軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

4 クマさん、鏡に映った自分の姿を見てorz

美味しい食事で満足して二階の部屋に案内してもらう。

フィナには感謝しなくちゃいけないね。森から街まで案内してくれて、料理が美味しい宿を教えてもらい。

命の恩人だ。

「お風呂は空いてますから入っても大丈夫です。でも長湯だけはしないでくださいね。待つ人がいますから」

「了解」

「あと、朝食は6時から8時までの間です。遅れたら出ませんから気をつけてください」

エレナは一通り説明をすると下に降りていく。

残されたわたしは部屋の中に入る。

一人部屋だからそれほど広くはない。

ベッドと小さな机が付いているぐらいだ。

アイテムボックスがあるので荷物が邪魔になることはない。寝るだけなら十分な広さだ。

部屋を見渡していると壁に鏡があるのに気づく。

改めて自分の姿を確認する。

orz

恥ずかしい。

間違いなく、くまさんの格好だ。

女の子がたまに部屋着で着ているような、くまの服。

この格好で外を出歩いていたとか、もう、恥ずかしくて外を歩けない。

もう一度、力を振り絞って鏡を見つめる。

そこで違和感に気づいた。

「現実のわたしの顔……」

鏡に映っていたのは現実のわたしの顔だった。

ゲームキャラの顔は輪郭は同じだが、髪の色や髪型は異なっていた。ゲームでは銀髪のツインテールだった。

鏡に映っているのは腰まで伸びる黒髪のロングストレート。引きこもりのわたしが美容室なんて面倒なところに行くわけもなく。段々と伸びた髪だ。

髪型も面倒なので、そのままストレートのままだった。

その現実の姿の顔、髪の色、髪型が鏡に映っている。

身長もゲームの中では十cmほど高くしてあった。改めて確認すると、どう見ても現実の身長しかない。

小さくないよ。

平均より少し小さいだけだよ。

本当だよ。

でも、これで嫌でもこの世界がゲームの世界ではないと知った。

どこかでゲームの世界だと願っていたが現実だと知ると一瞬ショックを受けたが、ショックを受ける理由がないことに気づく。

わたしの親はどうしようも無い親だったし、友達もいないから親友なんてもちろんいない。日本に残してきたのは株で稼いだお金ぐらいだ。でも、そのお金も神様の手紙によればこちらのお金に両替してあるっていうし。

日本に残した名残惜しいものは娯楽と食べ物ぐらいだろう。

でも、この世界だって楽しいことはあるだろうし、食べ物もこの宿の料理も美味しかった。

引きこもろうと思えば引きこもれる。でも、残念なことに、この世界で引きこもってもネットもテレビも無いからつまらなそうだ。

まあ、この世界がゲームと思えばいろんなところに行って楽しむのもいいかもしれない。

そう考えると楽しくなってきた。

「よし、明日に備えて風呂に入って寝よう」

エレナに風呂場の使い方を聞く、後で困ることになるよりは、始めのうちに聞いておいた方がいい。この世界で知らないことの方が多いんだから、これから何度も聞くことがある。

「この魔石に触れればお湯と水が出ますよ」

そんなことも知らないのですか? って顔で見られる。

うん、知らないよ。

エレナさんが宝石みたいなところに触れると水が出てくる。

わたしはエレナさんにお風呂の使い方を教わり、1人になると、脱衣所でクマさん装備を外していく。クマのてぶくろを外し、クマの服を途中まで脱ぐ。

orz。

クマの服の下は下着姿だった。

ぱんつとブラジャーのみって…………。

わたしはこんな格好で街の中を歩いていたの。

シャツぐらい頂戴よ。

そういえば、代えの下着は持っていないから買わないといけないな。

クマの服を脱いで、ぱんつを脱ぐ。

うん?

