軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第39話:ゴブリンキング③

「貴様……許さない…………殺す」

ゴブリンキングが憎しみの篭った眼で、こちらを睨みつけながら呟く。

ゴブリンキングともなると、流暢に言葉を話せるようだ。警戒しつつ、付与魔法を掛けていく。ラリットが付与魔法まで使えるのかと驚いていたが、めんどくさいので無視した。

「あれ? あの時仲間のゴブリンを見捨てた奴か?」

わかりやすい挑発をすると効果はあったようで、ゴブリンキングは憤怒の表情で襲い掛かってきた。

「死ネッ!!」

ゴブリンキングが凄まじい速度で斬り付けてくる。ゴブリンキングの剣術は『剣術LV5』、それはCランク冒険者でも上位に匹敵するレベルだった。

しかし、ユウはその斬撃を苦もなく捌く。ユウの剣術は『剣術LV6』、簡単にとはいかないがゴブリンキングより上だ。

「馬鹿ナッ! 何故、防ゲル!? 我はゴブリンの王だゾッ!!」

数十に及ぶ剣撃を捌かれ焦ったゴブリンキングは、距離を取り魔法の詠唱に切り替える。

「火の元素よその力、我に集え 我が手に集まるは、全てを焼き尽くす炎」

詠唱に込められた魔力の量から、それなりの魔法と判断する。ゴブリンキングの詠唱が完了したようだ。

「轟炎ッ!!」

高熱の火の塊がユウ目掛けて飛んでくる。躱して森林火災でも起こると面倒なので、ユウはファイアーボールを2個放ち相殺する。

ゴブリンキングは、ユウが詠唱もなく魔法を放ったことよりも、『轟炎』に対してたった2発のファイアーボールで相殺されたことに、驚愕の表情をしていた。

「フ……フザけるな……」

「何を驚いてるんだ? 轟炎をファイアーボールで相殺しただけだろうが」

どんどん余裕がなくなっていくゴブリンキングは、剣技『閃光』を放つ。

「喰ラエッ!!」

しかしユウも同じく『閃光』を放ち、またもや相殺。いや、競り勝った。魔法と同じように剣技も使い手によって、大きく威力が変わってくる。

「我ハ……王だぞ……最強ノ…………存在にナッタ……はずダ」

自身の使える最高の剣技をいとも容易く防ぐどころか圧倒され、混乱に陥ったゴブリンキングは、なりふり構わず周囲を囲っていたゴブリンを投入する。

「オ前達、コイツラを皆殺シニしろッ!!」

一斉に数百までに膨れ上がったゴブリンの群れが襲いかかってくるが、ユウも展開していたエクスプロージョンを四方八方へ放つ。

四方八方で爆発が起こり、爆風にゴブリン達が吹き飛ばされていく。爆風を掻い潜って来たゴブリン達は、ラリットが手際よく殺していく。

さすがCランク目前とあって、ゴブリンなど敵ではないようだ。ラリットが討ち漏らしたゴブリンには、レナの魔法が容赦なく放たれていく。ニーナが近くで護衛をしているので、レナも集中して魔法を放つことができる。

「とんでもない奴だな。ゴブリンキングと戦いながら、あれだけの魔法を放つとは……」

ゴブリンナイトの首を一瞬で刎ねながら、ラリットはユウの戦闘を見る。

剣の腕はCランクを超えてBランクでも十分に通用するだろう。更に魔法もエクスプロージョンを使えるので、『黒魔法LV4』以上は確定か。MPも尋常じゃない。Cランクの後衛職であれば、エクスプロージョンの使い手は勿論居るが、常時8個のエクスプロージョンを展開なんて聞いたことがない。

更に『白魔法』に『付与魔法』まで使えるんだから、Bランク以上――ヘタしたらAランクの実力か? いや、Aランク以上の奴らは本当に化物揃いだ。

「ごめ~んね」

ニーナはそう囁くと、ゴブリンソルジャーの首を魔力で覆われたダガーで斬り裂く。

武器に血がこびり着いていけば切れ味も鈍るが、魔力で覆われているので切れ味が落ちることがなかった。

遠距離から魔法を唱えていたゴブリンメイジには、魔力の糸で全身を拘束し手際よく倒していく。

「……そこ」

レナのフレイムランスがゴブリンシャーマンを貫く。レナはパーティー1つで、ここまで違うのかと感じていた。周囲をニーナが警戒してくれているので、安心して魔法を放つことができる。余裕があるので、傷ついた仲間も白魔法で回復させることができる。

数百のゴブリンに囲まれているのに余裕すらある。先程までのパーティーとは雲泥の差であった。

ムーガも切断された腕を繋げてもらったばかりなのに、奮戦している。自分の居たパーティーとの違いに悔しさが頭を過るが、今は打ち消して戦闘に没頭する。

「火よ風よ、その力集いて爆炎となり嵐となり――」

ゴブリンキングが、黒魔法第4位階『フレイムトルネード』の詠唱に入る。

「我が敵を討――グギャッ」

ユウの黒魔法第1位階『ウインドブレード』で中断される。

「俺の前でそんな魔法を唱えられると思ってんのか?」

ユウのウインドブレードは、通常のウインドブレードより数倍は強力な威力で、ゴブリンキングの左足を切断する。

「グギギ……ゆ、許さな…………ギャアアッ」

ユウの黒曜鉄の大剣がゴブリンキングの左腕を斬り裂く。瀕死の重傷で抵抗の出来ないゴブリンキングにゆっくり近付いて行き、スキルを奪っていく。

全てのスキルを奪うと、ユウはゴブリンキングの首を刎ねた。

今回ゴブリンキングのスキルを奪ったことで、『剣術』がやっとLV7に上がった。ジョゼフの剣術がLV8、そこまで差はなくなっているはずだ。『強奪』もLV3に上がっていた。

新しく増えたスキルは

『盾術』『盾技』『詠唱速度上昇』『聴覚上昇』『半魔眼』『魔力覚醒』

『ビーストキラー』『威圧』

『盾術』『盾技』『詠唱速度上昇』『聴覚上昇』は分かるので残りのスキル効果を確認する。

『半魔眼』 :精霊を視認できる。

『魔力覚醒』 :発動中は魔力上昇

『ビーストキラー』:獣系に対してダメージ5%上昇

『威圧』 :戦闘中、自分よりLVの低い者に対して各ステータス5%下げる。

スキルのLVアップ・効果に満足し、まだまだ集まってくるゴブリンと戦っているニーナ達と合流しに向かう。