軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

66 クマさん、ノアのために頑張る

王都に来て数日が過ぎた。

今日もフィナとノアの二人を連れて王都見物を楽しんでいると、王都の中を走っている冒険者に出くわす。

そのあとにも冒険者が何人も慌ててギルドに向かう様子があった。

何かあったのかな?

「ちょっと気になるからギルドに行くけど2人はどうする?」

「わたしも行きます」

「わたしも」

まあ、依頼を受けるわけでもないし、大丈夫だろう。

冒険者ギルドに着くと、騒がしくしている者、心配そうな顔をしている者。悩んでいる者。さまざまな冒険者がいた。

そんな中、叫んでいる冒険者の声が聴こえる。

「どうするんだ!」

「ただいま、ギルドマスターが調査の結果を検討中です。すぐにギルドから発表がありますからお待ちください」

多くの詰め寄る冒険者に一生懸命にギルド職員が対応している。

「ユナお姉ちゃん。なにかあったのかな」

「みたいね」

とりあえず、説明をしてくれるそうな人がいないか見渡してみる。

王都に来る途中で出会ったマリナをみつける。

「マリナ、何かあったの?」

「ユナ」

「何か騒がしいんだけど」

「ああ、何でも魔物の群れが発見されたらしい。そのときに何人か冒険者が死んでいる。その報告を受けたギルドが調査させて、その調査した冒険者が先ほど戻ってきたんだが、良い情報っぽくないみたいなんだ」

「今、分かっている情報はあるの?」

「ゴブリン、ウルフ、オークの群れが見つかっている。あと、空にワイバーンが数体いるのを見ている冒険者もいる」

「ワイバーンって近くにいるものなの?」

「そんなわけないだろう。王都の近くにワイバーンがいるなんて聞いたこともない」

話を聞いていると、奥からギルドマスターのサーニャさんが出てくる。

それにともないギルドの中はさらに騒がしくなる。

「今から、説明するから騒ぐな!」

その言葉でギルドの中は静かになる。

「斥候隊の持ち帰った情報によると、ゴブリン、ウルフを合わせて1万以上。さらにオークが500体。ワイバーンも未確認だが群れていることが確認された」

その言葉を聴いて冒険者たちがまたも騒ぎ出す。

「まさか、俺たちだけで討伐するなんて言わないよな」

「いま、城にも情報を持って行かせている。王都にいる兵士と一緒に討伐することになるだろう 。だが、王都は誕生祭のため準備に時間がかかる」

「そんなことを言っている猶予があるのか!」

「いまのところ動く気配はない。でも時間の問題だ」

「なんで、今まで誰も気づかなかったんだ」

「いや、街道に出現したオークの報告はあがっている。ゴブリンもウルフの数の報告も増えている。だから現在、西への移動も止めている」

西って、確かクリモニアの街があるほうじゃない。

そのことを聞いたノアが青ざめている。

「お父様が」

「もしかして、クリフが来る予定って」

「うん、もうすぐのはず」

「護衛も付いているはずだから、群れで襲われない限り大丈夫よ」

「うん」

でも、ノアの顔色は悪い。

「フィナ、悪いけど、ノアを家に送ってあげて」

「ユナお姉ちゃんは?」

「もう少し話を聞いていく。たぶん、冒険者は全員参加だと思うから、わたしが帰らなくてもちゃんと寝るんだよ」

「わかりました」

フィナはノアを連れてギルドの外に出ていく。

「無理だ! そんな数に勝てるわけがない」

「今、各地から高ランク冒険者を呼んでいる」

「間に合うのか」

「それは分からない。冒険者全員にはランク別に討伐にあたってもらう。Eランク、Dランクにはゴブリン、ウルフの討伐。Cランク以上にはオークの討伐、それが終わったらワイバーンの討伐にあたってもらう。Fランクには後方で物資の補給、怪我人の手当てをしてもらう。出発は明日の朝、西の門に集合する。準備は各自でしてくれ、以上だ。他に質問はある?」

「報酬は?」

「ランクごとに払わせてもらう。流石に討伐数は把握できない」

「ワイバーンを討伐した場合の素材は」

「今回の魔物は全てギルド扱いになる。誰がどのくらい討伐しようとも関係はない。今回は緊急依頼となる。あと、現在受けている依頼は全て停止とする。今から、各門に外出禁止令を出すから、そのつもりでいてくれ」

急がないと外に出れなくなるな。

知りたい情報も得たのでギルドを出ると、先に帰らせたはずのフィナとノアがいる。

「2人ともどうしたの?」

「ユナさん、お父様大丈夫かな」

「明日の朝、冒険者が出発するからそれに合流できれば大丈夫だと思うよ」

問題はいつ群れが動くかだ。

ゲームのイベントみたいになっているけど、死んだら生き返らないんだよね 。

「ノア悪いけど、しばらくフィナを預かってもらえる? 一人だと心配だから」

「はい、大丈夫です」

「それじゃ、お願いね」

ノアも母親やメイドさんたちがいるけど、一人にさせておく時間は短い方がいいだろうし。

「ユナお姉ちゃん、死なないで」

「わたしが死ぬわけないでしょう」

2人の頭を撫でてあげる。

2人と別れた後、走って西門に向かう。ギルド職員が門に着く前に先回りをする。

わたしは門兵にギルドカードを見せる。

門兵の反応はない。

間に合ったようだ。

外に出てくまゆるを呼び出す。

さすがに知り合いを見殺しにするのは気が引けるからね 。

クリモニアの街の方向に向かう。

くまゆるの最高速度で走る。

馬よりも速く、走り抜ける。

わたしが強くなるとこの子たちも強くなるのかな。

間違いなく初めて会った頃よりも速くなっている。

数時間で馬車で5日ほどかかる場所にたどり着く。

この辺りはグランさんの馬車がオークに襲われた場所の近くだ。

探知魔法を使用しながら走っていると魔物が大量に引っかかる。

あっちの森の中か。

遠くに森が見える。

魔物はまだ、動いていない。

どうするかな。

クリフと合流するか、それとも魔物を討伐するか。

ワイバーンは分からないけど、ゴブリンやウルフの攻撃を喰らってもクマの防具のおかげで痛くもない。オークの攻撃を喰らうと吹っ飛ぶけど、それだけだ。

踏ん張れば受け止めることもできる。

仕方ない、今回だけ頑張るか。

わたしの平穏な生活のために。

くまゆるを森に向ける。