軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

6

今日も朝早くに起きられたわ。

どうして今まであんなに遅くまで寝ていたのかしら。

私は時計を見て、ロゼッタが起こしに来るまで三十分ある事を確認した。

お兄様達はきっともっと早くから起きて剣のお稽古をしているのよね。

私も負けていられないわ。

ベッドから起き上がって筋トレを始めようと思ったが……、痛い。

昨日、急な筋トレをしたから筋肉痛になっているみたい。

お腹は平気なんだけど、腕がビリビリと静電気が流れているような痛みだわ。

とりあえず、腹筋は出来そうだから腹筋をしましょ。

あら、やってみると結構あっさり腹筋100回出来たわ。結構きつかったけどね。

たったの一日で100回の腹筋慣れちゃったのかしら。そんな事は普通ありえない。

でも、しっかりと昨日と同じように腹筋したわ。もしかして、腕立てもできちゃったりして……。

……出来たわ。腕は痛かったけど出来ちゃったわ。昨日は一度崩れてしまったのに。

私ってば成長早すぎない?

アリシアって実は凄い人物なんじゃない……? やればできる子なのでは……。

ゲームじゃどうしてあんなに何も出来ない子だったのかしら。

やっぱり甘やかされて育ったからよね。

という事は、今私のスキルを上げとけばゲームの中のアリシアよりも悪女になれるってことよね。

うふふふ。にやけが止まらないわ。

まだ十分しかたってないわね。あと2セットは出来るわ。

私は気合を入れなおして筋トレをし始めた。

流石に合計で3セットはきつかった。

しばらく立てそうにない。けど、やりきったのだから偉いわ、私。

コンコンッ。扉をノックする音が聞こえた。

「アリシア様」

ロゼッタが私を起こしに来たみたい。

まずいわ、今の私は汗臭いし、息切れしているし……。

真の悪女はこんなみっともない姿をみせないのよ。

今は入って来られたら非常に困るわ。

「起きているから、起こさなくて大丈夫よ」

私は慌ててそう言った。

ロゼッタが数十秒たってから、去って行く足音が聞こえた。

どうしてしばらく扉の前にいたのかしら。もしかして私が早起きしている事に驚いたのかしら。まぁ、暫くしたら慣れてくれるだろう。

私は息を整えると着替えて図書室に向かった。

今日も庭でお兄様達が剣のお稽古をしているのが見えた。

ああ、見れば見るほどやりたくなってくる。けどまず基礎体力をつけないと。

心の中でそんな葛藤がありながらも、私は我慢した。

お兄様達の紫色の瞳が太陽に反射してとても美しいわ。

お兄様達三人とも紫の瞳で、お父様譲り。私だけが黄金の瞳で、お母様譲り。

やっぱり黄金の瞳より紫色の瞳の方が悪って感じがするわよね。少し羨ましくなってきたわ。

でも肝心なのは中身の問題よ。瞳の色なんか関係ないわよ。

そう自分に言い聞かせて図書室に向かった。

私は昨日とは違うエリアを三十分探し続けた。

それでもやっぱり闇魔法の本はない。

簡単に見つかるとは思っていなかったけどこんなにも途方に暮れる作業だったなんて。

根性がないと見つけられないってわけね。

今日は動物に関する本を読みましょ。

そんな毎日を繰り返していると、あっという間に一週間がたった。

屋敷では私が朝起きていつもすぐどこかに消えているって噂になり、私がおかしくなっちゃったから医者を呼んだ方が良いっていう提案まででたらしい。

失礼しちゃうわ。私はいたってまともよ。

でも確かに、まさか私が図書室にこもっているとは誰も思うまい。

お父様は夕食の時にいつもどこに行っているのかと尋ねてくるのだけれど本当の事を言うわけにはいかないから、ニッコリと笑って誤魔化すのを続けた。

まるで裏で何か腹黒いことをしている悪女みたいな態度でしょ?

それを七歳でしているのだもの、将来はきっと極悪になるに違いないわ。

私はこの一週間で飛躍的に成長したと思うの。勿論、身長じゃないわよ。

一時間で十冊の本を読み切れるようになったの。私は一日約十時間本を読むから、つまり一日百冊。

正直自分でも気持ち悪いと思っているわ。けど何故か読めちゃうのよね。

脳の処理能力が高いってことかしら。

そして、筋力もかなりついた。見た目だけだと分かりにくいっていうか、もはや筋肉がないように見えるのだけれど、腹筋500回腕立て300回ぐらいは出来るようになったのよ。

不思議だわ、理由が全く分からないのよね。

それにひねりやバク転宙返り、テンポ宙返りもできるようになったし……。

私の身体能力ちょっと超人過ぎない?

それとも魔法も使えるこの世界ではこれくらいは当たり前の事なのかもしれないわね。

そんな事をぼんやりと考えながら、私はベッドから起き上がり、着替えて庭へ向かった。