軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第96話 料理バフ

三日間の学園祭は盛況の内に終わった。

S組も儲けが出て、儲けを孤児院に寄付することになった。

そこにラエティティアが金貨三枚ほどのお金を追加した。

ラエティティアは微笑んで、「このお金は寄付すべきお金なのです」と言って、ゴリ押ししたのだ。

ルクスはラエティティアの味方なので、ラエティティアの寄付は素晴らしいものだと絶賛し、自らも金貨五枚を寄付することとした。

その流れに賛同した貴族子女たちは全員、寄付することとなった。平民である生徒はお財布事情が厳しいので、寄付はしなかったが、皆、分かっているので責める者は出なかった。

最終的に金貨五十二枚を孤児院に寄付することとなった。

知月(コクマー) (十二月に相当)一日。

ルクスたちアルヒ学園の生徒は冬休みに入り、屋敷に戻っていた。

そして、朝食を囲み、ヴォルフが用意した朝ごはんである野菜スープとサラダ、丸パン、生ハムと目玉焼きを平らげた。

すると、ホログラムウインドウが浮かび上がった。

[バフ【HP増強】が付きました]

朝食を食べていた子供たちは驚いた。

「『神様のお知らせ』だ。食事を食べてバフがつくなんて初めてだよ!」

バートが興奮しつつ、神様のお知らせことホログラムウインドウをまじまじと見た。

「ヴォルフさん、もしかしてジョブが二次職になったんですか?」

「ああ、ルクス君。よく分かったね」

「お父さん、すごい!」

クラーラは大興奮し、きらきらと尊敬の目で父を見上げた。

(クラーラも二次職の暗殺者になってるんだけど、やっぱり父親《尊敬する人》だからかな?)

と、ルクスは思いつつ、ヴォルフに声を掛けた。

「二次職昇格おめでとうございます、ヴォルフさん、これからもよろしくお願いします」

「ああ、こちらこそ、よろしく頼む。ルクス君」

和やかな雰囲気の中、アランとラエティティアは目を丸くしていた。

「どうしたの?二人とも、固まって」

「その、ルクス君……私のバフが普通のバフではなくて……」

戸惑っているラエティティア。

「落ち着いて、ラエティティア」

「はい……その、永続バフというものが付いているんです」

「「永続!?」」

ルクスたちは驚きの声を上げた。

「はい……私の場合は『HP一%増強』の永続バフです」

「本当に?」

「はい……ルクス君、鑑定してみてください」

ルクスが鑑定すると、状態のところに確かに永続バフの文字が記載されていた。

「うん、永続だね」

ルクスは驚いていたが、想定はしていた。

(ゲームでも料理バフには永続バフがあったしなあ……。コカトリスの卵とオーガのお肉の生ハムを使っていて尚且つ、最高の料理人が作っているのだから、永続バフは付いて当たり前なんだよね。同じ料理でも付いたり付かなかったりする運ゲー要素があるけど)

「アランも永続バフが付いたんだろう?」

「あ、ああ、俺は『STR一%増強』の永続バフだな」

「ラエティティアもアランも良いなぁ。私は娘なのに永続バフが付かなかった……」

クラーラが落ち込んだため、アランはクラーラの頭を撫でた。

「気にするなよ、これから毎日食べてれば、永続バフも付くからさ」

「うん……アラン、ありがとう」

クラーラはアランに抱き着いた。

耐性がついてき始めたアランは頬を薄っすら染めつつ、気絶せずに大人しく抱きしめられている。

冬休みの間、クラーラは毎食ヴォルフのご飯を食べた。

永続バフは『STR1%増強』『AGI1%増強』『HP1%増強』の三つがついたのだが、他のメンバーの中で最も少ないという結果になってしまった。

厳月(ゲブラー) (一月に相当)一日。

アルヒ学園S組のホームルームでは担任のカルロスが真面目な表情で語っていた。

「皆、冬休み明けでぼけているかもしれないが、あと一週間で期末テストが行われる。飛び級が決まっているメンバーは、ここで悪い成績を取ったら、飛び級なしになるからしっかりやること。飛び級しない生徒も、悪い成績の場合は補習を行うことになるので、しっかりやるようにな。期末テストが終わった一月下旬に春休みが始まる。春休みを明けたら、二学年に進学することになるが、成績が悪かった者は下のクラスに落ちることもあるから気を付けなさい」

カルロスは全員を見回した。

「春休み前はドタバタするだろうから、今言っておく。一年という短い間だったが、君たちの担任になれたこと、嬉しく思うよ。飛び級する優秀な子もいるが、着実に一年を積み重ねる子もいる。どちらが良いと比べることはできない。何故なら、どちらも素晴らしい君たちの道だから。君たちはこれから長くもあっという間な人生を送るだろう。全てを投げ出して、人生を終わらせてしまいたくなることもあるかもしれない。でも、どうか、終わらせることなく、生き続けてほしい。生きていれば、きっと、楽しいことが見つかるし、明るい未来が待っているから。以上だ。聞いてくれて、ありがとう」

先達であるカルロスの言葉には重みがあった。ぱちぱちという拍手の音がどんどん増え、やがて、全員が拍手をしていた。

そうして、あっという間に期末テストが終わり、ルクスたち飛び級陣は素晴らしい成績を収め、飛び級を確固たるものとし、春休みを迎えた。