軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第251話 皆も気を付けよう!

目が覚め、時計を見ると、11時を回っていた。

まだ寒気は治まっていないし、手足が痛いのだが、なんとか起き上がる。

「食うか……」

ベッドに腰かけたまま、鍋を取り、エーリカが作ってくれたおかゆを食べる。

「あんま味がしねーな」

ただ、冷めていても優しい出汁を感じ取れたし、食べられないことはなかった。

正直、食欲はないが、それでも食べないといけないのはわかっているので何とか食べると、薬を飲み、横になる。

「さすがに風邪で死ぬことはないわな」

ちょっと冷静になった。

「ジークくーん……」

扉が開き、レオノーラが顔を出す。

「レオノーラか。どうした?」

「大丈夫ー?」

レオノーラがこちらにやってきた。

「ああ。おかゆも食べたし、薬も飲んだ。寝ていれば良くなるだろう」

「あれ? 普通? エーリカとアデーレがちょっとおかしくなっているって言ってたけど」

まあ、そんな反応にはなるか。

「風邪を引いたことがないから焦っただけだ。でも、もう大丈夫だ」

ちょっと取り乱しただけ。

「そっかー。ジーク君、サプリを飲んだりと気を遣ってたもんね」

それなのにこのざまだ。

まあ、本部長にもらったやつだけどな。

本部長も大臣にもらったらしいし、ウイルス性かもしれん。

「手洗いとうがいはしておけ。2人にもそう言ってくれ」

「うん。手でも握ってあげようか?」

「いらん。お前らに移してしまう方が心苦しい」

もう来月が試験なのだ。

「そっか。じゃあ、私も仕事に戻るね」

「ああ。ありがとうよ」

「旦那様が体調を崩したら支えるのが奥さんの務めさー。3人もいて良かったね」

多いわ。

「そうだな。妻よ、仕事に行け」

「お大事にねー」

レオノーラが出ていったので目を閉じる。

そして、再び、闇の中へと落ちていった。

目が覚めると、辺りが暗くなっていた。

灯りをつけ、時計を見ると、時刻は20時を回っている。

「ふう……」

まだ身体は重いし、ずっと寝ていたせいか、少し頭が痛い。

だが、薬が効いたのか、手足の痛みも寒気も治まっている。

「市販の薬も捨てたもんじゃないな」

ちゃんと効いたことにほっとすると、周囲を見渡す。

3人娘はもちろんだが、ヘレンの姿もない。

だが、枕元のテーブルの上に紙が置いてあったので手に取る。

【ヘレンちゃんはウチで預かります。ちょっと騒がしいですし、寝られなくなると困るので……冷蔵庫にプリンがあります。それとテーブルの上にご飯とスープが置いてあるので食べてください】

エーリカだな。

文章を読まなくてもわかった。

もう何度も見た字なのだ。

エーリカは綺麗な字を書くし、レオノーラは雑。

意外にもアデーレは丸文字っぽい可愛い字を書く。

「体調を崩したことがなかったし、ヘレンも動揺するわな……」

仕方がないと思い、立ち上がると、部屋を出る。

そして、コップに水を入れ、一気に飲むと、テーブルにつく。

コンソメのスープとまん丸おにぎりが置いてあったので魔法で温めると、食べる。

「塩気を感じられるようになったな……というか、あいつはおにぎりすら握れんのか」

しかし、プリンはエーリカが作り、おにぎりはレオノーラ……となると、このスープは……

「まあ、美味いな……」

薄味だが、普通に美味い。

煮込み料理も上手にできていたし、汁物ならできるんだな。

あっという間に食べ終えると、冷蔵庫からプリンを取り出し、食べる。

糖分が身体に行き渡るし、卵の優しい味わいが良かった。

さすがはエーリカである。

プリンも食べ終えると、薬を飲む。

さすがに風呂に入るのはやめておこうと思い、寝室に戻ると、ベッドに横になった。

「あいつらがいてくれて良かったな。本部長も同じ気持ちだったのだろうか?」

お見舞いなんか行く気なかったが、今なら行って良かったと思う。

昔の牡蠣に当たって以来の体調不良だったが、1人だったら本当に厳しい。

ヘレンがあれだったし……

「今度から優しくするか」

年末にはちゃんと帰ろうと思い、目を閉じると、そのまま就寝した。

翌朝、さすがにずっと寝ていたのでいつもより早くに目が覚める。

「ふう……」

ちょっと頭が重いが、それ以外は何ともない。

腹も減っているし、体調もばっちりだ。

完全回復と言っていい。

「昨日の不調が嘘のようだな……」

昨日のあれは何だったのかと思ってしまう。

俺は起きると、ベッドのシーツや枕のカバーを取り、脱衣所に向かう。

それらを洗濯機の中に放り込むと、服も脱ぎ、同じように洗濯機に放り込んだ。

そのまま、風呂に行き、シャワーを浴びる。

そして、風呂から上がると、服を着て、リビングに出た。

「さて、今日はどうするか……」

普通なら念のためにもう一日休むかもしれない。

しかし、体調はすこぶる良い。

別に仕事に行っても激務が待っているわけでもないから問題ないだろう。

「あれ? ジーク君、起きたの?」

レオノーラが部屋に入ってきた。

様子を見に来たんだろう。

「おはよう。もう完全回復した」

「おはよう。やっぱりただの風邪だったね」

「そのようだな。風邪は辛いな」

風邪は辛い。

覚えた。

「まあ、そうだね。今日はどうするの?」

「もう問題ないから仕事に行く」

「大丈夫なの?」

「緊急の仕事でもあったか?」

王都に行っていたし、何かあったのかもしれない。

「全然。暇だったから交代で見に来てたんだよ」

実は俺が知らない間に来ていたのかもしれないな。

「なら問題ない。エーリカはもう起きてるか? 実はかなり腹が減っている」

「もう作ってたよ。行こうか」

「ああ」

俺達は部屋を出ると、正面にあるエーリカの部屋に入る。

すると、キッチンで料理を作っているエーリカとテーブルでヘレンを撫でているアデーレがいた。

「あ、ジークさん、おはようございます」

「あら? もう大丈夫なの?」

「ジーク様ぁ!」

ヘレンが起き上がり、テーブルからハイジャンプしてきたのでキャッチする。

「おー、ヘレン」

よしよし。

「もう大丈夫なんですか?」

「ああ。心配をかけてすまなかったな。少し、ネガティブになりすぎたようだ」

病気は怖いな。

病は気からと言うが、病になると、本当に気が落ちる。

「私こそ取り乱してすみませんでした」

「いいんだ。今までなかったことだからな」

「ジーク様ぁ……」

よしよし。

今日は一緒に寝ような。