと言うのかと怒りを露わにしてしまうでしょう」

「それだけは避けたい。今のレオルドに離反でもされたら間違いなく王家は滅びるぞ。今回の報告でゼアトには未知なる兵器に大量殺戮魔法。そんなものが国に向けられたらどうなるかわかったものではない。それにあのシャルロット・グリンデもいる。もしも、敵に回れば間違いなく王国は一夜にして滅びるだろう」

想像したくはないが、国王の言うとおりである事は間違いないと宰相はゴクリと生唾を飲み込んだ。

「想像したくもありませんな」

「当たり前だ。現実になったらどうする!」

「で、どうするのです?」

「う〜む……。一先ずレオルドの事は後回しにして今回の戦争についての賠償を考えようか」

「そうしましょうか。今回、我々は戦争を仕掛けられた上に勝利したことですし、色々と要求が出来そうですな」

「うむ。では、早速会議を開こう」

とりあえず二人は面倒な問題よりも比較的楽な問題へ取り掛かる事にした。レオルドへの報酬を考えるよりも帝国へ損害賠償を要求する事の方がよっぽど楽らしい。まあ、レオルドにどう報いるかよりも、帝国にどのようなことを要求しようかと考える方が楽なのは間違いないだろう。

国王が臣下を集めて会議を始めた頃、モニカ達からレオルドの生存報告を聞いたシルヴィアは、帝国へ乗り込もうとしていた。

「レオルド様が危篤状態なのに、待っているだけなんて出来ませんわ! 今すぐに帝国へ向かいます! 馬車の準備をしなさい! それからゼアトへ赴き、シャルロット様をお呼びするのです! 帝国にレオルド様を任せておけませんわ!」

モニカ達がレオルドは 炎帝(グレン) によって重傷となっていることをシルヴィアに報告したせいで、シルヴィアは心配のあまり曲解してしまいレオルドが何故か危篤状態になっていると勘違いしていた。

そのため、シルヴィアは暴走しており侍女を走らせて帝国へ向かう準備を急がせている。

そのことを知ったモニカ達が必死に思い止まる様説得するが、シルヴィアは完全に我を忘れている。

「シルヴィア様。落ち着いてください。レオルド様は重傷を負いましたが命に別状はありません。それに帝国の最新の治療を受けている頃ですから、何も心配はいりませんのでどうか落ち着いてください!」

「レオルド様は無事だという保証がどこにあるというの! 勝利しましたがレオルド様は帝国からすれば敵国の人間。なら、治療するなどと嘘をついて殺すかもしれませんわ!」

「いえ、そのようなことはありませんって。なによりもセツナがレオルド様の側にいますので、害そうとは誰も考えませんよ!」

荒れ狂っていたシルヴィアがモニカの言葉でピタリと止まる。そんなシルヴィアを見てモニカは安堵の息を吐こうとしたが、今度は違う意味で弁解をすることになる。

「今何と言いましたの? セツナ? それは帝国守護神である永遠のセツナかしら?」

「え、ええ。はい。そのセツナで間違いありません」

モニカと一緒にいたミナミとマリンはシルヴィアからただならぬ気配を感じて僅かに後ろへと下がる。出来る事ならば逃げ出したい所だが、一度口にしてしまった以上は逃げられない。

「へえ〜……ふ〜ん……。仲がいいのかしら?」

「え? えっと、それは……傍から見ると恋人というよりは相棒といった感じに見えます……」

「そう…………そうなの……」

明らかに怒っている。先程はどうにか落ち着かせないといけないと思っていた三人だが、今はただ逃げ出したい気持ちで一杯だった。

「あの……シルヴィア様?」

「モニカ、マリン、ミナミ」

『は、はい!!!』

「今すぐに帝国へと向かいますわよ。すぐに準備をなさい」

身体に叩き込まれた主従関係は三人の身体を無意識に動かした。圧倒的な 威圧(オーラ) を放つシルヴィアに三人はただ従うだけ。そこに本人達の意思は存在しない。

遠い地で療養の為にのんびりと過ごしているレオルドは近い内に自分へと降りかかる脅威が生まれた事を知らない。下手をすれば死ぬかもしれない。少なくとも胃に穴が開くことは確かである。

おお、レオルド。強く生きるのだ。