気になったものが目に入った。

ぱんつをおもむろに広げてみる。

「なんだこりゃ──────」

ぱんつにはくまさんの絵が付いていた。

しかも、白くまと黒くまの二匹。

この世界に呼んだ神様の趣味か。

「深く考えるのはよそう」

風呂に入り、今日の疲れを取る。

長風呂は禁止されているので早めにあがる。

着替えもないから先ほどのくまさんぱんつからクマの服を着なおそうとする。

「明日は買い物かな」

クマの服に手をかけてたとき思い出す。

裏返しにして白くまにして着ると体力が回復するって書いてあったことを。

試しに白くまにして着てみる。

癒されている感じが伝わってくる。

体が内側からぽかぽかと温まる。

「おお、これは意外といいかも」

部屋に戻ると今日の疲れをとるためにふとんの中に入る。

気持ちいい。

「おやすみ~」

誰も聞くことのない挨拶をして眠りに就く。

早く寝たためか早く目覚めた。

白クマ効果なのか、疲れが残っていない。

だんだんとクマ装備が外せなくなる。

これは呪いの装備かも知れない。

スキルが高いが見た目がクマさんとか、かっこいい熊の装備だったらいいのに。

朝食の時間まで少しあるみたいだ。

ステータス画面を呼び出す。

名前:ユナ

年齢:15歳

レベル:3

スキル:異世界言語 異世界文字 クマの異次元ボックス

装備

黒クマの手(譲渡不可)

白クマの手(譲渡不可)

黒クマの足(譲渡不可)

白クマの足(譲渡不可)

クマの服(譲渡不可)

クマの下着(譲渡不可)

変な装備の項目が増えている。

クマの下着

どんなに汚れても汚れない。

汗、匂いも付かない優れもの。

装備者の成長によって大きさも変動する。

引きこもりに最強の装備が来た!!!

いやいやいや、それは十五歳の乙女として駄目だろう。

でも、装備者の成長によって大きさも変動するってありがたいかも、今は、薄い胸板だけど。将来、巨乳になるわたしには必要だ。

いちいち、下着のサイズを変えないですむのだから。

朝食を食べるために一階に降りるとエレナが雑巾を持って掃除をしていた。

「おはようございます」

「おはよう、食べれる?」

「はい、大丈夫です」

エレナがジロジロと見ている。

「なに?」

「今日は白いですね。とても似合ってますよ」

素敵な笑顔で言われた。

すっかり忘れていました。

今は白クマです。

黒クマだから恥ずかしくないわけじゃないけど。

着替えるのも面倒なので白クマ姿で朝食を食べる。

出されたパンもスープも美味しかった。

お金もあるから引きこもりにはいいかも。

部屋に戻って黒クマに着なおす。

今日の予定を考えてみる。

1、着替えを買う(下着含む)。

2、身分証明書を作る(冒険者ギルドに行く)。

3、装備が欲しい(剣が欲しい)。

4、情報収集(図書館か本屋かな)。

5、自分の強さの把握(ウルフは余裕だった)。

エレナから冒険者ギルドの場所を聞くと昨日ウルフの素材を売った建物の隣りだそうだ。

身分証明書がないといろいろ面倒なので冒険ギルドに向かうため宿を出ると。

「ユナお姉ちゃん、おはようございます」

「フィナ、どうしたの?」

「改めてお礼をしようと思って、あと、宿の方はどうだったかと思って」

「うん、宿は良かったよ。食事も美味しかったし、お風呂もあったのは嬉しかった。とりあえず、十日分払ったよ」

「気に入ってもらえて良かったです」

フィナの顔が笑顔になる。

「フィナの方は大丈夫だった?」

「はい、ちゃんとお母さんに薬を飲ませることができました。それで、ユナお姉ちゃんはどこに行くのですか?」

「わたしはギルドで身分証作りにそれから街の中を回ってみようかと思っているけど」

本日の予定を説明する。

「わたしもギルドに一緒に行っていいですか?」

「別にいいけど、身分証作るだけよ」

「わたしも仕事があるか聞きに行きますから」

「仕事?」

「昨日、わたしが剥ぎ取りの仕事をしているって言いましたよね。その仕事をくれるのがゲンツさんなんです」

「ゲンツさん?」

「ああ、昨日ウルフの素材を買い取りしてくれた人です。冒険者の人が剥ぎ取りもせずに大量に魔物を持ち込んでくるときがあるんです。そんなとき、わたしがお手伝いさせてもらっているんです。だから、毎日朝一で確認しに行くんです」

「ああ、昨日、そんなこと言っていたね」

十歳ほどの女の子なのに、あんなに魔物の剥ぎ取りが上手いわけだ。

納得する。

「だから、ゲンツさん、フィナのことあんなに心配していたんだね」

「いつも、お世話になりっぱなしです」

もしかして、ロリコン……

「ゲンツさん、うちのお母さんが好きみたいなんです」

そっちか、わたしの心が汚れているのが確認された。

少女と大人の男性の組み合わせを考えるとロリコンと考えるのは現代の悪い病気だ。

ゲンツさんとフィナのお母さんの話を聞きながら歩いていると、昨日ウルフを売った建物が見えてきた。

もちろん、ここに来る間、視線を浴び続けましたよ!