軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第220話 本部「休日?」

クリスとの話を終え、アトリエを出ると、そのまま本部を出た。

そして、ホテルの部屋に戻ると、ベッドに横たわる。

「ふう……結構やることがあるな」

「試験問題作成に杖作りですもんね。でも、凱旋門とチョコレートケーキと楽器のお店に行くのも忘れてはなりません」

遊びだな。

まあ、気分転換にはなるだろう。

「わかってるよ。まあ、半分は休暇なんだ。適当にやる」

「それが良いと思います……んー? ん? んん?」

ヘレンが扉の方を見て何回も首を傾げた。

何故ならノックが3回も聞こえてきたから。

「クイズだな。アデーレ、レオノーラ、エーリカだ」

「1番と3番がわかりづらいんですよねー……」

アデーレとエーリカのノックの音はちょっと似ているからな。

「開いてるぞー」

そう声をかけると、扉が開き、3人娘が入ってきた。

しかも、レオノーラを先頭にするという姑息さ。

「やあやあ、ジーク君。お疲れ様だね」

「お休み中でしたー?」

「本部はどうだった?」

3人娘が矢継ぎ早に聞いてくる。

「今日は話だけだ。さっき帰ってきたばかりでベッドに寝転んでいただけだ。いつも通りだった」

ちゃんと3人に答える。

「機械みたいだよー。それよりさ、誰がノックしたと思う?」

ほら、クイズだ。

「アデーレ、レオノーラ、エーリカだ。そして、誤魔化すために入ってくる順番を変えた」

「おー! すごーい!」

「本当にわかるんですね。なんでわかるんですか?」

エーリカが聞いてくる。

「お前らもよく聞けばわかると思うぞ。結構わかるもんだ」

しょうもない能力だわ。

「へー……今度よく聞いてみます」

「コツは愛だよ、愛」

「愛ですかー。良いですねー。私もよく考えたらレオノーラさんはわかる気がします。愛ですかね?」

「愛だよー」

お前はわかりやすいんだよ。

「買い物は済んだのか?」

謎のやり取りを始めた2人を放っておき、アデーレに聞く。

「今日は見て回っただけ。買うのは後ね。そっちは?」

「本部長に仕事の話を聞いてきた。それとクリスと少し話したな。あ、受付でサシャとマルタに会ったわ」

「へー、元気そうだった? 手紙のやり取りはしているんだけど、マルタは忙しそうなのよね」

アデーレって本当に手紙が好きだよな。

電話でいいじゃん。

「忙しそうではあったな。でも、元気そうだったぞ。サシャも含めて食事に行きたいって言ってたし、時間を見て、行ってこいよ」

「そうしようかな……」

「その辺は明後日にでも話せよ。あ、そうだ。お前ら、仕事はどうする? 俺は明日から試験作成と杖作りに入るが、別に王都を回るなり、買い物に行くなりして遊んでてもいいぞ。できたらテレーゼのアトリエを奪いたいからついてきてほしいけど」

あいつは絶対に3人娘がいてくれないと、アトリエを貸してくれない。

「一応、仕事の名目で来てますから行きますよー」

「うん。行く。マルティナちゃんに魚を持っていかないといけないしね」

「それもあったわね。となると、薬品生成チームに行くのか……」

そうなるな。

「アデーレ、頼んだぞ。真っ先にエルヴィーラに話しかけるんだ」

「いや、ハイデマリーさんが絶対に覚えてないって言うと思うけどね」

言いそうだ。

「とにかく、頼むわ」

「わかったわ」

その後、少しゆっくりと過ごし、夕食の時間となったので俺の部屋で食べる。

そして、この日は明日のことがあるので早めに就寝した。

翌朝は例によってバイキングでテンション高めの3人娘に呆れながら朝食を食べる。

「あー、お腹いっぱいです」

「まさか追加でフルーツが出てくるのは予想外だったね」

「歩こ……」

満喫してんなー。

「じゃあ、俺は本部に行ってくるから頑張れよ」

そう言って立ち上がった。

鑑定士の試験は午後からのため、こいつらはホテルで待機なのだ。

「はい。終わったらホテルでいいですか?」

エーリカが聞いてくる。

「そうだな。多分、お前らの方が早いと思うから帰ったら声をかけるわ。それから夕食に行こう」

「わかりました!」

「いってらっしゃーい」

「サシャによろしく……あ、休み、かしら?」

俺はお腹をポッコリさせ、一言も発せずに倒れているヘレンを抱えると、席を立ち、ホテルを出る。

「ヘレン、大丈夫か?」

「苦しいですー。これが幸福の苦しみってやつですかー?」

ただの食べすぎだ。

「明日からは自重するんだな」

「そうしまーす」

そう言いつつ、食べるのが食い意地が張ったウチの猫なんだよな。

あまり振動しないようにゆっくりと歩き、本部にやってきた。

そして、本部に入ると、受付にはサシャがいたので近づく。

「よう。お前は休みじゃないのか?」

「おはようございます、ジークさん。私は一昨日休んだので今日は出勤です」

受付って休みも安定してないんだよな。

大変だわ。

「お疲れさん。仕事なんで本部長のところに行くわ」

「あ、それなんですけど、本部長は急遽、大臣に呼び出されたとかで王宮に行かれました」

あー、休みだというのに大変だな。

権力を手に入れるとこういうこともあるか。

「わかった。そういうこともあるだろう」

「ですね……それで伝言なんですが、『部屋は貸してやるからもう一つの方の仕事でもしてくれ』だそうです」

杖の方ではなく、試験問題の作成か。

「じゃあ、そうするわ。本部長の部屋にいるが、余計な電話は回すなよ」

「わかってます」

サシャが頷いたので階段を昇り、本部長室に向かった。