軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

3-8.クロウの特訓

一泊二日の国境山脈からの帰ってきた兄さんとナーガ君からお土産を貰った。

沢山の素材、知らない物がかなりあった。そして、いくつかの素材についてはキャロとロットが見付けたという申告をされた。その上で……。

「百々草で作っていることを隠すにあたって、ちょうどいい理由が出来たじゃないか。大量に取っていても不自然じゃないだろう? 目立つ行動を控えるなら、百々草の採取は止めるべきだと考えていたしな」

「いや、セージの葉はまだまだ不足しているから……」

「それなら、尚更、キャロとロットの餌という大義名分が必要だろう」

兄さんの言葉に撃沈し、ウサギ二匹のペットが確定してしまった。ナーガ君は嬉しそうだ。

確かに、百々草を採取する理由にはなるけど……しかし、ちゃんと言い聞かせ、キャロとロットと私の三人で分けるということになったという。

でも……言い聞かせれば、わかるってすごい。

モモもだけど、魔物も結構頭が良いというか、人の言ってる事ある程度わかってるのかもしれない。ならなんで、この前は百々草を食べつくした! と怒りたいが、あれは「お出かけ前にお腹が空いてたから」というのがナーガ君の言い訳だった。

それ以降については、ちゃんと餌を与えておけば、一部残すことが出来るようになったらしい。

そして、その後は夕食を食べながら、互いの状況確認をしてみたが、中々に状況が良くなっていない気がする。

兄さんが貴族とのもめ事を大きくしたのは仕方ないにしても……スタンピードでも貴族と関わりを持つことになるとはね……。

「何とかならない?」

「ラズが君を指名していたから、無理だろうな……というか、雷魔法必須で、君が行かないなら候補はラズになるからな」

「侯爵家ね……そこまで気を使う相手なんだ? しかも、国王派」

「……危ないのか?」

「5年前のスタンピードについて調べてみるけど……通常のスタンピードは大量の魔物に囲まれるらしいから、結構きついとは思う。最低限、7人パーティーで行動できるようにレベル上げと連携を練習する必要があるかな……そもそも川だよ? 戦いが遠距離中心だと……」

