軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第7話 契約書にご注意を

「これは大発見だ!」

セフィロトを見て大興奮し、鼻息荒いアルイスター。

ルクスは苦笑しつつ、落ち着くのを待った。

「ああ、すまない……もし、良ければ自己紹介をしないか?君とは、長い付き合いになりそうな気がするんだ」

「良いですよ。俺は、ルクスっていいます」

「私は、アルイスター・クラウリーという。ただの魔法使いだ」

ただの魔法使いには見えないアルイスターは握手をしようと、ルクスに手を差し伸べた。

ルクスはゲームのクエストで明かされる彼の前職を知っているので、少し恐縮しつつ、その手を握る。

アルイスターは興味深くルクスの手を眺めていた。

「あの……?」

「ああ、すまないね、本当に子供なんだな、と思ってね。君は世界の神秘を知っているから、もっと年上じゃないかと疑ってしまった」

「あはは〜(前世含めると精神的には、四十越えてるからなぁ)、そんな訳ないじゃないですか〜(肉体的には)」

「……何か含みがある気がしたが、まあ、良い。早速だが、虹の雫の使い方を教えてくれないか?」

「えっと、アルイスターさんのセフィロトは起動したままにしてください。その状態で、虹の雫を手にとって下さい」

「こうか?」

アルイスターが虹の雫を取ると、アルイスターの前にホログラムウインドウが現れた。

【虹の雫を使いますか?はい/いいえ】

アルイスターは目を丸くした。

「あの、使えそうですか?」

「ああ、使えそうだ。こんな方法があるとは……」

アルイスターはそう言いつつ、『はい』を押した。

虹の雫が入ったポーション瓶が宙に浮かび、アルイスターのセフィロトの内で光っているセフィラの近くまで来ると、蓋が勝手に開いてセフィラに虹の雫が注がれた。

そして、ポーション瓶は空気に溶けるように消えた。

「おお!力が 漲(みなぎ) ってきた」

「それは良かったです」

「では、ルクス君、魔法契約を結ぼうか」

「魔法契約、ですか?」

「私が勝手にこの情報を他人に伝えないようにするための魔法契約だ。良いか?」

「えっと、はい」

ゲームには魔法契約なんて登場しなかったな、と思いつつ、ルクスは頷いた。

アルイスターは羊皮紙にペンを走らせて契約内容を記した。

「うん、じゃあ、これにサインしてくれるかな?」

差し出された羊皮紙にルクスは鑑定を通して目を通す。

【秘密保持魔法契約書】

1、 甲(アルイスター・クラウリー) は 乙(ルクス) から得た情報を勝手に他人に教えることはできない。

2、甲は乙の許諾を得れば、特定の人物に情報を与えるもしくは売ることができる。

3、甲が勝手に他人へ情報を教えようとした場合、甲は死去する。

なんとなく気になって、ルクスは詳細を見た。

詳細

魔法契約書だが、偽装されている。

「あの……」

「おお、気付いたか?」

「はい」

「なら良い。世の中には偽装した魔法契約書で騙す大人も多いんだよ、気をつけなさい」

そう言うとアルイスターは人差し指で、偽装された魔法契約書を3回叩いた。

すると、アルイスターが書いた文字が消えて、下から文字が浮かび上がる。

【魔法契約書】

1、乙は 甲(アルイスター・クラウリー) を師匠と呼ばねばならない。

2、師匠と呼ばなかった場合、軽い頭痛に見舞われる。

アルイスターは一枚の羊皮紙を取り出して、再び、何かを記載し始めた。

そこには先程と同じ内容の【秘密保持魔法契約書】があった。

ルクスが詳細を確認すると、今度こそ、普通の魔法契約書だった。

「ここ、変更してもらっても、良いですか?」

「良いよ」

アルイスターはルクスの指示通り、内容を変更した。

3、甲が勝手に他人へ情報を教えようとした場合、甲は死去する。

3、甲が勝手に他人へ情報を教えようとした場合、甲は仮死状態になる。尚、乙が問題ないと判断した場合、甲は仮死状態から復活する。又、乙が死去した場合も同じく、甲は仮死状態から復活する。

「罰則が軽くなっているけど、良いのかい?」

「問題ありません」

そう言いつつ、ルクスは魔法契約書にサインした。

魔法契約書は光を放ったが、すぐに光は消えた。

「これで、君と私は運命共同体とまではいかないが、魔法契約という固い絆で結ばれた友人のようなものだな」

「……俺には罰則ないですけどね」

「そりゃあ、君が情報源なのだから、当たり前だよ。さて、そのアイテムポーチでは、虹の雫は入り切らないな……」

「あー、木箱二つ分くらいなら入りますから、それくらい入れて、あとは後日にしますよ」

「君はアイテムボックスが使えるんじゃないかな?」

「!?な、なんで……」

「さっき、アイテムボックスを使っていただろう?……なんで、分かったのかって?私の知り合いにもアイテムボックスのスキルを持つ奴がいてな、それで気付いたんだ」

「ふぅ、はい、使えます。でも、他言無用で」

「分かっているよ。ここでは存分に使って、虹の雫を持って帰ると良い」

「分かりました」

ルクスは奥の部屋の虹の雫と麻袋に入った虹の雫をアイテムボックスに全部入れた。

計五千百本。

結構な数だ。

ルクスは、ついでに魔導書と買い物かごに入ったアイテムを全てアイテムボックスに入れる。

「ありがとうございました。また、来ます」

「こちらこそ、有益な情報をありがとう。待っているよ」

ルクスは夜明けの魔法商店を出て、路地裏から表通りに戻った。