軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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ついに最終局面を迎える事となった。いよいよ大詰めであるレオルド&セツナ対グレン。帝国の最高戦力とレオルドが加わった激闘が始まる。

雷の剣を背中に展開したレオルドは床を踏み砕いて、一気にグレンとの距離を縮めた。剣を失ったレオルドだが、鍛え上げた拳が残っている。

グッと握り締めた拳をグレンの腹部に打ち込んだ。直撃すれば間違いなく大ダメージであろうレオルドが放った拳はグレンに受け止められる。

すかさず、身体を回転させるレオルドはグレンの側頭部に蹴りを放つ。しかし、避けられてしまう。グレンはレオルドの蹴りを屈む事で避けたのだ。

そして、がら空きになったレオルドの胴体に向けてグレンは炎を纏わせた拳を打ち込む。

完全に直撃すると思われたが、突然レオルドとグレンの間に氷の壁が現れた。危険を感じたグレンは咄嗟に後ろへ飛んで、氷の壁を作ったであろうセツナへ目を向ける。

「ナイスフォローだ、セツナ!」

セツナによって助けられたレオルドはセツナを称賛しつつ、グレンへと距離を詰めた。数秒ではあるがレオルドから視線を外したグレンはレオルドの存在に気付くのが遅れた。

その一瞬の隙を見逃すことなくレオルドは背中に展開していた雷の剣をグレンに叩き込む。意のままに操る事ができる雷の剣をレオルドは容赦なくグレンに向かって何度も叩き付けた。

しかし、一本、また一本とレオルドが振るう雷の剣は霧散していく。遠目でレオルドとグレンの戦いを見ているセツナは、その光景に息を呑んだ。レオルドが拳や蹴りを放ちながら雷の剣を振るっているのにグレンは傷一つ負わない。

それどころか的確にレオルドの攻撃を捌き、雷の剣を粉砕している。セツナは魔法戦を得意としており接近戦は不得意である。だけど、そんなセツナでも二人が異次元の強さだという事は理解できる。

(すごい……。あのグレン様と真正面からやりあえる人間がいたなんて……)

グレンは帝国に限らず、王国、聖教国の誰もが認める強者である。勿論、王国や聖教国にだって強者はいるが、もしもセツナは誰が最強かと聞かれたらグレンと答える。それは、間近で見ているのもあるが実績が桁外れなのだ。

その実績というのが単独でのモンスターパレード討伐という歴史的偉業である。モンスターパレードは当然一人で止められるものではない。

軍隊のように統率の取れた魔物が集団で押し寄せてくるのだ。そんなものをたった一人で止めようなどとはまず考えないだろう。少なくとも国家規模の戦力を集める。

しかし、グレンはたった一人で止めたのだ。大量に押し寄せてきた魔物を炎で焼き尽くし、辺り一面を焼け野原に変えた。その光景を知っている者は誰もがグレンこそ最強の炎使いと認識している。

セツナは当時の事は知らないが話には聞いている。それに何度か一緒に魔物討伐の任務をこなしているのでグレンの強さを知っている。

だからこそ、まだ若く完成もされていないレオルドがグレンに真っ向から戦えているのが凄いとセツナは感じているのだ。

(でも、ダメ。まだ、届かない)

凄いとは思っているが、やはりまだレオルドではグレンに届かないと確信していた。まさにその通りであり、猛攻を仕掛けているのはレオルドであるのに傷ついているのはレオルドの方なのだ。

対してグレンはというと、隷属の首輪のせいで感情は読み取れないが、その身体には傷一つない。

(やっぱり、グレン様は強い……! 彼も強いけど、グレン様は次元が違うっ!)

助けに入ろうとしてもレオルドとグレンがゼロ距離での超速戦闘をしている為、セツナはただ見ているだけしか出来ない。

「るぅぅぅああああああああああ!!!!」

咆哮を上げるレオルドの速度が増した。先程よりもさらに速度を上げて拳を蹴りを魔法を放つ。

しかし、どれだけレオルドが速度を上げようともグレンには一切攻撃が当たらない。それなのに、グレンの攻撃は的確にレオルドへと当たる。

「づっぅ!!!」

グレンの拳が当たるたびにレオルドは小さな悲鳴を漏らしている。

(くそ! 分かっていたけど強い! それに炎のせいで火傷を負う!)

分かっていてもどうすることも出来ないレオルドはとにかくグレンの攻撃を避けるしかなかった。

運命48(ゲーム) でもグレンと近接戦闘を行うと必ず火傷を負うことになる。これはグレンが先代皇帝から授与された古代の遺物が理由である。

グレンの装備はほとんどが火にまつわるもので、服やマントには熱耐性が備わっている。そして、手袋に至っては古代の遺物、 劫火の拳(イグニス・フィスト) と呼ばれる炎魔法を纏う事が出来る代物である。

だから、グレンはどれだけ炎魔法を使おうと自身に危害が及ぶ事はない。そして、近付いて劫火の拳で相手を殴れば必ず火傷を負わせることが出来る。

そのせいでグレンと戦闘すれば火傷のスリップダメージを受ける事になる。

それが現実となると、それはもう堪らないだろう。常に火傷の痛みを味わい続けるのだから。

(ああっ! クソ! 想定した以上だよ、くそったれが!)

心の中で盛大に悪態を吐きつつ、レオルドはグレンから距離を取る。元々、ボロボロだった服は先程の戦闘で完全に焼けてしまった。

上半身裸となったレオルドは所々に火傷を負っており、見ていて痛ましい姿になっている。

これが昔のレオルドだったならば、子豚の丸焼きか 焼豚(チャーシュー) になっていたのは間違いない。

(少しは良い勝負が出来ると思ったんだがな……)

セツナが味方になったことでレオルドは少し調子に乗ってしまったようだ。今の自分ならグレンと真正面から戦えるのではと勘違いしてしまった結果がこれである。

「セツナ! 魔法戦に切り替える!」

「わかった。そっちなら得意だから任せて」

接近戦では不利であると判断したレオルドは魔法を主体とする戦闘に切り替える。セツナにもその意向を伝えてレオルドは魔力を練った。