軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

150 s

サンドラス甲鉄城冒険者ギルド。

各町に存在するNPC運営のギルドだ。

内部は他のギルドとさほど代わり映えせず、荒くれ者の酒場といった風景。そんなギルドの奥のテーブル、およそ10人ほどが座れそうな広い丸型テーブルにワタルとアルバは居た。

そして、東西南北に座るプレイヤー達。

ワタル達含めて7人がテーブルを囲う。

目の前には豪華な料理が並び、南の位置に座るワタル達の対面――北の位置に座る2人組だけが、すでに食事へと手を付けていた。

「よお。長旅お疲れ様」

そう発したのは、北の位置に座る一人。

癖のある黒髪と赤い瞳の男。

動物で形容するなら蛇といった所か。

冷たい目、そして声の持ち主。

隣に座る男は豪快に食事を続けている。

彫りの深い美男子。胸から肩にかけて太陽を模したサモア系のトライバルタトゥーが彫られており、見た目から暴力的な印象を受ける。

八岐(ヤマタ) 。

最前線ギルドのうちの一つ。

在籍プレイヤー70名程で構成された戦闘集団で、元々はPvPメインで活動していた対人戦専門のギルドだ。

特徴的なのは八人の精鋭から成る幹部達。

ギルドの意向により、幹部八席を奪い合うため頻繁に一対一の「 順位入れ替え(シャッフル) 決闘(デスマッチ) 」が行われていたが、デスゲーム化した現在でもその伝統は継続されている。

幹部はその時々の最強達が席につき、驚くべきことにその中にはギルドマスターをも含まれる――つまり、現在ギルドマスターを名乗っている者こそ 八岐(ヤマタ) の最強プレイヤーということになる。

癖のある黒髪がマスターの Hiiiiive(ハイヴ) 。

タトゥーの男がサブマスターのアランだ。

続いて動きを見せたのは東側に座る二人。

「今朝エマロから出発したと聞きましたが、ずいぶんハイペースで移動されたんですね」

落ち着きのある、よく通る声が響く。

白のローブに身を包んだ白髪の男性。

見た目は30代後半くらいだろうか。

自信に溢れるような笑みを浮かべている。

隣には同じ衣装の女性が座っていた。

10代後半くらいの黒髪美人。

女性は目を伏せ、何も発しない。

aegis(イージス)

保護や庇護を意味する名前のギルド。

鎧という制服で意識を統一する紋章と同じく、白のローブを制服とするギルド。クエスト攻略、エリア攻略、ボス攻略など効率重視のプレイを好むプレイヤーが多く在籍する。

白髪男性がマスターの 白門(シロカド) 。

目を伏せている女性が 松(マツ) といった。

目を伏せている――という点では西側に座る女性も同じか。ただ、彼女に関しては顔まで塞ぎ込み、その造形を形容することはできなかった。

「では顔合わせということで、もう食べてる方もいらっしゃいますが乾杯でもしましょうか」

そう切り出すシロカド。

ハイヴが不服そうに睨み付けた。

「なんでお前が仕切るんだよ」

「貴方じゃ適当に終わらせて解散でしょう?」

黙り込むハイヴ。

沈黙を肯定ととったシロカド。

にこやかな笑顔のままグラスを掲げる。

「では、紋章ギルド合流を祝して――乾杯」

険悪そうな雰囲気で始まった最前線ギルドのマスター達による顔合わせ。事実、ここにいるプレイヤーが、現段階において35万人の命運を握っていると言っても過言ではない。