軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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餓狼の牙の非戦闘員を引き連れてレオルドはゼアトへと帰ってきた。ひとまず、彼らをどうするかと悩んだレオルドは建設していた集合住宅へ案内することにした。誰がどこに住むかを決めて書類に纏める。

「あ、あの私達お金は持っていないのですが……」

いきなり案内された場所は真新しい新居で餓狼の牙に保護されていた人達は不安に震えていた。何を要求されるのだろうかとレオルドを見て怯えている。

「金については後でいい。しばらくはここで生活の基盤を整えろ。足りないものがあれば用意しよう。言っておくが、ずっとは無理だからな。いずれは働いて返してもらうぞ」

「そ、それは全然構わないのですが、そこまでの施しを貰ってもよろしいのでしょうか?」

「礼ならジェックスに言うんだな。俺はジェックスとの約束を果たしただけに過ぎん」

その事を伝えると保護されていた人達はジェックスにお礼を述べている。ただ、やはりまだ何かあるのではないかと疑っている。ジェックスのことは信じられてもレオルドのことはまだ信じ切ることが出来ないようだ。何か裏があるに違いないと思っていた。

(はあ〜、あれ絶対疑ってるよな)

ちらちらとこちらを窺うような視線に気づいたレオルドは分かっていたとは言え面倒だなと肩を落とすのであった。

とりあえず、餓狼の牙に保護されていた人達に新居を与えた後、レオルドはジェックスに今まで餓狼の牙が盗んだものについて訊くことにした。

「ジェックス。お前達が盗んだものについてなんだが、すぐに取りにいけるか?」

「いいや。ちょっと、難しいな。盗んだものは別の場所に隠してるからな」

「先程の場所よりもか?」

「ああ。だから、すぐには無理だ」

「そうか……なら、お前には何をしてもらおうか……」

腕を組んだレオルドはジェックスに何をさせるべきかと思い悩む。そこで、一つレオルドは思いついた。

「ジェックス。お前は盗賊をやってたんだから隠密行動とか得意か?」

レオルドはジェックスを自身の隠密部隊として起用しようと考えた。今まではギルバートに情報収集などさせていたが、餓狼の牙が配下に加わったのだからより多くの情報が集まるのではと考えた。

「まあ、苦手ではないけど……俺は基本戦うのがメインだったからな〜」

「じゃあ、誰が情報とか集めていたんだ? お前達が襲撃する相手は悪党ばかりだったが、誰がそういった情報を?」

「ああ、それは基本カレンだな。あいつはスキルが隠密に向いてたからな」

「どんなスキルか訊いてもいいか?」

「構わねえよ。あいつのスキルは『 無音(サイレント) 』だ」

(あれ? それってギルも持ってた気が……)

スキル、 無音(サイレント) とは文字通りの能力で、自身を中心に半径一メートルを無音状態にする。つまり、足音などを消すことが出来る。窓ガラスを割って入ってもバレることがないので隠密行動には最適なスキルの一つである。

そして、効果範囲に他の人間が入れば同様の効果を得る。ギルバートはこのスキルを駆使して伝説の暗殺者へと至ったのだ。ちなみにギルバートの無音の範囲は五メートルである。これは使用者の熟練度によって変わってくるのだ。

「ふむ……ならば、カレンを諜報員として起用しよう。お前はその統括だ」

「統括ってどういうことするんだよ?」

「まあ、基本は餓狼の牙でやってたことだ。そう難しいことではない」

「つまり、あんたの手足となって情報を集めたりすればいいんだな?」

「そういうことだ。あー、だがカレンが断ると言うならこの話はなしにしてくれても構わん」

「いや、俺が頼めばやってくれると思う。だから、安心していいぞ」

「ん、そうか。なら、頼もう」

これでレオルドは新たに餓狼の牙という諜報部隊を手に入れた。しかし、このことを国王にどう報告するべきかと、とても思い悩むことになる。なにせ、餓狼の牙は犯罪者集団だからだ。レオルドはなんとかして、他の者を黙らせる材料を早急に手に入れるべきだと考えた。

(自動車を完成させれば……いや、まだ弱いか? 転移魔法並の功績は難しいな。待てよ?

ジェックス達に貴族の弱味を探らせて脅すほうがいいか?

元々、ジェックス達は貴族に恨みを持ってるから丁度いいかもしれないな)

方針が決まったレオルドはジェックスに提案する。

「ジェックス。餓狼の牙を集めていくつかの貴族の情報を集めてほしい。そうだな。お前達が襲った貴族がいい。お前達が俺の配下に加わったと知ったら何をしてくるかは分からんが、ろくなことにはならないからな」

「ははっ。それくらいならお安い御用だ」

「報酬は弾む。ただ、お前は盗んだものの案内だがな!」

「分かってるって。そんなに欲しいのか?」

「当たり前だ!」

運命48(ゲーム) で存在している三つの蘇生アイテムの内の一つが後少しで手に入るかもしれないというのだから、レオルドが必死になるのも仕方がないだろう。レオルドにとってはそれこそが最重要事項なのだから。

運命に抗い、死亡エンドを回避するために今まで頑張ってきたのだ。今では忘れがちになっているが本来の目的は死亡エンドを回避して生き延びることなのだ。領地改革も大切であるが、それだけは譲れないレオルドであった。