軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

アニメ番宣小説 その3

わたしとフィナは、テレビの前に座ってアニメが始まるのを待つ。

そして、くまクマ熊ベアーアニメ第2話が始まる。

第2話を見たフィナの一声が次の言葉だった。

「うわぁ、ユナお姉ちゃんが、クマさんじゃない服を着ています」

フィナは元の世界にいるわたしのシーンを見て、そんなことを言い出す。

いや、他にも気になるところがあるんじゃない?

部屋とか、いろいろと。

でも、フィナにはわたしの格好がクマじゃないことに目がいき、周りには目が向いていないようだ。

そして、オープニングの曲が流れる。

フィナの体は歌に反応するかのように動いている。

「歌上手です。わたしも、こんなに上手に歌えたらいいな」

えっと、確か、この歌を歌っている人って、フィナの声を当てている人だよね。

PVでフィナの声を聞いたけど、フィナの声とそっくりだった。

神様、どうやって見つけてくるのかな。

「フィナも練習すれば上手になるよ」

「だったら嬉しいです」

でも、カラオケとかないし、音楽がないから難しいかな?

テレビを送ってくれるぐらいだから、神様に頼めばCDと音楽プレイヤーぐらい送ってくれるかな?

わたしが考え事をしている間にオープニングが終わっており、クマ装備を身につけたわたしが森の中に登場していた。

「クマさんです」

クマの格好を見た、フィナが喜ぶ。

そして、神様のやり取りを見て、「ユナお姉ちゃんは神様の使いです」とか言い出し始めた。

別に神様の使いじゃないんだよね。

特に連絡を取り合っているわけでもないし、この世界を救ってほしいと頼まれたわけでもない。そもそも魔物はいるけど、魔王はいないし。いないよね?

考え事をしている間もアニメは進んでいる。

「あっ、誰かが助けを求めています」

いや、それ多分、フィナだからね。

わたしの予想どおりにフィナがウルフに襲われていた。

アニメのわたしは颯爽とウルフに襲われているフィナを助ける。

『わたしを食べますか?』

アニメのフィナがわたしに尋ねる。

「どうして、あのとき、わたしに食べられると思ったの?」

「その、あのとき、ウルフに襲われて、食べられちゃうのかなと思っていたんです。そしたら、クマの格好した女の人が現れて、ホッとして、なんとなく言葉が出ちゃったんだと思います」

アニメではわたしがクマさんフードを取る。

クマのフードの下から現れたのは、美少女。

「誰? この美少女?」

「ユナお姉ちゃんですよ」

「いやいや、輝いているよ」

いくらアニメでも誇張しすぎだ。

ほら、写真で見ると可愛いけど、実際に会ってみると可愛くないってあれだ。

どうやら、アニメには美少女補正が入っているみたいだ。

実際のわたしを見たら、落ち込むパターンだね。

もしくは、違いすぎて気付かれないとか?

そして、わたしとフィナは一緒にクリモニアに向かう。

街の中を歩くわたしとフィナ。

やっぱり、クマの着ぐるみの格好は目立つ。

みんな見ているよ。

今はクリモニアでは落ち着いたけど、数ヶ月前までは、こんな感じで見られていた。

でも、他の街にいけば、こんな感じで今でも見られる。

それから、アニメのわたしはフィナと一緒に冒険者ギルドにウルフを売りに行ったり、街の中を案内してもらったりして、最後はわたし一人で宿に行く。

現実どおりだね。

「ユナお姉ちゃんは、他の場所から神様に連れてこられたんですよね?」

「うん、まあ」

もしかすると、フィナは他の国と思っているかもしれない。

「お母さんとお父さんに会えなくて、寂しくないんですか?」

「両親は家に、ほとんどいなかったし、昔から一人でいたから、寂しくはないよ」

そんなこともあって、引きこもり生活になり、料理、洗濯も自分でするようになった。

初めは苦労したけど、懐かしい思い出だ。

わたしだって、なんでもかんでも初めからできたわけじゃない。その経験があったから、この世界でも一人で暮らしていける。

もっともクマ装備がなければ初めて会ったウルフに殺されていたと思うけど。そうなるとフィナもウルフに殺されて、ティルミナさんは亡くなって、シュリは孤児院に行くことになって、クリフのせいで、孤児院が大変なことになって、みんな不幸なことになってたかもしれない。