スタンピードは最悪の場合、波状攻撃が続いて寝れないこともあると聞いた。

ただ、その規模の場合にはクランとか、それなりのパーティーが合同で行うので、休憩は取れると聞いている。

今回の参加する川でのスタンピードはどれくらいの規模でやるつもりかな。

「俺がレオのおっさんに聞いてこよう。対策はその後考えるか。レベル上げについては……国境山脈での様子を見ると、アルスとクロウは何とかしないとまずいだろうな」

「ああ……魔法使いが紙装甲だとよくわかった」

「アルス君は戦闘系じゃないの?」

「……あいつは単純にレベルが低い。レウスとティガが20、クロウが15、アルスは9だ」

「よく国境山脈に連れていけたね……アルス君は上げれば平気?」

「……ああ」

つまり、問題はクロウか。魔法使いだよね。そこまでひょろいイメージもないのだけど……。

二人して、前の私以上に紙装甲だと口をそろえている。

「クロウについては、君が魔法を撃って、耐性のアビリティを覚えさせてでも、底上げ必須だな」

「そんなに? 目立つからあんまりやらない方が良いと思うけど」

「外でやってると今は監視されてる可能性があるからな……見えないとこでとなるとダンジョンだが……」

「明後日は教会で手伝いが必須だから、難しいかな」

「……俺は明日も手伝いに行く」

予定がね……かといって、その間にクロウのレベル上げをしないのも期間が短いため微妙。

ギルドにお願いして訓練室借りるとか、ラズ様にお願いするのもあるけど……あまり良くない。

「地下室を片づけて……やる?」

「あの巨釜、重いんだよな」

「……貴重な物も多い」

作業部屋の荷物を全部運び出して、場所を作って……明日1日だけ、訓練室に……。出来ない訳じゃないけど……そうすると私が調合や錬金が出来ないので、困る。

かといって、本当に紙装甲だと危険なのはわかる。スタンピードの場合、やはり魔導士とかが危険らしいからね。

クロウは一応、助手ってことになってるから、手伝いに来るのも不自然にはならない。そして、家の中で特訓…………それしかないか。

「よし、片付けるか」

「……ああ」

「クロウだけね。明日だけで、すぐに元に戻すから、手伝ってね! 絶対だよ!」

そして、急遽、地下を訓練室にして……翌日。

朝一で、ナーガ君が教会に行く前にクロウを呼び出すために伝言役として宿へ。そして、そのままアルス君と、追加でレウスも連れて教会へ向かったらしい。

「……ということで、緊急のスタンピード対策を行います」

「急に呼び出すから、急患かと思ったんだがなぁ……」

呼び出しだけで理由は伝えなかった。ただ、ティガさんも暇になるので一緒に来たらしく、地下室へと連れていき、特訓について説明する。

「つまり、どういうことだ?」

戸惑っているクロウにナーガ君の大盾を渡す。

「ナーガ君に許可とって、盾を借りてあるから、これをもって構えてくれる? そこに私が魔法を撃って、防御することで上手くいけば耐性のアビリティを覚える」

「待ってくれ。あんたが魔法を撃ったらオーバーキルだろう。グラノスならわかるが……」

「ふむ……君のステータスを知らんが、俺のINTよりMDFが低いということでいいかい?」

「ああ。というか、あんたのINTの方が魔導士の俺よりも高いんだが」

あれ? そうなの?

兄さんのステータスも最近は知らない……。

でも、どちらにしろ、刀で戦いたい人だからな……。

「単純にレベル差だろうな。だが、俺はクレインみたいに絞って魔法攻撃できないぞ」

「そうそう。威力抑えるし、盾があるから……多少傷を負っても回復魔法もあるから」

そして、クロウに魔法を撃ち込みつつ、たまに回復魔法を使って、繰り返して試した。

上位魔法については、耐性を覚える可能性は低いけれど、やるだけやった。

「魔法についてなんだが、わたしが覚えることは可能なのかな?」

「えっと、ティガさん? どういうことでしょう?」

「種族を選んだ時に、魔法系はほぼグレーになってしまってね。土魔法は選べたんだが、あまり使い勝手が良さそうではないから取らなかったんだ」

なるほど?

ティガさんは見た目からして、獣人なわけだが……魔法を種族特性で覚えられないこともあるのか。兄さんとクロウは鳥人、アルス君とティガさんは獣人、レウスは竜人。私とナーガ君は不明。というか、ナーガ君はヒューマンになってるのだけど、じゃあ、その異常な成長率は何で? という状態。

まあ、ナーガ君のことは置いておこう。

ティガさんに頼まれて魔法について対策することになった。私がいないとかなり物理に寄っているパーティーになるので、牽制でも魔法を覚えられるならということだった。

兄さんも遠距離の戦闘を気にしていたが、結構、深刻な状態だったらしい。

「とりあえず、ティガさんの盾に〈付与〉しておこうか。そのうち慣れてくれば、魔法の幅も広がるだろうし……土魔法なら、それを使っていれば覚える可能性もある、かな? タンクだから土を固めるのは防御にも良さそう」

「そうだね。クロウもグラノス殿も風の適性が高いせいで、土魔法は覚えないのだろう? クレイン殿がいない時に誰も土魔法を使えないのも困る可能性がある。わたしが覚えることが出来ればいいんだが」

「種族特性だろう、仕方ない。俺もグラノスも、鳥人族の血が入っているからな。土魔法は全く使える気配がない。むしろ、火と水は覚えたんだから、褒めて欲しいくらいだがなぁ」

なんだかんだ、クロウはレベルアップできちんと基本属性の耐性も覚えたしね。

まあ、少しはマシになるはず……レベル16にしては、少々ステータスが低い気もするけど。スタンピードまでに30まで……倍近くに上げるから、酷い結果にはならないことを祈る。

「とりあえず、魔法体系はクレインのメモを元に俺らも出来る限り理解できるようにしておくとして……あとは、回復系か」

「光魔法だと傷が消えるけど、素質云々で言うと……駄目そうだからね。傷残るだけで水も風も回復の魔法はあるから、そっちに期待かな……冒険者ギルドで書き写してきた魔法体系の内容はこっち。あとは教会の本と照らし合わせながら、覚えることを願うしかないかな」

「クロウ。そういう事だから、頑張るようにね」

「はぁ……努力する」

ティガさんの言葉にクロウは苦々しく答えている。

頑張るのは好きじゃないとか口にしているけど、頼んだことはやってくれている。

本人はそこまで冒険者するつもりなかったぽいけど……生死がかかってくるので、回復魔法は、一つ二つは覚えておきたいよね。

私とクロウいないと物理過ぎるパーティーだし……。兄さんも魔法の数は全然少ないし、回復系については、神父様の話だと兄さんは可能性低そうだからね。

そんなこんなで、大人組は今後について対策を考え、準備。

明日が3の月の1日だから、私は教会に行く必要がある。クロウは、明日は私のメモをもとに、魔法についてざっと体系を勉強するそうだ。

何だかんだと神父様にはお世話になったので、明日は、私もお手伝いに行かないと……。

今日の準備は力仕事多いから、ナーガ君たちが行くと言われたので、お言葉に甘えさせてもらってただけだからね。

明日は自由行動……一応、部屋は元に戻した。特訓は……ダンジョンでやろう。