軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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キャザー・リズの監視役……?

まずどうしてリズさんが監視されるの?

「君がいかに凄いかは分かっている。だからこそ君にしか頼めないのだ」

「そんな言い方したらアリシアが断れないだろう」

私が何か言う前に国王様にお父様が口を挟んだ。

「あの、監視役とは何のことですか?」

「キャザー・リズは聖女なのだ」

ジョアン様の言葉に私はあまり驚かなかった。

私一度ゲームをしているのにどうしてヒロインが聖女だって事を忘れていたのかしら。

きっとアリシアばかり見ていてヒロインに興味なかったんだわ。名前も思い出せなかったくらいだもの。

というか、聖女の監視役って一体何をするのかしら。

「彼女の魔法が暴走したのは知っているな?」

「はい」

「彼女はこの国でとても貴重な存在なのは、」

「知っていますわ」

ジョアン様が全部言うまでに私は答えた。

「聖女であっても賢くなければ聖女にはなれない」

ああ、確か聖女のヒロインの賢さを判定するイベントがあったわね。

そうよ、思い出したわ。私、0点だったのよ。

確か選択肢にある本来選ぶべき答えを全部外したのよね。だって、綺麗事ばかりだったんだもの。

だから、国の重要会議にも出席できなくなったのよね。聖女でも馬鹿だから。

「そこでだ、彼女の監視役は彼女がこの国を担える賢さを持っているか判断してほしい。そして、彼女がそうなれるように導いて欲しいのだ」

ジョアン様が言っている事がよく分からないわ。難しいわね。

つまり、私がリズさんを国のトップになれるかどうかの素質があるか見抜いたらいいのよね?

けど、そうなるように導くってどういう事かしら。

聖女としての役割がくるその日まで、リズさんの考え方を正しい方へ導けば良いって事?

……絶対に嫌よ!

それって最高に良い人じゃない!

私は悪女になりたいのよ。全く正反対の事なんてしないわよ。

たとえ国外追放になったとしてもこれだけはお断りよ。

「アリシア、君はこの悪役を引き受けてくれるか?」

聞き間違いかしら。

今、国王様、なんておっしゃいました?

「あの、今悪役って聞こえたのですが……」

「ああ。君がキャザー・リズの監視役をするという事は誰にも言ってはいけない事になる。さらに、キャザー・リズの考えを変えるために辛辣な言葉をかけなければならない事もある。それにキャザー・リズは魔法学園ではかなり人気みたいだ」

夢みたいな話だわ。

これは、千載一遇のチャンス……?

悪女になるため努力をしてきた私に神様がくれたプレゼントなの?

「つまり、私に世の中で一番の悪女になれと?」

「世の中で一番までとは言っていないが、そういう事になるかもしれん」

「別にこの役を引き受けなくてもいいんだぞ」

お父様が私に向かってそう言った。

引き受けない?

そんな選択肢今の私にはありませんわ。ああ、こんなに嬉しい気持ちは生まれて初めてよ。

国王様から直々にそんな役をいただけるなんて!

今までリズさんを虐めたいと思っていたのだけど、実はちゃんとした理由が無かったのよね。

けど、これでちゃんとした理由ができましたわ!

今のこの気持ちをどうやって表現すればいいのかしら。

「勿論、引き受けますわ。最高の悪女になってみせますわ」

私の言葉に皆が安心したように見えた。お父様以外だけど。

「孤独になるんだぞ?」

「大丈夫ですわ、お父様」

「嫌われるんだぞ?」

「分かっていますわ」

「耐えられるのか?」

その質問は愚問ですわ。

私は毎日楽しみながら学園に通う事になると思いますわ。

「勿論ですわ」

お父様がとうとう諦めのため息をついた。

私の気持ちを理解してもらえたみたいだわ。

「たとえ兄弟にもこの事は絶対に、」

「誰にも口外はしませんわ」

国王様の言葉を遮り、私は真っすぐ国王様を見ながら覇気のある声でそう言った。