軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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「じゃあそろそろ出発しよっか」

バーバラの言葉に全員が頷く。

そして最後の戦闘場所へと足を進める一行は、何かと戦闘を繰り広げる、野良パーティらしい集団を目にした。

「犬使い?」

最後の戦闘場所に轟音が響く。

必死に戦う六人組と、それに対峙する三匹の猟犬。

「もう 再沸き(リポップ) したのかよ」

「だとしても1日に2回も遭遇するなんて本当に稀」

悪態をつくラオ。

怜蘭が言うように、通常のmobとは違い、ボス級mobである犬使いはリポップまでにかなりの時間を有する。その上、この広大なエリアで2度も遭遇する確率は、目の前に突然侵攻が発生するよりも稀である。

「苦戦してる――?」

異変に気付いたのはショウキチだった。

野良パーティは猟犬相手に悪戦苦闘しており、ちぐはぐな連携だが上等な装備を付けているためか、悪い状況でも致命傷を負わずに済んでいるように見える。

とはいえ、のんびり考察している時間はない。状況はかなり切迫した状況にあるようだ。

考えるよりも先に足が動くショウキチ。

コンマ数秒遅れ、修太郎も駆け出した。

「私達も!」

数秒遅れてバーバラ達も動き出す。

その頃にはすでに修太郎が、逃げ惑うプレイヤーを追いかける猟犬Aに飛び掛かっていた。阿吽の呼吸でショウキチは猟犬B討伐を加勢している。

『我々で処理しますか?』

そう尋ねるセオドール。

修太郎は後方を確認し、かすかに微笑んだ。

『ううん、今回は大丈夫――』

「《火炎柱》」

赤色に光るケットルの瞳。

発動したのは昇級によって得た新スキル。

ケットルはそのまま杖を素早く操作し、大技を溜めていた猟犬Cの足元を指定する――と、周囲の温度が一気に上がった!

地面から噴き出す灼熱の火柱。

それは猟犬Cの顎の下から抉り上げるように天へと伸び、無警戒だった猟犬Cは宙を舞い、20%ものHPが一気に消える。

「《五連撃》!」

ショウキチの新スキルも発動する。

剣士スキル最大の攻撃力を誇る三連撃を更に超える五連撃は、猟犬BのHPを合計25%削る――そして追撃する形で螺旋回転する一本の矢が眉間を貫き、更に10%のHPを失った猟犬Bは後方へと弾き飛ばされた。

激昂した様子の死刑囚マンバルドが武器を振り下ろすその刹那――ラオの怒号が墓地に響き渡る。

マンバルドの体が弾き飛ばされた。

盾役のスキル《威嚇》によるものだった。

起き上がることができないマンバルド。

犬達がそれに気付き、一斉にラオを見た。

「一気に集めるぞ。《こっちだ!》」

戦斧を構えながら闘気を放つラオ。

別々の対象に向けられていた猟犬達のヘイトは《挑発》によって全てラオに向けられた。その間にバーバラは負傷した野良パーティの回復を行い、混沌とした戦場が一気に整っていく。

宙を舞っていた猟犬Cが爆散する。

細長い十字架の大剣を手に、静かに着地する怜蘭。

雪のように舞い散る mobの死体(光の塵) が降り注ぐ。

「まずは一匹」

残りのmobを睨む怜蘭。

野良パーティの表情に安堵の色が浮かんだ。

一度苦戦を強いられた第7部隊――

しかし、大幅にレベルも上がり昇級もした事により、形勢は完全に逆転していたのだった。