軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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修学旅行の時期になった。

中等科の修学旅行先はアメリカはロサンゼルスだ。荷物は減らそうとは努力したけど、スーツケースとキャリーバッグの2個になってしまった。でも日数分のブラウスに予備の制服のジャケットとスカート。私服も入ってるし靴も何足か入れたらスーツケースなんてすぐに埋まってしまう。

普段家族旅行に行くときは、もっと大荷物になるんだから、今回は相当頑張ったな。

楽しいといいな~。

修学旅行なんて言っても、ただの観光だ。

チャイニーズシアターやビバリーヒルズに連れて行かれて、ロデオドライブでお買いものして。

そこで青い箱でおなじみの宝飾店で、仲のいい子達と記念におそろいのネックレスを買った。

モチーフはハートがいい、鍵がいい、リーフがいいとみんなであれこれ相談したけど、最後はクロスに落ち着いた。

さっそく全員で着けてみる。制服のブラウスで隠れてしまうけど、新しい、しかも友達とおそろいのネックレスをしているということで、気持ちが盛り上がった。おそろいって凄く友達っぽい!なんだかもっと買い物したくなっちゃったな。

価格表示がドルで、しかもカード払いというのは、非現実的で金銭感覚が狂うね。気が付けば両手に戦利品をたくさん持っていた。いらない物をどんどん買いそうになって怖い。もう何も見ない。

泊まるホテルは瑞鸞にふさわしい一流ホテル。ディナーはボリュームのある肉料理中心。さすがアメリカ、量が多いな。

残すのは悪いので毎食しっかり食べる。おいしいし余裕、余裕。

なんて思ってたけど、すぐにおなかに異常が出た。毎日お肉はちょっときつい。しかもディナーだけではなく、ランチも肉だし。この国は肉ばかりか!

とにかく量が多いので、せめてパンだけは勧められても1個を死守した。でも本当はむしろパンだけでいい。炭水化物LOVEの私としては、肉、肉、肉は脂っこすぎてつらいよ。お豆腐食べたい。胃が常に重い…。

同室の芹香ちゃんも、「寝る前にこの量はつらいですね」と言っていた。それでも芹香ちゃんはお肉をちょっと残してるよね?

なんだかみんな、旅行前より顔が丸くなってきてる気がするんだけど…。

食べ物が合わなかったらと、非常食のお菓子も持ってきてたけど、おなかが常に苦しくて、手を付ける気にもならない。

夜は芹香ちゃんと消化促進の体操なるものをした。でも効いている気は全くしない。

そんな時、プロテスタント系の学校見学があった。

姉妹校でもないのになんで?と思ったけど、買い物三昧にアミューズメントパークで遊ぶだけは、“修学”にならないので、形ばかり組み込んでみたのかな。

本物のクリスチャン達を前に、制服の下に着けている、クロスのネックレスに後ろめたい気持ちになった。同じネックレスをしている子達と、ブラウスのボタンがしっかり留まってることを確かめ合う。

「やっぱりフラワーかハートにしておくべきでしたね」

「ええ…」

でも解放感があって素敵な学校だった。広い庭で寝転んでいるアメリカ人学生達を見て、海外ドラマみたーい!ってわくわくしたし。なんだか留学したくなっちゃった。

昼食は見学先の学校で食べることになっていた。

実は私はこの昼食を密かに楽しみにしていた。この学校は菜食主義なのだ。肉がない!胃に優しい!

さぁ、どんなメニューかな?と目を輝かせていると、全体的に薄茶色の料理が出てきた。んん?

