軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第225話 薬品生成チーム

翌朝、寝る前に薬を飲ませたのでエーリカもレオノーラも元気に起きてきて、ヘレンやアデーレと共に朝食のバイキングと戦った。

そして、食後のコーヒーを優雅に楽しむと、準備をし、本部に向かう。

「遅刻ですね」

「もう9時をとっくに回っているもんね」

「まあ、いいんじゃない? 仕事をするジークさんが遅れることなんてまずないわけだし」

その通り。

俺はどんな仕事内容でも期日通りこなす。

俺の人間性がどれだけ変わろうが、そこだけは変わらない。

100点なのだ。

俺達はゆっくり歩いていき、本部に到着した。

そして、中に入ると、サシャがいる受付に向かう。

「あ、アデーレ先輩!」

サシャは満面の笑顔だ。

「元気そうね、サシャ」

「アデーレ先輩がジーク先輩のところに嫁いじゃったから寂しいですよー」

この言葉でわかる。

こいつはリート支部に来ないだろう。

「しょうもないことを言わない。それよりもマルタも含めてご飯でも行きましょうよ」

「はい。私はいつでも大丈夫ですので先輩方の都合に合わせます」

「私もいつでもいいからマルタに確認してみて」

「わかりました」

サシャが笑顔で頷く。

「サシャ、今日からテレーゼのアトリエで仕事をする」

「わかりました。あ、ハイデマリーさんがちょっと来いって言ってましたよ」

「わかった。どっちみち、行くつもりではあったから行ってみる」

マルティナのことがある。

「お願いします」

俺達はサシャと別れると、近くの階段を昇っていく。

「先にマルティナの様子を見に行くか」

「そうしましょう」

「それが良いね」

「ハイデマリーさんも話があるみたいだしね」

俺達は階段を昇り終えると、廊下を歩いていき、薬品生成チームの共同アトリエを目指す。

そして、一番奥にある扉をノックし、返事も待たずに開けて中に入る。

アトリエには10人以上の人間がおり、一斉にこちらを見てきた。

もちろん、全員、若い女性である。

「あら、ジーク。ちゃんと来たのね」

一番奥にいるハイデマリーが手招きしてきた。

「マルティナは?」

おらんぞ。

クビになったか?

「トイレ」

あ、そう。

「……エルヴィーラはどれだ?」

小声でアデーレに聞く。

「エルヴィーラさん」

「やっほー、アデーレ」

アデーレが真ん中くらいにいる金髪の女性に話しかけた。

どうやらあれがエルヴィーラらしい。

まったく記憶にない。

「あ、エーリカ先輩!」

後ろから声がしたので振り向くと、肩にハムスターを乗せたマルティナが立っていた。

「マルティナちゃん、こんにちは」

「久しぶりー」

「ご無沙汰してます! どうしたんですか?」

エーリカとレオノーラがマルティナと話し始めたのでハイデマリーのところに行く。

「お前、本当にエルヴィーラのことを知らなかったんですね……」

ハイデマリーが呆れている。

「知ってたが?」

「弟子を上手く使ってたじゃないの」

そんなことない。

「気のせいだ。それよりもマルティナはどうだ?」

「お前はよくやりました。特に使い魔と契約させたのは非常に良かった。魔力コントロールもできるようになっていますし、何よりもあのバカ親子をフォローできるハムスターです」

エルネスティーネは頭も良いし、優秀な使い魔だからな。

「すんげー偉そうだろ?」

「言葉遣いはね。でも、言っていることは正しいですし、アトリエではトコトコ走ったり、ヒマワリの種を頬張っているだけですから可愛いものです」

ハムスターだ。

「マルティナはいけそうか?」

「何度かは落ちるでしょうね。でも、なんとか20歳までには10級にします。問題は不器用なところと物理ですわね」

あいつは長所と短所がはっきりしているからな。

「頼むわ。あれでも甘ったれたところはかなり改善している」

「そうですわね。時にジーク。お前、また陛下からの仕事を受けたんですって? テレーゼに聞きましてよ」

昨日の今日なのにもう知っているのか。

「しょうもない仕事だ。あと別の仕事もあるが、それは4級のお前には言えんな」

3人娘には言ったが、試験作成の仕事は3級以上じゃないと知ってはいけないのだ。

「うぜー。次で3級になりますわよ」

「大丈夫か? マルティナの面倒はマジで大変だろ」

他にもめっちゃいるし。

「自分のことは自分のこと、弟子のことは弟子のことでちゃんと分けられますし、時間も取れます」

まあ、こいつは頭が良いし、テレーゼと違って要領も良いからな。

あとは無駄なプライドをなくせば十分に3級に受かるだろう。

「そうかい。頑張ってくれ」

「クリスに会いまして?」

「あったぞ。空港まで出迎えにきてくれて馬車まで用意してくれた」

「わざとらしい男……プライドがないのかしら?」

それは俺もちょっと思った。

でも、そういう世渡りの上手さがハイデマリーとの大きな差だろうな。

「お前の課題はそこだな。ワインの1本でも贈ってくれよ」

お前の家、商家だろ。

「そのワインを良いホテルで女共と夜景を楽しみながら飲むんですの? ホント、いいご身分ですわ」

「あんなホテルに泊まれることなんて滅多にないんだから別にいいだろ」

「まあ、わたくしもリートのホテルで飲みましたわね」

バスローブで夜景を見ながら優雅に飲んでそう。

「話は変わるが、お前、勉強会のことを聞いたか?」

「……ゾフィーから聞きました。何言ってんだと思いましたが、よく考えたら最近、本部長と仕事の話以外していないことに気付きました」

それもまたすごいな。

「参加するのか?」

「時間を作ってでもします。敬愛する師匠ですから」

「ゾフィーとケンカするなよ」

「それはゾフィーに言ってちょうだい。昔から噛みついてくるのは向こうですわ」

いや、お前が嫌味を言ったり、からかったりするからだ。