軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

届いた代償

領都。

日を追うごとに、自隊が到着していく。

歩兵。補給隊の荷馬車。

次々と。だが——

その姿は、想像以上だった。

疲弊。

泥と汗に消耗。

歩兵隊も楽ではない。

それでも——まだ、いい。

問題は大型クロスボウを載せた荷馬車隊。

「……酷いな」

エドワルドは思わず呟いた。

歩兵以上に、削られている。

足取り。肩。腕。押したのだ。引いたのだ。

泥濘の街道を。沈む車輪を。進まぬ荷を。

馬だけでは足りず——人もまた、使った。

報告書を受け取る。

完成数。大型クロスボウ——十三基。

「……十三」

思ったより、多い。

「……二基、破損」

車輪。道中で、耐え切れなかった。

本体は捨てていない。

分解し補給隊が、人力で搬入。

エドワルドは、しばし言葉を失う。

「……そうか」

低く落とす。

運んだ。

壊れても。分けても。捨てずに。

視線が次へ移る。

補給荷馬車は、脱落——無し。

そこに、答えがあった。

「……失敗、か」

ぽつりと漏れる。

指示したのは、俺だ。

馬が無くとも——人でも動かせる様に。

軽くし、扱いやすく。

その判断自体は、間違いではない。

だが——軽くした。その分、強度が落ちた。

車輪。そこが、耐えなかった。

「……削り過ぎたな」

小さく息を吐く。

動かす為に削った。

だが、削り過ぎれば——壊れる。

反省点。

明確だった。軽さだけでは、足りない。

運べても——届かなければ意味が無い。

だが。

エドワルドは、運び込まれた部材を見る。

泥だらけ。分解済み。それでも——届いた。

「……よく、持って来た」

小さく漏れる。

感謝。本心だった。

失敗は、ある。

だが——届いた。

それが、今は大きい。

なら。

次は——直す。

強度。構造。運用。

失敗で終わらせるな。

次へ繋げる。

エドワルドは、分解された部材へ手を置く。

確かに、ここまで来た。

「……悪くない」

静かに言う。

「次は、もっと上手くやる」

それだけだった。