恐る恐る食べると、……まずい。なんだろう、この独特の味付け。

食べたことないけど、たぶん病院食よりまずいんだろうな。これはさすがの私でも食べきることは出来ないかも。グルテンってなに。

連日の肉料理攻撃で1食くらい抜いても平気だけどさー。参ったなぁ。

周りを見ると、みんな食が進んでいないようだった。やっぱり思いは一緒だよねー。普通にサラダとかで充分だったのに。なんでこんな変な味と触感なんだろう。

しかしそんな中、鏑木だけが淡々と食事を続けていた。

ちょっと意外だった。

鏑木なんてまずい料理が出てきたら、真っ先に残すタイプだと思っていたから。

絶対おいしくないはずなのに、そんなことはおくびにも出さない。

……そうだよね。せっかく学校側が用意してくれた食事なのに、残すのは悪いよね。反省。

私も鏑木を見習って、なんとか食べる。でも、うう…やっぱりまずい。あいつ、なんであんなポーカーフェイスで食べられるの?!

最後にデザートはキャロットケーキとミントケーキを選べたので、好奇心でミントケーキを選んだら、真っ青なケーキが出てきた。青いケーキってなに…。

一口食べたら歯磨き粉の味がした。これはムリ……。

鏑木と目が合った。私とケーキを見比べて残念な子を見る顔をした。なんだよ!

それ以外は連日アミューズメントパークで遊んだりしているだけだった。

考えてみれば、瑞鸞の友達と遊園地に行くなんて初めてだ。なんか嬉しい!

張り切って次々とアトラクションに乗っていたら、乗り物酔いをした…。

アメリカの夢の国は、日本のアトラクションより豪快で怖いんだよ。しかも距離長くない?

肉料理攻めが祟ったのか、気持ち悪くてしかたがない。

しょうがないから少し休むことにする。

「麗華様、大丈夫ですか?」

「ええ。少し休めば平気だと思いますわ。どうぞ遠慮なく乗りに行って」

芹香ちゃん達が気を使って一緒にいてくれようとしたけど、かまわず遊んできてもらう。1つ乗ったら様子を見に戻ってくると言ってたけど、いいから楽しんでおいで。ほかにも少し休みたいと言っている子達もいるしね。

ベンチに座ってボーッとしていたら、目の前を鏑木と円城が通った。普段ポーカーフェイスの鏑木が楽しそうにしている。実は遊園地好きだったか。

仲間の男子生徒達と共に、急ぎ足で次のアトラクションを目指して歩いて行く。そしてその後を、蔓花さん達が追っかけて行った。元気だなー。

今日はみんな私服だから、観光客に紛れてどれが瑞鸞生がよくわからない。ここ広いしね。誰かほかに知ってる人いないかな~。

って、あっ!

乙女な委員長が美波留ちゃんと一緒に歩いている!

ほかにもお互いのグループの友達もいるけど、委員長、美波留ちゃんとアトラクション回っているのか!

くっそーっ、遊園地デート、羨ましいっ!

しばらくして戻ってきた芹香ちゃん達の後ろには、男子生徒達がいた。同じアトラクションに並んでいたので、一緒に乗ってきたんだって。なんかお互い顔を見合わせて笑ってる。

えっ、なんでみんな私のいないところで、デート紛いなことしてんの?!

そしてなぜ、男子生徒達はそこで去っていく?このまま一緒に回るって展開じゃないの?

もしかして…、いや気のせいだ。大丈夫。気にするな。

夜はお化け屋敷のアトラクションに乗った。夜だとなんだか雰囲気が出ていい。

「そういえば、去年の夏合宿でお化けが出たんですって」

「そうそう。5組の子が見たんですって。ずぶ濡れの女の幽霊!」

「死体を食いちぎっていたって聞いたわ」

怖~い、とみんなが盛り上がった。

私こそ怖いよ、噂がどんどん大きくなっていて。

「麗華様は確か去年夏合宿に参加したんですよね?」

「ええ。でも私は全然その話は知らないの」

今年は絶対に夏合宿には行かない。

肉料理三昧の修学旅行から帰ったら、3キロも太っていた。どうしよう!

そして私以外の男女が心なしか仲良くなってる気がする!どうして?!