作品タイトル不明
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「ここなら人もこなくていいでしょ」
私は近くの木箱に腰を掛けて、リガルとレオンとリオを見る。
リガルは髭を剃って、髪を切り、随分と清潔感が出ていた。……顔の火傷を露にしているのは少し驚いたけど。
「森を出て良かったの?」
「ああ。俺はお前についていく」
前までの暗い陰湿な雰囲気は一切ない。むしろ、好感を抱くほどの男らしさ……。
完全に吹っ切れたのかしら。クシャナに対しての想いは強かったはずだから、あの森でシーナを支えるのかと思っていたわ。
「未練はないの?」
「ああ。なんとなく、前までとどこか気持ちが違うんだ。……シーナ女王は素敵な方なのに、どこか違うような……。まぁ、そんなことはいい。俺の人生をまた新たに変えてくれたのはアリシア、お前だ。だから俺の人生を好きに使ってくれ」
クシャナへの記憶がどこかにまだ潜在している?
私はそんなことを思いながら言葉を発した。
「私はきっかけを与えただけよ」
そう、いつだって私はきっかけを与えるだけ。
誰かの人生を変えるなんて立派な偉業は成し遂げていない。悪女はそんなことしないわ。
ただチャンスは誰しも平等にあるものだと思っている。そのチャンスを拾うか否かは本人次第。私は全て相手に選択を委ねているだけだもの。
「お前のそういうところを気に入ったんだ」
リガルはそう言って笑みをこぼした。
本当に邪気が払われたみたい。元々悪い人間ではないものね……。
「では、本題に入るわね」
私は小さく息を吸って、口を開いた。彼らは真剣な表情で私の言葉を待った。
「……私の部隊に入ってくれない?」
「「「ぶたい?」」」
三人の声が見事に重なった。
「そう、部隊」
私は目を丸くしてる彼らに冷静にそう返した。
ヴィクターに最強部隊を作ると約束してしまったのよね……。まぁ、悪女は悪の手下がいるものだから、部隊の一つや二つぐらい作っていておかしくはないのだけど……。
私の目指す孤高の悪女というものは、他人の力をあまり借りたくない。……が、勢力を広げるというのも肝心なことよ!
「主の部隊ですか?」
レオンが最初に言葉を発した。「そう」と私は頷き、話を続けた。
「まだ正式に誰がいるってわけじゃないのだけど、ちゃんと形にしていかないと、と思ってね。そこで最初の勧誘。……入る気ある?」
私は圧をかけるように彼らを見据えながら、そう聞いた。
少し間が開いたあと、リガルがにやりと笑みを浮かべた。リオは目をキラキラとさせながら私を見ている。レオンは何を今更と言いたげな表情で私を見ていた。
……良い反応だわ。私が見込んだ通り。
「「「もちろん」」」
「そうこなくっちゃ」
私は満足気に口角を上げた。