クマ装備に感謝はしにくいけど、なかったら不幸になっていた人がいたことも事実だ。

なんとも言えない気持ちになる。

「そうなんですね。わたしだったら、お母さんに会えなかったら寂しいです」

もっとも、フィナと出会わなかったら、この世界を楽しんでいなかったかもしれない。

そもそも、クリモニアから離れて、ティルミナさんやシュリに会うこともなければ、ノアにも会うことがなかったはずだ。

そうなれば、王都でエレローラさんやシアに会うこともなければ、城でフローラ様や国王陛下や王妃様にも会わない。シアと仲良くすることがなければ、学園祭を見学することもなかったかもしれない。

別の人生を歩んでいたかと思う。

そう考えると、わたしの人間関係は全てがフィナから始まっている気がする。

「フィナに会えてよかったよ」

わたしは隣にいるフィナの頭の上にクマさんパペットを置く。

フィナは恥ずかしそうに「うん、わたしもユナお姉ちゃんに会えてよかった」と満面の笑みで答えてくれた。

話している間もアニメは続き、クマ装備の確認をしたり、冒険者になったりした。

やっぱり、見た目さえ気にしなければ、神装備だよね。

そして、最後にフィナとパートナーになってアニメ2話が終わる。

それが、今もこうやって続いているから、本当に不思議だ。

この関係がいつまで続くか分からないけど、長く続いてほしいものだ。

フィナに彼氏ができたり、結婚したりしたら……。

「ユナお姉ちゃん、なんで泣いているんですか!」

「いや、フィナに彼氏ができたり、結婚したことを想像したら、寂しいと思って」

「ユナお姉ちゃん、お父さんと同じこと言ってます。お父さんも、『いつかは、フィナも嫁に行っちゃうんだよな』と言って、お酒を飲んでいます。わたし、まだ、11歳なのに」

「人が成長するのは早いものだよ」

「それもお父さんがいつも言っています。それに、わたしより、先にユナお姉ちゃんが結婚だと思います」

「ああ、それはないから安心して」

わたしは即答する。

わたしが誰かと結婚なんて、想像もつかない。

一人で寂しく、歳をとっていくのが容易に想像できてしまう。

それはそれは寂しいけど。

「それじゃ、わたしが一緒にいます」

「いや、それはダメでしょう」

「ダメなんですか?」

「嬉しいけど、フィナには幸せな家庭を持ってほしいし」

「わたし、ユナお姉ちゃんと一緒にいて、楽しいし、幸せだと思うよ」

「……フィナ。……それじゃ、わたしが結婚できなかったら、よろしくね」

「はい!」

そして、アニメはエンディングが終わる。

フィナは自分の絵が動いていることを不思議に思ったけど、最終的には、楽しそうに見ていた。

アニメ2話を見て数日後、3話の情報を確認しようとしてテレビをつけ、唯一繋がるアニメ公式サイトを確認しにいく。

そこには驚くことが書かれていた。

「冗談でしょう!」

わたしの目に入ってきたのは、わたしのフィギュアだった。

それも大人気ねんど〇いどだ。

わたしがデフォルメされて、ねんどろ〇どになっている。

ちょ、誰がわたしのフィギュアなんて欲しがるの!?

ここは作るなら、フィナでしょう。もしくはマスコット的にくまゆるとくまきゅうとか。

どうしてわたしなのよ。

それにフィギュアになれば、いろいろな人のところに売られていくってことだ。

「神様! わたしの許可もなく、こんなの作って売らないでよ」

わたしが叫ぶと

チロリンと音が鳴る。

『みんな欲しがっています。これから、フィギュアだけでなく、ユナちゃんのグッズがたくさん増えていきます』

「そんなことして許されると思っているの」

『神が全て許します』

「ちょ」

『きっと、元の世界に戻れば、大人気ですよ』

また一つ、元の世界に戻りたくない理由が増えた。

「それじゃ、フィナやくまゆるとくまきゅうのねんど〇いども作ってよ」

『それはメーカーに言ってください』

「いや、あなた神様でしょう」

『神でも、できないことはあります』

使えない神様だ。

『きっと、ユナちゃんのねん〇ろいどがたくさん売れれば、作られますよ』

それはそうだ。人気になれば、他のキャラも作られる。人気がでなければ、作られない。

なんだろう。自分のフィギュアが売れてほしくない気持ちと、売れて、フィナたちのフィギュアが作られてほしいと思うジレンマになる。

そして、わたしはフィギュアのことは忘れることにして、第3話の情報を見ることにする。

ああ、ルリーナさんとゴブリン討伐に行ったら、ゴブリンキングに遭遇した話をやるのか。アニメ公式サイトの情報だと、くまゆるとくまきゅうの画像もある。くまゆるとくまきゅうも登場するのかな?

次回はくまゆるとくまきゅうと一緒に見ようかな。